2月、愛の季節がやってきました。
新しいカップルが「Facebookで交際ステータスを公開」しているのを見ると、私は興奮を隠せません。このカップルは愛の誓いと相性という高いハードルを乗り越えて交際をしているので、どんなに懐疑的な人であっても感動するでしょう。
さて、この注目の新しいカップルとは誰でしょうか?
定量分析と定性分析です。
そう、分析です。分析に愛やロマンスを見出すなんて完全にオタクでしょうか。しかしこの記事を読むと、あなたも分析にロマンスを感じられるかもしれません。
モバイルアプリのユーザビリティを評価するとき、対面のテストと組み合わせて、少なくとも1つはアプリ解析ツールを導入するでしょう。
分析を駆使して「データドリブン」を実行することは重要です。では、データから実用的な解答を得るために、どれだけ時間と労力を費やしているでしょうか?
もし「たくさん」費やしているのであれば、それは定量分析しか頼っていないからかもしれません。
はっきりさせておきますが、定量分析が役に立たないと言っているわけではありません。 DAUや位置情報、滞在時間、コンバージョン率などのすべてを計測する大きなプラットフォームを想像してみましょう。定量データと呼ばれるこれらの指標は、全体的なユーザーの行動や使用傾向に関するインサイトを集めるのには役立ちます。しかし、これらの数字は「なぜ」という重要な疑問に答えるものではありません。
- ユーザーが「友だちを紹介する」ファネルで離脱したのはなぜか?
- ユーザーが突然購入を放棄したのはなぜか?
- ユーザーが2つの画面の間を素早く行ったり来たりしたのはなぜか?
定量分析は、数字に基づく質問にしか答えられません。数字が伝えてくれる重要なストーリーも存在します。しかし、そのストーリーをどのように理解して、他者に伝えればいいのでしょうか?
そこで、(陳腐な表現ですが)定量分析というジャムに欠かせない「ピーナッツバター」が重要になるのです。定性分析では、数値データの背後にある「理由」を調べることができます。
定量分析は数字で測れるアプリの側面に焦点を当てますが、定性分析はユーザー体験を重視しています。
定性分析プラットフォームで見られる標準的な機能は、主にユーザーセッションのレコーディングとタッチヒートマップです。これらのツールを使用すると、ベータ版の試験者ではない実際のユーザーの跡を辿って、どのようにアプリを実際に操作したのかを調べることができます。定性分析は、ユーザー体験のように、主観的で微妙なKPIを分析する最善の方法です。
定量分析と定性分析という、2つの本質的に異なるシステムを組み合わせるとどうなるでしょうか? データを情報に、そして情報を実用的なインサイトに変換するプロセスを合理化する、強力で必要不可欠な組み合わせです。
それぞれ個別でも有用なツールですが、連携して機能することで、モバイル製品に対してより正確でデータドリブンな意思決定をすることができます。
つまり、定量データは、アプリ内の状態に対するアラートとして、定性データはアプリ内の状態の調査員として機能します。
では、このような定量データと定性データの連携から恩恵を受けるであろう、一般的なモバイルアプリの一般的なシナリオを見てみましょう。
クラッシュ
アラート
日ごとのアプリのクラッシュ率に関する定量データから、クラッシュ率が前日より27%上昇したことがわかりました。
なぜ起きたのか?
調査:セッションのレコーディングを提供する定性分析ツールから、特定の日にクラッシュしたセッションの録画を見ることができます。これによって、アプリ内でバグがどのように見えるか、ユーザーが何をしているかといった重要な視覚的コンテキストを把握できます。
結果:可視化することで、クラッシュを正確に再現し、クラッシュを引き起こしたユーザーの操作や一連の動作を正確に特定することができます。それに応じてコードの行が編集されたら、定量データをもう一度参照して、クラッシュが完全に解決されたことを確認しましょう。
コンバージョンファネルからの離脱
アラート:
「新しいユーザーアカウントの作成」のコンバージョンファネルに関する定量データから、62.4%のユーザーが「アカウントの作成」画面にアクセスしてから「新しいユーザーアカウントの作成」に移る間に離脱していることがわかりました。
なぜ起きたのか?
調査:このファネルから離脱したユーザーのセッションの録画にアクセスして、ユーザーが「新しいユーザーアカウントの作成」を完了しなかった要因を正確に分析しましょう。また、「アカウントの作成」画面のタッチヒートマップから、多くのユーザーが使用しているジェスチャーとジェスチャーを使用した場所を確認できます。
結果:ユーザーのレコーディングとタッチヒートマップによって、アプリのどの要因がユーザーのアカウント作成体験に直接影響しているのかを突き止めることができます。負の要素を特定できると、正確に自信をもってその特定のファネルを最適化することができます。場合によってはA/Bテストも最適化できるでしょう。さらに、離脱率の改善具合から、最適化の結果と調整も検証することができます。
離脱率が高い画面
アラート:
定量データから「設定」画面の離脱率が52.3%であることがわかりました。
なぜ起きたのか?
調査:「設定」画面を開いたすべてのユーザーセッションのレコーディングをフィルタリングして視聴し、どのようにユーザーが当該画面を操作しているのか、ユーザビリティの問題があるかどうかを理解しましょう。また、この1画面のタッチヒートマップを確認して、反応が起きないジェスチャーがないかどうかを確認します。
結果:1人のユーザーの視点と集合的な視点の両方からの画面の定性データを調べることで、高い離脱率に直接関係するすべての要因を断定することができます。これを知ることによって、当該画面のユーザビリティを向上させて、ユーザーのエンゲージメントを高めることができるでしょう。
まとめ
対になるものは互いに惹きあうのでしょうか? 今回のケースでは、答えは「Yes」です。
定性分析と定量分析を組み合わせることで、データから価値があるものとそうでないものを区別し、モバイルアプリに関する重要な意思決定ができるようになります。また、ユーザーへの理解を深め、よりユーザー中心的な製品にする助けにもなるでしょう。
定性分析と定量分析は一緒に使用することで、モバイルアプリを効果的かつ継続的に改善する強い原動力になります。