デザインの審美性をテストする方法

Paul Boag

PaulはUXのデザイナーでありデジタルトランスフォーメーションの専門家です。彼はユーザーを促進するためのウェブやソーシャルメディア、モバイルの活用を、非営利やビジネスの分野で手助けしています。

この記事はboagworldからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Testing design: How do you test a design comp?

私たちは皆、作成したWebサイトにはテストが必要であること、そして、ユーザビリティをテストする確立した手法が存在することを知っています。しかし、デザインの審美性をテストすることについてはどうでしょうか? あるいは、デザインカンプの検証についてはどうでしょうか?

私は以前、自分のユーザビリティテストのアプローチUIデザインでイテレーションを用いる方法について記事を書いています。しかしこれらの手法は、デザインの審美性やデザインカンプをテストすることに焦点を当てていませんでした。デザインのテストは考慮に値するのでしょうか? あるいは、デザイナーの役割を損ねるものなのでしょうか?

デザインのテストは価値があるか?

デザインのテストについてほかのデザイナーと議論すると、大概否定的な反応をされます。というのも、クライアントはデザイナーの専門性に対してお金を支払うので、デザイナーは干渉されることなく外観と雰囲気を改善するべきだと、彼らは認識しているからです。また、彼らは「大衆」が発言権をもつと、デザインを幾らか妥協しなければいけないという不安も示しました。

これらの反応はある意味もっともです。デザインの決定はデザイナーが行うべきであり、デザインに関しては、料理人が多すぎると確実にスープが台無しになります。

しかし現実には、ステークホルダーがデザインプロセスに干渉してきます。その際デザインのテストは、知識がない人間の影響を最小限にする効果的な方法なのです。

また私は、デザインのテストには、以下の4つの利点があると考えています。

個人的な嗜好の範囲を超える

私たちは皆、制作しているデザインが気に入らない状況を経験しています。多くのデザイナーは、デザインがどの程度のクオリティに見えるのかについて強固な意見をもっています。しかしWebサイトのデザインにおいて、それらの意見はまったく重要ではありません。重要なのは、ユーザーがデザインに好意的な反応をするかどうかです。

Webサイトをデザインする際、個人的な嗜好は、たとえ専門的なデザイナーの嗜好であっても決定要因にはなりません。私は自分が嫌いなWebサイトを作ったことがありますが、それらはターゲットのユーザーが好むものでした。つまり、ユーザーだけが重要なのです。

デザインを巡る対立を回避する

クライアントとデザイナーがデザインに合意しないせいでプロジェクトが急停止するのを、私は何度も見てきました。デザイナーは、クライアントがデザイナーの経験と訓練に敬意を払うべきだと感じています。それに対してクライアントは、自分が資金を支払っているので、デザイナーは自分が望むものを作るべきだと考えます。

このような状態に陥ると、信じられない程の損害が生まれます。このとき、デザインをテストすることで、認識の違いを緩和させることができます。

デザインプロセスを伝える

誤解しないで欲しいのですが、私はデザイナーがデザインのコントロールをするべきだと考えています。そして、デザインのテストとはデザインプロセスを伝える手段であって、デザイナーに取って代わるものではありません。

私は、デザイナーがユーザーの知識をたくさん持っているほど良いと考えています。実際のユーザーと会って、サイトの見た目や雰囲気について質問する機会を設けることは、デザイナーがコンセプトを練る際に大きな効果を発揮するでしょう。

委員会の影響力を最小限にする

デザインは承認される前にたくさんの人に見られることが多いです。大抵、正式な委員会に回されるか、デザイナーの連絡先がオフィス中に回るかします。なぜなら、誰もデザインを承認する責任を負いたくないからです。

デザインのテストは、この状況に対してもう1つのアプローチを提供します。ユーザーがデザインに対してどう反応したのかという確たるデータを提供することで、アプローチが正しいのかどうかという議論をする必要がなくなります。これによって、クライアントに承認してもらうときにデザインを理解してもらえるだけでなく、ステークホルダーが正しい見た目について議論し合うこともなくなるでしょう。

ではどのように審美性をテストするのでしょうか? どのように最適な色やタイポグラフィ、スタイルなどをテストするのでしょうか? どのようにデザインがユーザーに正しい感覚や性格を伝えていることを確かめるのでしょうか?

まずは、審美性について学ぶべきことを知りましょう。

何が十分でないと思うかをユーザーに尋ねる

ただユーザーにデザインを見せて、気に入ったかどうかを聞くだけでは不十分です。このアプローチには2つの問題があります。

まずユーザーが気に入るかどうかは、唯一の判断基準ではありません。たとえば法律事務所のデザインについて、ユーザーが個人的に堅苦しくて気に入らなくても、専門的で信頼できる会社だという正しい認識を与えられるかもしれません。

2つ目に、ユーザーに考えたことについて聞くと、ユーザーは「緑は好きではないです」といったコメントを返します。このようなコメントはなんの役にも立ちません。緑について何が問題だったのかを知る必要があります。

ブランドの価値と特性に焦点を当てる

デザインを確立するときにもっとも重要なことは、企業をきちんと反映しているかどうかです。このためには、ブランドがどのような特性をもっているのかをしっかり理解する必要があります。

このプロセスを実行する方法はたくさんあります。その中で私が気に入っているのは、ブランドを1人の人間と見なす方法です。ブランドを言い表す有名人を思いつくかもしれません。あるいは、自分で作り上げた架空のキャラクターを考えたいと思うかもしれません。

Archetypes in Brandingは、ブランドの特性を決定するのに便利なツールです。

どのような人物に見なそうと、その人物には、一言で表せる具体的な性格の特徴があるでしょう。のんびりしているかもしれませんし、きっちりしているかもしれません。どのようなケースにしろ、この言葉がブランドの中核になります。よって、どのようなデザインにおいても、これらの言葉を伝えているのかという疑問が生まれます。

これを知るための唯一の方法が、実際のユーザーでテストすることです。なぜなら、デザイナーとステークホルダーはプロジェクトと関係しすぎていて、客観的視点に欠けるからです。しかし、これらの言葉に対応するデザインをどのように確かめれば良いのでしょうか?

