デザインにピュアブラックを使うと可読性が低くなると知っていましたか?
統計によると、「アメリカの成人の58%」がコンピュータ作業で眼精疲労を経験したことがあるそうです。デザイナーは使用する黒の色に注意を払うことで、目が疲れる可能性をある程度減らすことができます。
ピュアブラックの文字や背景
ピュアブラックの文字や背景と白の組み合わせは、ユーザーが文章を長時間読むとき目に不快感を与えることがあり、眼精疲労を招いてしまいます。
白は100%の明度であり、黒は0%の明度です。このように明度のコントラストが強いと光量に不均衡が生じ、ユーザーが明るさに順応しようとするために目が酷使されることになるのです。
この現象を実証するために、暗い部屋で明るい電灯を点けたときを想像してみてください。このような劇的な光量の変化は、私たちの目に悪影響を与えます。しかし、暗い部屋でほのかな明かりを点ければ、目の網膜が急激なコントラストの上昇によって刺激を受けることがないので、変化に順応しやすいのです。
極端に明るさが変化しないように、黒ではなく、暗い灰色の文字を白い背景とともに使いましょう。こういった工夫によって網膜に対する過度な刺激を防ぎ、ユーザーがより長い時間読み続けられるようになります。
暗い灰色は、異なる明るさに設定することもできます。自分のテキストにもっとも適合した明るさを見つけ出すために、どの色がもっとも好まれるのかユーザーにアンケートを取ってみましょう。
アクセシビリティのための高コントラスト
必ずしもすべてのユーザーにとって黒色が悪影響を与えるというわけではありません。全盲ではないけれど目の不自由なユーザーにとっては、高コントラストモードの文字のほうが読みやすいことが多いです。目の不自由なユーザーのためにデザインするときは、インターフェイス上のアクセシビリティ設定に黒色を使う必要があるかもしれません。ただ、健常なユーザーには、やはり暗い灰色を使うべきでしょう。
バランスの取れたコントラストは読みやすい
色のコントラストが強いと読みやすくなります。しかし、コントラストが強すぎると、光量のバランスが悪くなり、ユーザーの目に悪影響を及ぼしてしまいます。文字と背景の色のコントラストのバランスを取ることは、ユーザーの目に優しい文章を作り上げるのに有効な手段です。
もし色のコントラストに確信が持てないようであれば、最適な色の幅を見つけるためにコントラストチェッカーを利用することもできます。これは、WCAG 2.0を基準に色のコントラストが弱すぎるときに教えてくれるものです。しかし、逆に色コントラストが強すぎる場合には教えてくれません。その決断は、デザイナーが実際に見て、慎重に下す必要があります。
文字の色は必ずしも白と黒に限定されているわけではありませんが、もっとも使われている色の組み合わせです。よって、使用する前にデザイナーは、ユーザーの目にどのような影響があるのか考慮する必要があります。目の疲れや痛みを減らすデザインをすることで、ユーザーがインターフェイスの文章を読み、楽しむ時間を増やすことができるでしょう。