なぜメンター制度はすべての人にメリットがあるのか

Ben Gremillion

Benは、UXPinのコンテンツストラテジストです。以前はWebデザイナーで、その後にバックエンドディベロッパーを務めていました。彼は新聞デザインからキャリアをスタートさせ、デジタルの未来を見据えてHTML/CSSを学びました。

この記事はUXPinからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Why Design Mentorships Lead to Success for Everyone Involved

2016年、UXデザイナーのPia Klancar氏は新人デザイナーのメンターを始めました。彼女はメンターに情熱を持っていましたが、チャレンジングなことでもありました。

CareerFoundryのシニアUXデザインメンターであるKlancar氏は、「最初の会議で、私のメンティーが多くのバックグラウンドとなる知識を持っていることを知り、学校のシステムに挑戦する情熱を分かち合えると思いました。」と語りました。「彼はプログラムをどんどんこなしていったので、挑戦的な仕事をしようと思う間もなく、既に仕事が山積みでした。」

すべてのメンター制度が成功しているわけではありません。しかし、その制度を続けている多くの人たちは、成功している傾向があります。国立メンタリングパートナーシップの研究では、メンター制度を受けた人の55%が自らのキャリアを高めるためにより高度な教育を受けようとするという結果を示しています。

しかし、なにがメンター制度を素晴らしいものにしているでしょうか? 成功の定義は事例ごとに異なりますが、素晴らしい制度には以下のような特徴があります。

  • メンティー自身の関心がある分野で、プロとして挑戦的な仕事を見つけることができるかどうか
  • メンターもまた仕事に対する新しいインサイトを得られるかどうか
  • スポンサー団体がメンティーを価値ある従業員やリーダーとして雇うとき
  • メンターがガイダンスを行い、インスピレーションを与える

Klancar氏は彼女のメンティーについて「いつもならこのような方法で励ますことはないのですが、彼は情熱的だったので彼ならできると思いました。彼はこのプログラムの後、彼が作ったプロジェクトで働くことを選びました。彼の仕事は、私がいままで見てきたものの中のもっとも優れたものの一つです。私は今後を楽しみにしています。」と言っています。

優れたメンター制度はチームの努力の結果

若いデザイナーがチームにアサインされるインターンシップとは異なり、メンター制度はベテランと新参者が近しい関係を築くために二人一組になります。

「メンター制度の理想形は、相互に利益のある関係性です。メンターは、彼らの経験と知見を教え、メンティーからの質問に答えることで利益を与え、また学びを得ます。メンティーは、メンターの成功体験とレッスンから新たな価値観だけでなく、メンターという信頼できる相談相手を得ることができます。」とMyplanetでエクスペリエンスデザインを手がけるNathalie Crosbie氏は言いました。

メンターの仕事は、実践的なテクニックを見せて教えるだけではありません。実際には、テクニックを実演して示すことはほとんどありません。良いメンターは建設的なフィードバックを与え、彼らのデザイン業務において何が実用的なのかを教えます。また、メンターは、直接的な答えをメンティーに教えるのではなく、スキルや専門知識を共有したり、メンティーがプロフェッショナルなネットワークを築くサポートをしたりすることを期待されています。

Klancar氏は、「メンターは、先生のような存在です。彼らは、メンターに学ばせるためにサポートしたり導いたりします。仕事以外の問題についてもアドバイスをくれるでしょう。」と言いました。

メンターは、建設的な批判を与えることができる立場です。その批判は、必ずしもネガティブなものである必要はありません。良いメンターは、メンティーに対して悪いことと同じくらいに良いことを教えてくれたり、彼らのために道筋を示してくれたりします。誰もが同じスタイルや考え方を持っているわけではないので、これは難しいことです。つまり、メンター制度とはメンティーが彼ら自身の手法を見つける手助けをするためにあるとも言えます。

しかし、すべての責任がメンターにあるわけではありません。良いメンティーは、メンター制度における目的以外のことも用意しています。彼らは、メンターに期待することを明確に持っているので、メンターはどのようにフィードバックすれば良いか決めやすくなります。たとえば、メンティーがプレゼンスキルを高めたい場合は、電話やSkypeではなく対面のミーティングを行ったほうが良いでしょう。

Crosbie氏は、「私の経験では、メンター制度をうまく機能させるためには、メンティーがイニシアチブを握る必要があります。」と言いました。「彼らはメンター制度で何を求めているのかを明確にすべきです。そして、メンターはそれがこの関係にもたらす効果を知っています。メンティーが求めていることを明確にしたとき、メンターは彼らが必要とものを提供できるようになります。」

メンター制度におけるタイミングと信頼

どのような関係性でもそうですが、メンター制度には独自のストーリーがあります。たとえば、業務上の関係から始まり、生涯の友情となることもあります。一方、知り合いの間柄で始まり、プロジェクトが終わると疎遠になるこもあります。

