インターネット上で映像、音楽、キャッチコピー等を盛り込んで商品やサービスを魅力的に伝えることのできる動画広告は、2013年頃から普及し始めました。今ではYouTubeやFacebook、企業の公式サイトなどで「Web限定」の動画広告等もよく見られるほど浸透しています。
インターネットにおける動画広告はインストリーム広告とアウトスクリーム広告に分けられ、その中にさまざまなフォーマットが存在します。今回のテーマはそれらの分類の仕方です。
インストリーム広告とは
YouTubeなどの動画サイト内で配信されています。デフォルトで音声がONなので、視聴者の目に留まりやすいといえるでしょう。
インストリーム広告の中でも以下のようにいくつか種類があります。
- プリロール動画広告
YouTubeなどでよく見られる、ユーザーが視聴する動画コンテンツの前に再生されるタイプの広告全般
- プレロール・ミッドロール広告
動画コンテンツの途中や再生後に再生される広告
- スキッパブル広告
プリロール動画広告において、動画広告が表示された数秒後に視聴選択(スキップ)ができる広告。長さは30秒~数分が多い
- ノンスキッパブル広告
視聴選択(スキップ)ができず、強制的に見せる広告。基本はTVCMと同じ15秒
インストリーム広告の特徴
インストリーム広告の特徴は以下の2つです。
- CPV課金(広告視聴単価課金)方式
広告が最後まで(もしくは30秒以上)再生された場合のみの課金となり、広告がスキップされる、途中でブラウザが閉じられる等、広告の視聴が中断されると課金がされません。
- CPV課金なため、広告投資を抑えられる
アウトストリーム広告とは
動画視聴サイト以外の広告枠に配信する広告全般のことを言います。
インバナー広告
バナー広告枠に配信されるタイプの動画広告で、別名はインディスプレイ広告です。音声はデフォルトでOFFとなっているため、映像で視聴者を惹き付けなければなりません。バナー広告にはオンマウス時には広告が拡大表示されるエキスパンド広告というものもあります。
インバナー広告の特徴は以下の通りです。
- CPM課金方式
インスクリーム広告よりも広い範囲で動画広告を配信するため、「視聴」よりも「インプレッション」を重視する課金形態です。
そのほかにも以下のような特徴があります。
- 従来のディスプレイ広告同様、「リターゲティング」「オーディエンスターゲティング」が可能
- CPMは静止画の数倍~数十倍
- 動画のファイルサイズによって配信費が変動する
インリード広告
Webページにアクセスし、広告枠が画面に表示されたタイミングで動画が再生されます。メインコンテンツの中に広告枠があるという条件が必要です。
インリード広告の特徴はバナー広告と比べると明確です。以下のことが挙げられます。
- メインコンテンツ内にあるため、画面占有率が高い
- 動画を最初から見せることが可能
バナー広告の場合、Webサイトにアクセスすると広告が画面に表示されていなくても動画が再生されます。そのため、ユーザーが広告に気がつかない・気がついたとしても動画が途中からになっているという場合もありますが、インリード広告はその2つの課題の解決が可能です。
インフィード広告
近年ではFacebookやInstagramなどのSNSのフィード上でも動画広告が配信されています。SNSの広報マネージャーが出稿するものです。インフィード広告の特徴は以下のことが挙げられます。
- CPM課金とCPC課金どちらも設定が可能
- 「ターゲティング」「リターゲティング」が可能
- 広告がコンテンツとしてサイト溶け込む
利用しているユーザーのパーソナルデータが分かりやすいSNSの強みを生かし、ユーザーが興味を持つ動画広告を配信できます。また、広告がコンテンツの一部として見てもらうネイティブアドの一部であるため、視聴者にストレスを与えないような考慮が可能です。
インタースティシャル広告
ページのローディング中に表示される動画広告です。モバイルアプリで使用され、起動時やゲームのレベル読み込みといった画面切り替えの際に表示されます。
参考文献:『アドテクノロジーの教科書デジタルマーケティング実践指南』