大企業 or スタートアップ、転職する際に気を付けておくべきポイントとは

UX MILK編集部

モノづくりのヒントになるような記事をお届けします。

転職において「大企業を選ぶか」、「スタートアップを選ぶか」で悩む人は少なくないと思います。

スタートアップはやりがいがある、大企業は安定していると言われることもありますが、実際はどうなのでしょうか?

今回は、「大企業 or スタートアップ」というキャリアの分かれ道をテーマに、クリーク・アンド・リバー社の瀬木さんに話を聞いてきました。

登場人物
瀬木 綾子 氏
株式会社クリーク・アンド・リバー社 エージェント
1989年生まれ。広告業界と人材ビジネスへの興味から、大学卒業後にクリーク・アンド・リバーグループ会社である株式会社プロフェッショナルメディアに就職。現在はクリーク・アンド・リバー社に出向し、エージェントとして広告代理店、広告・Web制作会社、事業会社で活躍するクリエイターのキャリア支援に従事。好きなラーメンはゆず塩。

見落としがちな家族という視点

── 今回は「大企業 or スタートアップ」というキャリアの分かれ道がテーマです。やっぱりこういった点で悩む方は多いですか?

瀬木:悩む方は多いですね。どちらが良いかは、その方の経歴や希望条件などさまざまな要素によって変わるので正解はないと思います。

ですが、大企業かスタートアップのどちらが向いているのかを判断するためのポイントはいくつかあると思います。たとえば、給与や環境、キャリア・スキル、家族などですね。

── どちらが良いと一概には言えないですよね。「家族」という要素が気になったのですが、結婚しているかやお子さんがいるかで変わってくるということですか?

瀬木:ご結婚されていたり、お子さんがいる場合、転職にあたってその辺も考慮する必要がありますね。たとえば、ご本人はスタートアップを希望されているけれど、パートナーは反対というケースはよくあります。

── どういった点で反対されることが多いのですか?

瀬木:スタートアップへの転職の場合、給料が下がったりしないか、ちゃんと昇給するのか、会社は潰れないのかといった将来性を心配して反対することが多いです。

なかには転職活動のことを何も言わずに内定が出てから「スタートアップに転職したい」とパートナーに伝えるケースもあり、そういう場合は特に反対されやすいですね。転職活動を始める前に自分がどのような仕事をしたいかなどを共有・相談するべきですね。

── そうですよね。反対されてもスタートアップに転職したい場合はどうしているのですか?

瀬木:パートナーに納得いただくために、数値や事実として出せる情報は全部出しますね。資金調達をこれくらいやっていて、これだけ資本力があるからそこまで心配しなくても大丈夫ですよと情報を提供して安心いただけるようにします。

あとは、私たちだけでは説明しきれない部分もあるので、その会社の社長とパートナーで面談する場を設けることもあります。社長が「〇〇さんはこんなに魅力的な人だから一緒に仕事をしたい」と熱弁した結果、パートナーに納得していただいたケースもあります。

目先の年収だけでなく評価制度も

── 家族がいる方にとっては、収入も大事な判断材料だと思うのですが、スタートアップと大企業を収入の面で比べるとどうでしょうか?

瀬木:スタートアップは年収が下がるというイメージが強いですが、最近はそうとも言えなくなってきました。スタートアップは少数精鋭なため、年収が多少高くても優秀な方を採用したいという会社が増えてきています

ですがスタートアップの場合、評価制度が整っていない企業も少なくありません。。そのため、昇進・昇給が社長や決裁者によって良くも悪くも左右されることもあります。一方で大企業は評価制度が明確になっているので、スタートアップに比べると評価の透明性はあると思います。

── スタートアップは、社長のさじ加減ひとつで年収も変わってきますよね。

瀬木:そうですね。大企業とスタートアップのいずれにせよ、その会社でなにが評価されるのかが曖昧なまま入社すると不幸な結果となることもあります。そのため、どのような成果を出したら給料が上がるのかを入社前に確認することが必要だと思います。

また、最初の年収は良いけど、まったく昇給しないこともあります。極端なケースでは、自分より10歳も年上で経験も豊富な先輩の年収が自分とあまり変わらないということが入社後に判明することもあります。

── 最初の年収からなかなか昇給しないパターンはけっこう聞きますね。スタートアップであればやはり気になるのはストックオプションだと思うのですが、その点ではどうでしょうか?

瀬木:ストックオプションも大きいですよね。実際、上場を目指してる企業の場合、年収は前職より下がる分、ストックオプションを付与するというケースはよくあります。ただ、ストックオプションに関しては、その企業によって方針がかなり異なりますね。

── ストックオプションに関してはどれくらい具体的に話してくれるものなんですか?

瀬木:内定後に具体的な話が出ることが多いですね。もしストックオプションを狙っているのであれば、そういった計画も入社前に聞いておくべきですね。

また、私たちがお付き合いしている企業であれば、ストックオプションの計画を知っていることもあるので、ストックオプションで一発逆転みたいなことを狙いたい方はご相談いただければアドバイスなどできるかと思います。

大企業は専門性、スタートアップは幅広い経験

── キャリアといった面では、どのような点で大企業とスタートアップは違いますか?

