ディープラーニングと自動運転:未来の車の姿とは?

UX MILK編集部

モノづくりのヒントになるような記事をお届けします。

最近、ニュースやネットでも話題になっている自動車の自動運転技術。技術の進化とそれによって利用者にもたらされるメリットとはどんなものなのでしょう?

自動運転とは?

そもそも自動運転とはどういうものなのでしょう? 自動運転とはロボット工学、人工知能などを組み合わせた技術です。一般的には人の運転よりも正確性に優れており、操縦者の負担を軽減することにも繋がります。今後数年間のうちに多くの自動車に搭載されていく見通しです。

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自動運転のメリットとは?

運転が大好きな人にとっては、自動で運転されると楽しみが減ってしまうのでは? という懸念を持つ人もいるのではないでしょうか? この疑問に対して日産のカルロス・ゴーン社長はこのように答えています。「自動運転技術の開発にあたっては、『運転の楽しさ』ではなく、『単調で退屈な運転』をなくすことに焦点を当てています。」と。渋滞時の運転は正直退屈だと感じませんか? また、まっすぐで単調な高速道路をひたすら走る長距離運転を楽しいと言えない人も多いのではないでしょうか? 自動運転ではドライバーは好きな時に自動運転を選択することができるのです。

また、安全性も向上します。自動運転技術は避けられる衝突事故をなくせる可能性を秘めています。NHTSA(自動車や運転者の安全を監視する米国運輸省の部局)によれば、アメリカの2011年の交通事故件数は530万件で、3万2367人が交通事故によって死亡しているそうです。そのうち実に93%がヒューマンエラーとのことです。

photo: S.Wacharaphong / Shutterstock.com

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トヨタが社運をかけるAI

トヨタが社運を懸けるAI、その最先端を行く企業の1つが東京大学発ベンチャーの「プリファード・インフラストラクチャー(PFI)」です。PFIはコンピューターが環境に応じてどのように行動すればいいかを自力で学習していく「深層学習」(ディープラーニング)と呼ばれる技術で注目されています。

コンピューターが自力で学習する、とはどういうことでしょうか。コンピューター画面上でシミュレーションを始めると、クルマはいずれも仮想コース上で細かく振動するだけで動きません。コンピューターがクルマをどう動かしたらいいかを知らないからです。

ところが、しばらくするとクルマは壁にぶつかりながらも進行方向に走り出し、そのうちに壁にぶつかることなく、カーブも器用に曲がりながら周回をし始めます。これはコンピューターが突然の環境変化にも対応して運転の仕方を「自動的に学習」したことを意味します。

実験を重ねて学習を繰り返すほど、運転の精度は上がっていく、これがAIの深層学習の力です。走行した距離がクルマの学習量となり、走行するごとに賢くなるのです。まるで赤ちゃんがお母さんとのコミュニケーションを通して徐々に言葉を覚えていくようですね。

自動運転技術の進化は日進月歩です。遠くない将来、人が全く操縦することなく、安全に走行できる自動車が誕生するのではないでしょうか。



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