しかし、そこにはいくつかの共通点があります。いつでも話せる環境を整えることは、メンター制度を成功させるために不可欠です。定例ミーティングは、両者にとって都合が良いです。

Klancar氏は、「メンティーと話をすると、デザイナーとして成長するサポートをしてくれることを期待しているというフィードバックをいつもくれます。」と言いました。

多くのメンターは、「アクティブリスニング」を使うことで、メンティーがより深く考えることを促すようにしています。たとえば、暖色を使うことを指示するのではなく、どうすればデザインに暖かみを加えることができるか、暖かみを優先する理由はなにかと質問するかもしれないです。このような質問はメンティーを半人前と扱わないので、彼らに創造的な学びを促します。

Klancar氏は、「メンターは、答えを与える前に質問を投げるべきです。メンティーを導くには、彼らを結論へ誘導する質問をすると良いでしょう。そのためには正しい質問をすることが必要です。」と言います。「うまく導くことで、メンティーに彼ら自身の仕事を発表するための時間と場所も与えることができます。発表することで自分自身で小さな欠陥を発見することもあります。この方法によって、彼らは自分で物事を行い、自ら学ぶようになります。」

メンターシップのもうひとつの重要な要素は信頼です。

お互いを信頼することは、相手が自分のためを思ってくれていて、フィードバックとアイデアを考えなく否定することはないと信じることです。信頼がないと自由に情報交換することができないとCrosbie氏は言います。

「メンティーは、自身のメンターが共感と思いやりを持って話を聞いてくれると信用すべきです。あまり経験がないメンティーが一目置かれることは稀です。だからいきなり一人前として判断されないことや、メンターが気遣ってくれることを知るのは良いことです。」とCrosbie氏は言いました。「たとえば、クライアントとの間で起きた問題についてメンティーが私のところに相談しにくるかもしれません。もし、私が共感をもって聞くのではなく、メンティーを一人前と判断したなら即座に問題とされているプレゼンテーションの方法論に対してのアドバイスをするでしょう。ただそうした場合、メンティーは戸惑ってしまい、なぜパフォーマンスが出なかったのかについて本当の理由を語ってくれることはないでしょう。そして本当にもしそういった原因が問題であるならば、メンターとメンティー間での何でも言い合えるフラットなコミュニケーションはとても大事です。

信頼と有用性、期待があるとたくさんのメンターシップは成功への道につながるでしょう。そして驚きが生まれます。

予想外の利益

メンターとメンティーの関係は一方通行ではありません。メンターが自身のデザイン原則とテクニックを明確にすることは、自らの仕事について批判的に考え、前提としていたことを改めて考える機会となります。そして、これによって知識の穴を塞ぐことができるでしょう。多くのメンティーは、彼らの提案がメンターにとって意味のあるものだとは考えませんが、必ずしもそうとは限りません。

「自分の成果を肯定できないインポスター症候群になるメンティーは多いです。」とCrosbie氏は言いました。「なぜ経験豊富な人が私を助けたいと思うのかと自問することです。メンティーは、メンターが彼らのような経験が浅い人と一緒に働く利益を見落としています。たとえば、異なる業界出身のメンティーや卒業したばかりのメンティーは、彼らに新しいアイデアやテクニックをもたらしてくれることもあります。メンティーは、従来のパターンやシステムに必ずしも頼っているわけではなく、むしろ従来の方法に挑戦していると言えます。」

Klancar氏はこれに似たような見解を持っています。「同じメンティー制度でも、メンティーが経験することは多様で、メンターが彼らに教えられるのと同じくらい教えられることがあります。もしあなたが彼らが成長できるように後押しするなら、あなた自身も同じくらい成長する必要があります。」

そしてそれは証明されました。履歴書に書かれたメンター制度の経験は、あなたのプロとしての立場を傷つけることはありません。「メンターになると評判が良くなりますし、良いメンターになればキャリアにとってプラスなだけでなく、重要なことをしたかのように感じることができます、」とKlancar氏は言いました。

シニアデザイナーが若手を指導することのビジネス上のメリットもあります。DHLがメンターシッププログラムを実験的に始めたとき、彼らのプログラムを終了した後に「参加者の60%は、昇進しました」。

「25%のメンティーが昇給しました。さらに、メンターではないマネージャーの5%と比べると、28%のメンターが昇給しました。」とFortune MagazineのAnne Fisher氏は書きました。

終わりに、メンター制度は個人的なレベルで大いに実用的であり、デザイナーのキャリアにおいて良い影響を与えます。「私にとって、デザイナーがメンターシップを必要とするか否かは経験があるなしの問題ではありません。」とKlancar氏は言いました。