絵には言葉1000個分の価値があります。大昔から、人々は複雑なアイデアをたった1つの絵を使って伝えることができると知っていました。
私たちの脳の大部分は視覚処理に使われています。人間が処理する情報の90%は視覚から来ていると述べる研究者もいます。
この記事では、視覚情報の1つであるイラストについて述べたいと思います。UIの他要素と同様、イラストも特定の目的のために使われます。イラストをUIで使おうと考えた場合、いつなんのために使う必要があるのかを明確に理解しておく必要があります。
以下ではイラストがユーザー体験にどう役立つのか、3つの典型的な例を紹介します。
1. UIをより具体的にする
コンセプトの説明
言葉だけでは、コンセプトを伝えるのが難しいときがあります。特に、コンセプトが抽象的である場合がそうです。イラストはものごとを明確化する力を持ち、デザイナーはこの特性を使うことができます。たとえば、Basecampは現代ビジネスで起こる日々の問題を明示するためにイラストを使用しています。言葉だけのメッセージより抵抗なく理解できます。
文章の背景を伝える
デザイナーがなにかをユーザーに広めたい場合、文字を使うことができます。しかしテキストだけでビジュアルがないと退屈です。またデジタルプロダクトを扱う場合、ユーザーはスクリーン内の文字を読まず、流し見ていることを理解しておきましょう。
イラストを使うデザイナーは、コンテクストを魅力的に伝えることができます。たとえばEvernoteは、彼らのアプリを使うコンテクストにおいて、「すべてを覚えておく」とはなにかをイラストを使って明確に伝えています。
イラストはオンボーディングで最大の力を発揮します。イラストはプロダクトについて素早く説明するだけではなく、UIに活気をもたらします。
ユーザーを行動に導く
イラストはとても強力なため、ユーザーを行動に導くこともできます。
2. ユーザーを楽しませる
「楽しい」という言葉は、ユーザーにとって満足な効果が得られた場合に使われます。ユーザーは1日にいくつものプロダクトに触れますが、良いと感じたもののみを覚えています。良い印象のプロダクトを見つけた場合、ユーザーはそれらにロイヤリティを持ち続ける可能性が高くなります。
イラストを使ってユーザーを喜ばせることができます。
ユーザーが目的を達成したとき
目標を達成したときに、動きのついたイラストがスクリーンに現れると、ユーザーは大きなことを成し遂げたという達成感を得ることができます。
ユーザーがなにかに困り、イライラしているとき
「不安」という言葉は、ユーザーが困ったりイライラしたときに使用されます。イラストを使いUXを通してユーザーの不安を緩和することができるでしょう。不安を喜びに変えることは可能です。たとえば、ユーザーが初めて商品を使用し、まだなにも入っていない空の状態を目にしたとき、その状態をどう表現するかで印象は大きく変わってきます。
もしくは、ユーザーがエラーなどのイライラするような場面に直面してしまった場合も、イラストを使用し印象を変えることができます。
3. 人間性を伝える
ユニークな独自のイラストを使えば、数ある商品の中から自分たちのものを目立たせることができます。
ブランドの個性を出すためのイラスト
イラストはブランドアイデンティティを印象づけることができます。ブランドのビジュアルランゲージ(視覚言語)で作られたイラストは、ブランドを強く思い起こします。ユーザーはそのようなイラストを見ると、すぐにブランドと結びつけるのです。
マスコット
マスコットはプロダクトやブランドとともに認識される、特定のイラストを指します。良くデザインされたマスコットは、ユーザーとプロダクトの間に感情的な繋がりをつくります。
例えば下記はテクノロジー産業では知らない者のほうが少ない、MailChimpの人懐っこいチンパンジーFreddieです。
雰囲気作り
イラストを使うことで、Webサイトやアプリの雰囲気作りが可能になります。視覚にはユーザーが初めてプロダクトに接したときの最初の数秒間の感情を構築する力があります。
インターフェイス全体のコンセプトに合わせたイラストを作成するのが効果的です。イラストはアプリやWebサイト全体のスタイルを考慮して作る必要があります。
結論
イラストはデザイナーが持つ強力なツールです。UIに美しさや感情を加えたり、ストーリーを伝えることを望んでいますか? イラストを使ってその望みを叶えることができます。