デザインをテストする方法

以下に挙げるのは、私が使うテストの方法です。ここでは、すべての方法ではなく私が特に利用しているものだけを挙げています。とはいえ、いくつかの選択肢を提示するべきでしょう。

それぞれのテストには強みと弱みがあるので、組み合わせて使うべきです。

A/Bデザインテスト

もっとも基礎的なのは、シンプルなA/Bテストです。A/Bテストは、何が最適なアプローチかわからないときに使うと理想的です。ときには予定と異なる方向にデザインを進めることがあるかもしれません。どちらに進めるのが最適か決めかねているなら、シンプルなA/Bテストは答えを提示してくれるかもしれません。

A/Bテストでは、ユーザーに2つのデザインを表示し、どちらが好きかを尋ねます。これだけでも十分なのですが、次のステップに進みたい人もいるでしょう。

HelioはA/Bテストを簡単に行えるツールです。

どちらが好きかを尋ねる代わりに、ブランドの言葉の一覧を見せて、どちらのデザインがそれらの言葉を上手く表現しているかを聞きましょう。そうすることで、単なる好き嫌いの話題から、ブランドに直接関連する話題に移行することができます。

SD法(Semantic Differential Survey、意味差判別法)

SD法は洒落た名前ですが、考え方はシンプルです。

このテストでは、1つないしは複数のデザインをユーザーに見せ、そのデザインを対立する2つの言葉によって評価してもらいます。

たとえば、フォーマルかカジュアルか、ミニマルか乱雑かといった言葉です。これらの選択肢は、二択の問題でも、目盛りをスライドさせるものでも構いません。

SD法は、選択したキーワードに関してサイトがどのようにパフォーマンスしているのかを知る優れた方法です。

目盛りをスライドさせる際にはヒントが1つあります。目盛りの数を偶数にしてください。たとえば、1~5ではなく1~10にしましょう。奇数にすると、大抵ユーザーは中間(1〜5では3)を選択します。偶数にすれば、ユーザーはどちらかに傾かざるをえません。

また、私が便利だと感じた、一般的なSD法のバリエーションも存在します。ブランドを表現しているターゲットワードとその対義語を用意して、その中に、デザインを描写するのに使われる可能性のある言葉をいくつか混ぜます。そして、デザインを見せて、ブランドをもっとも表現している言葉を選んでもらうアンケートを実施しましょう。これによって、デザインに間違った反応をされていないかという心配を解消することができます。

キーワードマッチングによって、ブランドが正しい魅力を発揮できているかどうかを確認できます。

競合を用いたデザインのテスト

もう1つのアプローチは、新しいデザインがどれ程上手くいっているのかを、競合と比較して分析する方法です。

このテストでは、自分のデザインと競合のデザインを隣り合わせて表示します。そして、「きちんとしている」、「信頼性がある」、「専門的だ」などのリスト内のキーワードについて、どちらのWebサイトが表現できているかをユーザーに選択してもらいます。

競合と比較してデザインを評価してもらうことで、差別化ができているかどうか分析することができるでしょう。

これによって、自分のデザインが競合を上回っているのかを判断することができます。同時に、セクター内のデザインがすべて同じように見えるという、2つのサイトに共通する問題点も発見できるでしょう。ユーザーが2つの中から優れたサイトを選ぶのに苦心していたら、サイトが十分に差別化できていないのは明らかです。

スナップテスト

最後の方法は、第一印象に焦点を当てたものです。ご存知の通り、ユーザーは一目見ただけでサイトを判断します。私たちはこの事実を受け入れなければなりません。

最初にWebサイトに対して悪い印象を抱いてしまうと、ユーザーはコンテンツやユーザビリティを批判的に見ることが調査によってわかっています。よって、素晴らしい第一印象のサイトを作ることが決定的に重要です。

スナップテストは名前の通り、ユーザーにデザインを1秒か2秒だけ見せて、その反応を求めます。

与えられた時間が短いことで、ユーザーはリスト内のキーワードを基にデザインを判断するのが難しいと感じるかもしれません。しかし、少なくとも見たものに対する反応が肯定的か否定的かということはわかるでしょう。

外観はユーザビリティと同じくらい重要である

Webデザイナーの多くは、自分を「ユーザー中心のデザイナー」だと見なしたがります。この言葉はユーザビリティテストを強調するもので、実際多くのデザイナーはユーザビリティを重視します。しかし、ユーザビリティテストは、ユーザーを用いてテストする唯一の方法では決してありません。

私が主張したいのは、ユーザビリティと同じくらい、Webサイトの外観とブランドバリューを適切にすることが大切だということです。改善すれば、驚くほど便利で、決して忘れられないサイトにできるでしょう。ユーザビリティと外観の両方をテストすることが必要なのです。


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