デザイナーからプロダクトマネージャーになるには?転職の実体験を聞いてきた

UX MILK編集部

モノづくりのヒントになるような記事をお届けします。

UX MILKでは、さまざまな角度からデザイナーのキャリアについて取り上げてきましたが、今回は「デザイナーからビジネスサイドへのキャリアチェンジ」をテーマにしたインタビューです。

デザイナーからプロダクトマネージャーになり、現在は複数のスタートアップの事業戦略やUX戦略を担う島田さんと過去に島田さんの転職支援をしたクリーク・アンド・リバー社の吉田さんにデザイナーのキャリアについてお話をお聞きしてきました。

登場人物
島田 真寿美 氏 / Twitter:@308mas
吉田 悠平 氏 / 株式会社クリーク・アンド・リバー社

影響範囲を広げるためにプロダクトマネージャーに

── まず島田さんのいままでのキャリアについて簡単に教えてください。

島田:美大を卒業後、企画職としてキャリアをスタートしました。その後、やっぱりデザイナーになりたいと思い、ベンチャー企業にデザイナーとして入社をして、自社サービスのデザイン制作やディレクションを担当しました。

吉田さんに転職支援をしてもらったのは、その次の株式会社LIFULLへ転職するときです。その後スタートアップ企業でのプロダクトマネージャーを経て、現在は、フリーランスとして、スタートアップ企業を中心にUX戦略や事業戦略に関わっています。

── デザイナーからビジネスサイドに戻ってきた理由はあるのですか?

島田:デザイナーとして働く中で、自分の影響力を広げて世の中を大きく変える力をつけたいと思ったからですね。

2社目のベンチャーで働いているとき、ただデザインを作るだけでなく、バナーの表示場所や表現方法を工夫したら、ユーザーの行動が変わってクリック率はもちろん売上にも影響が出てきました。それが面白くなってきたんです。手探りでGoogle Analyticsで数字を見たり、自分で新しい企画を作ったりしているうちに企画サイドに興味が湧いてきました。

── では、LIFULLに転職したのは企画サイドの経験を積むためですか?

島田:それまでは「0→1」や「1→10」フェーズを担ってきましたが、10→100,1000は未経験でした。そのため、事業が成長した後のフェーズの経験を積みたいという理由が大きかったです。

ある程度成熟したサービスを運営していて、組織としても整っている企業に1〜2年間だけ入り、成長したサービスの育て方や開発体制、組織マネジメントなどを知る。成長した企業のいわゆる「スタンダード」を知れたらと思い転職したのが3社目のLIFULLです。

── 目的がはっきりとしていますね。1〜2年間だけと最初から決めていた理由はあるのですか?

島田:10,100→1000の経験を積むことで、もともと経験のあった0→10と合わせて、0→1000までプロダクトを成長させられる力をつけることが目的でした。また、一度安定した企業に入ると、抜けるのが難しいと思っていたからです。安心して居心地が良くなってしまうので、2年という期限を決めないともう抜けられないなと。

LIFULLではいろいろな経験をさせていただいたのですが、2年と少し経ち当初の目的である10,100→1000の経験も得られたので、次のキャリアに進みました。

── デザイナーからプロダクトマネージャーにキャリアチェンジする中で、「もっとデザインをしていたい」といった葛藤はなかったですか?

島田:デザインは手法の1つだと考えているので、葛藤はありませんでした。プロダクトを伝える表現方法のひとつとしてデザインがあるという見方をしています。

── なるほど。プロダクトマネージャーをする上で、デザイナーをやっていて良かったことはありますか?

島田:情報の優先度を視覚的に表現できたり、頭の中で画面を構成できるのは大きいですね。あとは自分の理想形をある程度作れて、デザイナーや他職種の方とのコミュニケーションが円滑に取れるというメリットはあると思います。

転職は面倒なので信頼できるエージェント任せに

── 吉田さんに相談していたのは、LIFULLに入社するときですよね。転職エージェントにお願いしようと思った理由はあるのですか?

島田:吉田さんに相談したのは偶然ですね(笑)。当時、IT系のイベント運営をしていたんですが、イベント当日にたまたま隣に立っていた方がクリーク・アンド・リバー社の方でした。その方に「転職しようと思ってるんですよね」と雑談していたら、「一度会ってみたら」と吉田さんを紹介していただいたという感じです。

── 偶然だったんですね。転職を考えているときに、転職サービス等は使わなかったのですか?

島田:自分で探すのが面倒という気持ちが大きかったので使わなかったですね。客観的にプロの視点から自分に合った企業を提案してもらえるので、手間もかからないので良いなと思っていました。

あとは実際に吉田さんにお会いして信頼できそうと思ったので全部お願いしました(笑)。

── 面倒だったからエージェントだったのですね(笑)。転職活動ではどういった点で悩みましたか?

島田:受けた企業数は少なかったのですが、最終的にLIFULLともう1社のどちらにするかで悩みました。もう一方はデザインに強い会社で、デザイン力を伸ばしたいという気持ちもあったので悩んでいて。そのときは、吉田さんが「LIFULLの人にもう1回会ってみたら?」と言ってくれて、会う場を設定してくれましたね。

吉田:そのときは迷われていましたよね。島田さんは大きな組織で経験を積みたいという軸があったので、LIFULLのほうが良いでのはという話をLINEでしたりしました。

── 逆にエージェントのデメリットだと感じることはありましたか?

吉田:それはエージェントとしても知りたいですね(笑)。

島田:吉田さん以外のエージェントの方にもお会いしたのですが、売上をあげたいという気持ちが見えるような方は自分とは合わないなと思いました。内定が出ればどの企業でも良いという感じで、分析が甘かったり寄り添わず私の希望に合わないような企業の情報を渡してくるとか。

── そういうエージェントの方もいますよね。エージェントを選ぶポイントはありましたか?

