Gamefounders game acceleratorという大規模なゲームのスタートアップイベントがあるのですが、私達はそこでテストプレイセッションを開催しました。このイベントについて、まずひとこと言わせてください。この体験は衝撃的でした!
何故かと言うと、そもそもこんなにたくさんのテスト参加者が集まるとは予想しておらず、テストを行うこと自体が既にひとつのチャレンジでした。50人もの10代の若者を限られた時間内でテストするのは簡単なことではありません。
このイベントは一日がかりのものでした。参加者は平均年齢が15才で、25名ずつの2組のグループに別れてテストに参加してもらいました。私たちが最も驚いたのは、参加者たちがゲーム中に実に流暢に英語をしゃべっていたことと(彼らはエストニア人です)、そして何より、ゲームそのものをぶち壊しにくるかのような熱意でテストに臨んでくれました。実際にこのイベントの間にたくさんのベータ版が壊れてしまいました…。
ゲームのテストにおける5つのポイント
このイベントを通じて私たちは、ゲームのテストを行う際に犯してはならない、いくつかの過ちに気づきました。同じ失敗を繰り返さないために、ここにゲームのユーザビリティテストを行う際にありがちな過ちとその回避方法について述べようと思います。
1. 説明しすぎない
この種のイベントを行うなら、ゲームやアプリに関する説明は必要最小限に留めるべきです。ゲームの背景についての説明などは一切するべきではありません。そうしたものは、放っておけばプレイヤー自身が勝手に見つけ出してくれます。プレイヤーが必要としているのは、ゲームのインストールから開始までのごくごく最初の操作方法のみです。そういった基本操作が理解できていないようなら、そのときは手を差し伸べれば良いでしょう。
2. プレイヤーに期待しすぎない
プレイヤーがあなたのゲーム内のメニューをすべて理解していると思い込んではいけません。ゲームを開始する前に、テスト参加者にメニューやゲーム内のアイテムについて話すように仕向けましょう。彼らは各設定項目やボタンの意味を理解していますか? メニュー項目をあちこち移動するとき、彼らはどう感じるでしょうか?
このイベントの間、いくつものチームがゲーム中にスタート画面やメニューを飛ばしてしまうのをしばしば見ましたが、これはダメなパターンです。自分たちでは気づかない部分で、ユーザビリティの欠如をしているのかもしれません。
通常より簡単なモードや障害者のためのハンディキャップモードも用意しておくべきです。色覚障害者のためにカラーテーマを変更するオプションもあったほうが良いですし、耳の聞こえないプレイヤーのための字幕オプションや、認識力が劣っていたり機敏な動作ができないユーザーのために、ゲームのスピードを変更できるオプションも用意すると良いでしょう。そうした障害者に配慮したゲーム作りについてもっと知りたい場合は、gameaccessibility.orgを御覧ください。
3. ターゲットとなりうる層には全員テストしてもらう
あらゆる世代の男女に遊んでもらうようなカジュアルゲームを作っているなら、すべての年齢層の男女をテスト対象とするべきです。小さな子どもたち向けの教育ゲームを作るなら、その親たちもテスト対象にしたほうが良いでしょう。なぜなら、実際にお金を出すのは親たちだからです。
ゲームのコンセプトが理解できなければ、彼らがゲームを購入することはない、ということを忘れないでください。詳しくは、Trinidad Consultingにおける私たちのテストセッションについての記事をお読みください。
4. 話しかけすぎない
プレイ中のテスト参加者にたくさんの質問を投げかけてしまうと、ゲームの世界に熱中するのを妨げてしまいます。まずは彼らにゲームをするように促し、その後で彼らがどう感じたか尋ねてください。彼らがどう感じたかに耳を傾けることと、出来る限り自由に答えられるような質問をすることに注意を払ってください。何か不満を感じさせる要素はあったでしょうか? 特に心が動いた部分はどこでしょう?
とにかく邪魔はなるべくしないべきです。そのためにも、一人のテスト参加者に質問をするスタッフは一人に限定した方が良いでしょう。色々なスタッフから質問を受けると、テスト参加者は混乱してしまいます。
また、プレイ中の彼らの仕草や挙動をよく観察してください。例えば、テスト参加者はリラックスしていますか? それとも緊張していますか? ゲーム内の特定のイベントに彼らは反応しますか? どのようなときに、彼らの瞳は輝いていますか?
5. 録画をする
テストセッションの間にメモをとることはもちろん良いことですが、同時に録画することも忘れてはいけません。ゲームであれば、端末の画面を録画できるスクリーンレコーダーと、テスト対象者の表情を撮影するためのビデオカメラを併用することをおすすめします。もし可能なら、皮膚反応センサーやアイトラッキングセンサーもなど使うのもいいかもしれません。
皮膚反応センサーは、身体から得られるデータによってプレイヤーの感情の変化をダイレクトに読み取ることができます。XboxかPS3のゲームをテストするなら、そのようなセンサーが組み込まれたコントローラーがあるので、これを利用すれば、プレイヤーに無理強いせずにデータを得ることができます。そうでなければ、一般的なセンサーを付けるようにプレイヤーに頼めば良いでしょう。
これに加えて、アイトラッキングを行ってデータを収集できれば、より詳しいデータを得ることができます。
以上です。このような記事を他にも読みたければ私達のウェブサイトをご覧ください。最後にもうひとことだけ。思い込みで終わらせないで、できるだけユーザーテストをしましょう!