インラインバリデーションがフォーム入力の妨げになるケース

anthony

UX Movementの創立者、ライター。ユーザーに優しいユーザーエクスペリエンスデザインのスキルを読者の方が上達できるよう、UX Movementのブログを作りました。

この記事はUX Movementからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Why Users Make More Errors with Instant Inline Validation

フォーム入力におけるインラインバリデーションはユーザーの入力完了を妨げている恐れがあります。

インラインバリデーションは問題のあるフィールドのインラインにエラーメッセージを表示します。ユーザーがフォームを送信する前にこれが起動すると、さらなるエラーが発生する原因になり、フォームを完了するのに余計に時間が掛かってしまうことがあります。

送信前にバリデーションをするということ

77名90名が参加した2つのリサーチによれば、ユーザーが情報を記入したフィールドから離れた瞬間にエラーメッセージを表示すると、フォームを完了するまでにはるかに多くのエラーを犯すことがわかりました。

ユーザーは間違いを瞬時に訂正する機会があったにもかかわらず、結局エラーメッセージを無視してしまったのです。ユーザーはそのままフォームを記入し続け、送信するとき結果的により多くのエラーメッセージが表示されました。送信前のエラーメッセージは、ユーザーを苛立たせることになったことが研究でわかりました。

送信前にフィールドのバリデーションを表示すると、ユーザーはより多くのエラーを犯し、結果的にユーザーをさらに苛立たせることがこの結果から証明されました。ユーザーがフォームを完了するのに長い時間を費やさないよう、フォームではエラー率が低いほうが望ましいです。記入に時間が掛かれば掛かるほどユーザーは不満を持ち、フォームの完成を諦めることに繋がります。

送信後のバリデーション

対照的に、このリサーチでは送信ボタンを押した後にエラーメッセージが表示されると、ユーザーの犯すエラーは比較的少ないことがわかりました。

この結果から示唆されるのはフォームを記入する際、ユーザーは異なるマインドセットを持っているということです。フォームを開始するとき、ユーザーは記入に集中しています。間違いを犯すことを気にせず、それぞれのフィールドを埋めることだけに神経を注ぎます。すべてのフィールドを埋め終えると、マインドセットが入れ替わり、それからエラーの訂正に集中します。

記入と訂正という異なるマインドセットを何度も行き来させられると、ユーザーの注意力が分散され、遮られます。これによりユーザーは考える労力が増え、より多くのエラーを犯し、結果的に完了までの時間が長引いてしまうのです。

フォームをより短時間で完了することができるので、ユーザーは一度に1つのタスクに集中することを好みます。1つのタスクに集中すると、ほかのタスクには注意が向きにくくなります。記入か訂正のどちらかに注意力のすべてを集中できるとき、精神的能力は高まり、その課題に徹することができるでしょう。

変化を見落としてしまう

送信前のバリデーションでは、ユーザーが変化を見落としやすくなります。記入に集中しているとき、ユーザーはエラーメッセージを無視する傾向にあります。エラーが表示されたまま送信ボタンを押すと、新しく現れるエラーメッセージは見落とされてしまうでしょう。なぜなら、すでにエラーメッセージで覆い尽くされたフォームの中で、視覚的な変化を検知するのは難しいからです。

バリデーションが送信後に現れると、エラーのないフォームからエラーがあるフォームに移行するので、ユーザーが変化を見逃すのを避けられます。これによって、ユーザーは送信が実行されたことを示す視覚的にわかりやすい変化を感じることができます。

このルールの例外となるフィールド

送信後のインラインバリデーションは、すべてのフィールドに適応しているわけではありません。ユーザーネームやパスワードの欄には、もっとも厳しいインプット条件があるため、リアルタイムで修正される必要があります。これらのフィールドで送信後にバリデーションが表示されたら、ユーザーは適切なインプットを入力できるまでに、何度も送信し直さなければならないでしょう。

ほかのユーザーがすでに使用しているユーザーネームを選んでしまうことは多々あります。使用可能なユーザーネームを見つけるまでには、何度か入力を試す必要があります。

同時に、ユーザーセキュリティのために、パスワード欄にも文字のルールがあります。すべての規定を満たすためには、また複数回の試行が必要になるでしょう。

リアルタイムのインラインバリデーションは、ユーザーネームやパスワードのフィールドだけでなく、厳しい入力条件があるほかのフィールドでも適用できます。

ユーザーがフォームを送信してから欄を検査する

送信後のインラインバリデーションはユーザーの記入時間やエラー、苛立ちを最小限に抑えることができます。このような指標を改善したいのであれば、デザイナーはユーザーがフォームを送信する前にフィールドにアラートを表示するのを控えるべきです。

送信後にエラーメッセージを表示することは、ユーザーがフォームを記入する際の精神のプロセスと合致します。ユーザーはできるだけ早くフォームを完了したいので、なるべく早い方法でフォームを記入していきます。ユーザーが記入ではなく、訂正に集中しているときにフィールドをチェックするようにしましょう。さもなくば、フォームを記入する時間を長引かせてしまいます。


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