Webデザイナーとして充実した生活を送るには

Eric Karkovack

Ericは20年以上の経験を持つWebデザイナーです。『Your Guide to Becoming a Freelance Web Designer』の著者でもあります。

この記事はSpeckyboy Design Magazineからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

How to Make a Decent Living as a Web Designer

最近、デザイナーのキャリアを始めたばかりの人たちと意見を交わしました。彼らが疑問に感じていたのは、この業界で十分な賃金(年収7万〜10万USドル)を得ることは現実的で可能なことなのかということでした。近年この業界が飽和状態にあることを考えれば当然の疑問です。

私はこの問いに対し、現実的かつ可能だと答えました。Webデザイナーなら実際にそのレベルの収入を得られる可能性があります。しかし、決して簡単に達成できるというわけではありません。

この記事では、私の約20年のフリーランスとしての経験に基づいて、そのような「十分な」生活を達成するためにはなにが必要かについて書いていきます。注意して欲しいのは、決して「一攫千金」の方法は存在しないということです。私がその生き証人です。とはいえ、目標を実現する方法はいくつかあります。

進路を決める

経験豊かなWebデザイナーであれ、駆け出しであれ、高収入を得るための道は楽ではありません。ただ1つはっきりしているのは、たくさん働いてしっかりと戦略を立てる必要があるということです。たくさん働くのは万人に共通することですが、多くの場合、戦略については人それぞれです。

キャリアの初期、私はひたすら懸命に働きましたが、戦略はまったく持ち合わせていませんでした。引き受けたプロジェクトの種類についてはほとんど考慮しませんでしたし、仕事を引き受けることが長期的にどういう影響を持つのか検討したこともありませんでした。その結果、忙しさの中で、仕事をこなすのに精一杯になってしまいました。

私のようにならないためにも、自分にとって望ましい成功への道筋を描くことが大切なのです。そうしなければ、成功するかどうかは運まかせになってしまいます。

ここまではありきたりの話に聞こえるでしょう。本当に知りたいのは、以上のプロセス全体をどのように始めるべきかではないでしょうか? まずは、小さくて簡単なことから始めてください。

大切なのは、自分が取り組みたいプロジェクトの種類について考えることです。仕事で使いたいCMSから働きたい目標の業界まで、あらゆることを考慮しましょう。そうしたら、自分が考えたことを実現するためにはなにが必要かノートに書き出してください。

まず、どのスキルを身につける必要があるか判断しましょう。たとえば、希望のプロジェクトでJavaScriptやプログラム言語の知識が必要ならば、知識を得るための大まかな目標を設定してください。

次に、狙っているプロジェクトを獲得する方法を考えます。これにはマーケティングや、人脈、価格戦略などが含まれるでしょう。価格設定は、プロジェクトに掛かる初期コストだけではなく、経常収益の流れを安定させる方法についても考慮すべきだということを忘れないでください。

最後は、自分の財政状況を見て必要な調整をおこないます。自分が支払ってほしい額とクライアント候補にとって魅力的な料金との良い塩梅を取るようにしましょう。また、プロジェクト選びに必要なコストを考慮することも重要です。

たとえ非常に細かい点までは書き出せていなかったとしても、計画を持つことで、目標に向かって進むことができます。

安定を求める

代理店や企業の正社員ならば、(おそらく)贅沢にも安定した給料を得ているでしょう。しかし、フリーランスはすぐに同じレベルの保証を得られるわけではありません。ある程度の安定を獲得するためには、適切な機会を見つける必要があります。

自身のキャリアにも大きく貢献しているため、自身とクライアントの双方にメリットのある関係を目指すよう長年アドバイスしてきました。こういった関係は、実際に私のフリーランスとしてのキャリアを支えています。おかげでフリーランスとして仕事ができているのです。

詳しく説明しましょう。双方にメリットのある関係の1つの例は、Webデザイナーを雇っていない小さな広告代理店と組むことです。彼らの持つ取引先の中に、新しいWebサイトやリニューアルが必要で、信頼できるパートナーに仕事を依頼したいクライアントがいるかもしれません。

その代理店と一緒に仕事をすることによって、年間を通して仕事を安定して受注できるかもしれません。プロジェクトごとに支払われる金額はそれほど多くないかもしれませんが、予測できる確かな収入源となります。このような収入源は、仕事の調子があまり良くないときにはきわめて大切です。また、自分のキャリアの基礎にもなるでしょう。

もちろん、Webの専門家には、セーフティネットをまったく張らずにプロジェクトからプロジェクトへと渡り歩きながら、「雇われ人」として暮らすのが好きな人々もいます。そのような働き方が合っているのであれば、それは素晴らしいことです。しかし、自分の性格に合わないのであれば、双方にメリットのある関係を築くことが、キャリアに大きな影響を与えるでしょう。

副業

従来のWebデザインのカテゴリーに当てはまらないけれども、Webデザインに関係があるような機会を見つけることがしばしばあります。幸いなことにWebデザインの業界には収入を増やす方法が数多くあるようです。

その1つは商品を売ったり、それを管理したりすることです。たとえば、WordPressのプラグインやテンプレート、ストックフォトなど、デザイナーやWebサイトの管理者が関心を持つような商品があるでしょう。

ほかには、自分の知識や経験を共有するという方法もあります。私が偶然にも多くの記事を書くようになったのはこの方法をとったからです。この仕事は楽しいだけでなく、日々のデザインの仕事にも効果があると私は気がつきました。自分の経験について書きながら、将来プロジェクトに使うかもしれない新しい知識も学んでいるのです。

しかし、このような機会が訪れることはあまりありません。このタイプの仕事は、モチベーションを上げ、スキルを自発的に微調整する動機を生みます。学んで成長するときにこそ、可能性が広がるのです。

副業を仕事のレパートリーに加えようと考えているけれども、どの分野を選択するのか決められないなら、自分が夢中になっていることを探してください。私はWebデザインについて記事を書き始めるずっと前に、収入を得ることを期待せず、大好きなこと(特に音楽とスポーツ)を専門にしたWebサイトの運営を始めました。その経験が実を結んで、今ではこうして執筆の仕事をしています。

情熱を注いでいることで多少の収入を得るというのは、もっともやりがいのある方法です。大好きなことをやりながら収入の底上げができるのなら、やらない理由はないでしょう。

可能性はあるが保証はない

間違いなく、あなたも長く充実したWebデザインのキャリアを築くことができます。しかもキャリアを進めれば、十分な生活を送ることもできるでしょう。しかし、そこにはなんの保証もありません。考えてみると、フリーランスには明日の保証すらないのです。

とはいえ、可能性があることに疑う余地はありません。最終的に充実したキャリアを送れるかどうかは自分次第です。そのためには、正しい方向へ向かうための戦略を立てなければなりません。そして、自ら生み出したものであれ、途中で見つけたものであれ、目の前の機会を最大限に活用しましょう。

強い意志を持って着実に前進すれば、望んでいる生活が実現できるはずです。


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