島田:転職者が求めていることをヒアリングして、その人が1番輝ける会社を提案できるかですかね。最初に候補企業を複数出してくれるときに、「これはこういう理由で出しました」とちゃんと説明をしてくれると、どれくらい考えてアウトプットしてくれたのかわかって良かったですね。

吉田:僕の場合、最初はヒアリングした条件をもとに割と幅広く候補企業を出すようにしていますね。たとえば、エージェントはその企業の選考ハードルを知っているので、「通過するのは難しいかもしれないけど、興味がありそうなのでチャレンジ案件としてどうですか」と提案したりします。

島田さんが言うように企業探しの労力が少ないのと、思ってもいなかった企業を見つけられるのがエージェントのメリットのひとつだと思っています。

面倒だからこそ面接準備は完璧に

── 吉田さん側の視点でもお話を聞きたいのですが、転職支援をしている中で印象に残っていることはありますか?

吉田:島田さんは、面接対策をとてもしっかりしていたのが印象に残っていますね。こちらから面接の事前情報を送ると、それをもとに面接官向けのプレゼン資料を作って持っていくんですよ。そこまでやる人は少ないので、面接官は本気度を感じたと思います。

── 面接にプレゼン資料は聞かないですね。どういう内容のプレゼン資料でしたか?

島田:会社が大事にしているビジョンや理念と、自分がやりたいこと・貢献できることをからめて設計しています。動的な方が説明時のストーリーや想いも伝えやすいので、紙の資料ではなくWebプロダクトです。共感し本気で入社したい企業に対してだけ作成し、最終面接のときにプレゼンしてます。

面談担当者の「Wow!」を引き出すことを考え抜いてアウトプットできれば手法はなんでも良いと思います。あと、プレゼン資料があることで「この会社に入って私はこういうことをしていきたい」という意識のすり合わせもしやすかったです。

── 面倒くさがりだからこそ重要なポイントでは手間をかけていたのですね。

島田:ビジョンへの共感と自分の描くキャリアが合致する企業で働くという目標設定をしていたので、入社という重要なマイルストーンでは最小コストで最大成果を出すために行動します。

吉田:そういうのをやっていただくとエージェント側も「この人を支援してあげたい」という気持ちが強くなるんですよ。だからそういうコミュニケーションが取れたのはすごく良かったです。

デザイナーの市場価値向上を体現する

── 最後に、デザイナーのキャリアについてお聞きしたいと思います。事前にいただいた島田さんのプロフィールに「デザイナーの市場価値向上を体現したい」とあったのですが、これはどういった意味ですか?

島田:それを書いた背景としては、2社目のベンチャーでエンジニアとデザイナーの給与格差がすごかったというのがあります。デザイナーだった私のほうが職位も高く対外的なアウトプットも出していたのに、私より職位が数段低い新人のエンジニアのほうがはるかに給与が高いのはおかしいという気持ちがあったんです。

── エンジニアとデザイナーの給与格差はありますよね。

島田:言われたものをただ作るだけのデザイナーだとオペレーターになり、代替のきく人材となってしまいます。会社としてどういうビジョンを描いていて、そのためにこういうプロダクトにする必要があるということ理解した上で、プロフェッショナルとしてアウトプットするものがこのデザイン、と逆算して考える必要があるのかなと。このデザインは思考しているのか、オペレーターとして作ったのかは見ればすぐわかります。デザインを構成するすべての要素の意味を説明できないと、伝えたいことが曖昧になりプロダクトとしても非常に弱いものになります。自分で言語化して説明できる人が増えないとデザイナーの市場価値は上がらないと思っています。

吉田:デザイナーの定義が曖昧になってきている中で、ビジュアルデザインをやるだけで市場価値を上げるのは難しいですよね。まさに島田さんのようにビジネスサイドにも関わっていくとか、上流工程の企画から手がけるとかしないと転職市場における価値向上はできないですね。

島田:そうですよね。プロとして経営層やほかの部署の方ときちんと議論できるデザイナーがもっと増えれば、デザイナーの市場価値が上がると思っています。

── なるほど。デザイナーの市場価値向上のために現時点でなにか思い描いていることはありますか?

島田:2つあります。クリエイティブでプロダクトの成長、最終的には会社の売上やKGIを牽引できることを体現したいと思っています。特に中小企業やスタートアップはヒト・モノ・カネが不足するので、どうしてもデザインが二の次になりがちです。思考し設計されたデザインによって成長させることができるというロールモデルを作っていきたいと思っています。

2つ目はデザイナーの価値を考えるCreativeXや顧客体験を考えるCX meetupなどのコミュニティ運営に携わっています。体験という切り口でデザイナーってなんだろうと考えるきっかけづくりができればと。

── ロールモデルを作りつつ、外部に発信していくという明確なビジョンがあるのですね。

吉田:島田さんはキャリアビジョンが明確なケースでした。ですが、誰もが明確なビジョンを持っているわけではないですし、キャリアについての考えが行き詰まってしまう方も多くいらっしゃいます。

僕たち転職エージェントは島田さんのようなケース以外にもたくさんの転職事例を知っているので、キャリアで悩んでいるときは、まずはお茶でもしながらざっくばらんにお話できたらと思います。相談にはお金もかからないですし、気軽に来てほしいです。

── キャリアについて悩んでいる方や島田さんのようになるべく労力をかけずに転職したい方は、気軽にキャリア相談してみると良いかもしれないですね。本日はありがとうございました。

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