瀬木:大企業やメガベンチャーに所属していたのであれば、転職の際に惹きがよく書類通過率は高くなりますね。ただ、大企業とスタートアップのどちらでも、その企業で何をしてきたかが一番大事です。

たとえば、大企業の大規模サービスでバナーやLPの制作だけをしている人よりも、スタートアップで自社ECサイトのデザイン設計をしたという人のほうが評価されやすいです。どのような経験やスキルが評価されやすいのかは、企業や時代によっても異なるので、そういったトレンドを把握しておくと良いと思います。

── そうですよね。あとは一般的に、スタートアップは人が少ないから任される範囲は広くなりますよね。

瀬木:そうですね。一方で大企業は業務が細分化されているので、その細分化されてる中でプロフェッショナルを目指しやすいとは思います。たとえば、UXデザインだけを仕事にするのは、スタートアップでは難しいですが大企業であれば可能性があります。キャリアの選択肢は大企業のほうが多いのではないでしょうか。

あと若手の方の場合は、教育制度や上司といった視点も重要ですね。スタートアップだとしっかりした教育制度があることは少ないですし、実務上の先輩がいないこともあります。そのため、そうした環境でも自ら学び、成長できる方でないと難しいかもしれません。

── スタートアップは幅広く経験を積めるけど器用貧乏になる可能性もあって、一方で大企業は経験できる幅は少ないけどプロフェッショナルになれるかもと。一長一短ですね。

瀬木:そうですね。私はラーメンが好きなのでラーメンで例えていいですか?(笑)例えばラーメンを一人で一から作りたいと思ったら、スープも麺もチャーシューもすべて自分で作る必要がありますよね。その場合は決められている麺やスープを使うチェーン店で経験を積むというキャリアは合いません。

逆に「スープの専門家」などひとつの道を究めたい場合は、チェーン店のような分業されている場で、とことんその領域を突き詰めるキャリアも考えられると思います。

大企業・スタートアップの向き不向き

── 続いては、スタートアップと大企業の環境面での違いや向き不向きについてです。

瀬木:福利厚生に関しては基本的に大企業のほうが良い傾向があります。ただ、一番大事だと思うのは、やっぱり一緒に働く人との相性です。

スタートアップだと社長と距離が近く、ダイレクトに話せるというメリットはあるものの、やはり社長の意向が反映されやすいので、自分と社長の目指す方向性が合うかを見極める必要があります。

一方で社員が多い大企業は、多少考えが違う人がいても仕事上あまり関わらないようにすることもできます。また会社全体のビジョンや株主の意見がより重視されるという点も異なります。もちろん大企業でも誰と働くかは大事ですが、スタートアップほど極端ではないです。

── スタートアップは社員も含めて独特な濃いキャラが多いですよね。会社との相性は大事だと思うのですが、スタートアップに合う人、合わない人はどんな人ですか?

瀬木:これも一概には言えないですが、ひとつ挙げるならセルフスターターな方が合うと思いますね。一方で、他責がちというか、自省が少ない人はスタートアップには合わないかなと思います。

スタートアップには、厳しい状況だったり理不尽なことがけっこうあります。それも良い経験になるとプラスに考えられる人でないとやっていけません。そういう状況を楽しめる方だといいですね。また、常に新しいことに挑戦するので、好奇心が旺盛かどうかは重要だと思います。

── スタートアップはストレス耐性が低い人は向いていないかもしれないですね。

瀬木:スタートアップは事業成長スピードが速いことが多いので、常に臨戦態勢になりがちです。そういう環境の中では、ストレス耐性は必要ですね。

真面目で責任感が強すぎて、なんでも全部受け止めちゃう人もスタートアップは合わないかもしれません。ある程度のらりくらりできる鈍感力が多少あったほうが良いのかなと。もちろん真面目なことはいいことですし、スタートアップの方もみなさん真面目ではあるのですが。

── 責任感は持ちつつも、失敗してもうまく切り替えられると良いですよね。大企業からスタートアップに転職して活躍されている方は多いですが、逆に失敗した例はありますか?

瀬木:失敗例となると難しいのですが……。大企業でWebサービスを立ち上げ有名サービスになるほどに成長させたディレクターの方が、新規サービス立ち上げに携わるためにスタートアップに転職した事例があります。その方はご実績もあったので自信を持っていたようですが、いざサービスの立ち上げとなるとうまくいきませんでした。

その理由は、端的に言うと大企業だから活躍できる方だったからです。大企業には優秀なデザイナーやエンジニアがたくさんいて、その方は社内調整しながらマネジメントすることには長けていました。しかし、スタートアップにはそういったリソースがなく、その体制構築からすべて自分でやらないといけなかったのです。

── 自分がどこで一番バリューを発揮できるかというのは、転職前に改めて考えたほうが良さそうですよね。

瀬木:そうですね。これは、スタートアップか大企業かに限らず大事なポイントですね。たとえば、今の会社でデザイナーとして一番になれなくても、次の会社では自身のバリューを発揮して一番になって要職に就ける可能性だってあると思います。そのため、その企業でどういったポジションを取れるかというのも事前に考えてみることも大事だと思います。

── これまで転職者目線での話をお伺いしてきましたが、大企業とスタートアップで求められるスキルや経験の違いはありますか?

瀬木:先程の大企業とスタートアップの向き不向きは前提としてありつつ、大きな差異はないと思います。

あえて挙げるなら、スタートアップでは「議論できるか」という要素も意外と重要です。デザイナーでも、プロダクトや事業成長について意見を出したり、積極的にメンバーと議論したりする姿勢は求められますね。

あくまで傾向ですが幅広い業務をこなすジェネラリストはスタートアップで活躍しやすく、専門性が高いプロフェッショナルは大企業で活躍しやすいと思います。

今回は「大企業かスタートアップか」をお話しましたが、私のようなエージェントと気軽に何でも話をすることで、気づきが出てくることも多いです。もちろん「大企業かスタートアップか」の軸だけで企業を選ぶわけではなく、転職はいろいろな要素を踏まえて決断するものですよね。まずは一緒に考える役割としてエージェントがあると思っています。

── 大企業かスタートアップのどちらが向いているかはその人によって異なるので、悩んでいる方は相談してみると良いかもしれないですね。本日はありがとうございました!

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