モデレーターのいないリモートインタビューの利点と実施のコツ

Yuling An

オンデマンド人間洞察力プラットフォーム「UserTesting」のセニアUXリサーチャーです。

この記事はUsabilityGeekからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

User Experience Research As Confessional: The Remote, Unmoderated Interview

死について考えること。失われた機会と無駄に費やした時間への後悔。ステレオタイプについての苛立ち。

これらの話題は心理療法のセッションや哲学の教室で価値があると思われてきましたが、最近予期せぬ場所でも話題に上がりました。

その予期せぬ場所とはスマート家電とエレクトロニクス産業のトップ企業で設けたユーザー体験のフィードバックセッションです。

モデレーターのいないリモートインタビューの調査

企業が自社のコアカスタマーをよりよく理解するために、モデレーターのいないリモートインタビュー調査を行うことがあります。

モデレーターのいないリモートインタビューとは、参加者が好きな時に好きな場所で指定された行動をし、フィードバックやセッションをオンラインで提供する、というものです。

この調査の参加者は通常、考えを声に出しながらタスクを行います。調査者はリアルタイムで参加者と通信せず、あとから記録されたインタビューを見直す仕組みです。

あるスマート家電企業の顧客への調査によると、モデレーターのいないリモートインタビューは、問題をより深く掘り下げる機会を参加者に提供します。つまり、人々はモデレーターの前で生で答える行為を、快適だとは思っていない可能性がある、ということです。

インタビューは顧客の価値観、目標、ライフスタイルについてのハイレベルな質問で構成されていました。インタビューで得られた率直な回答は、普段近しい友人や家族とするようなオープンな会話に似ています。オープンで率直なフィードバックを受けとるのに、モデレーターのいないリモートインタビューは良い選択肢と言えるでしょう。

他者を介するインタビューでは探るような質問を参加者にしなくてはなりませんが、中には、あまりにも個人的すぎるために見知らぬ人とは共有しづらい話題もあります。

モデレーターのいないリモートユーザビリティ調査は、幅広いトピックをカバーすることができます。新しいアプリやWebサイトがどのくらい魅力的か、製品を箱から出し使い始めるのがどのくらい簡単か、企業全体のブランド評価などまでトピックはさまざまです。

アプリと製品についてのインタビュー調査は、初期のデザイン・プロトタイピング段階に行うと特に効果的です。ユーザーを理解すればするほど、より喜ばれるような商品を作ることができるからです。

モデレーターのいないリモートインタビューの利点

モデレーターのいないリモートインタビューは、以下のような利点が挙げられます。

  • 偏りがない
    モデレーターのいないインタビューでは、参加者はレコーダーに話しかけるので、遠隔からであろうと対面であろうとモデレーターや他者の存在によって発生する偏りをなくすことができます。そのため参加者は、回答を工夫してモデレーターや他者に気に入られる必要性を感じることはありません。
  • 匿名である 
    モデレーターのいないインタビューでは、技術の助けにより参加者と結びつく可能性があるすべての識別情報を削除することができます。サードパーティのプラットフォームを通すので、参加者はインタビューの主催者に個人情報を直接提供しなくて済み、顔さえ見せる必要がありません。このことは、匿名性と参加者が自身の体験について率直に語れる、安全で快適な空間を作り出します。
  • 記述的である
    適切な指示があれば、モデレーターのいないインタビューでも、モデレーターを介するインタビューに引けを取らないものになりえます。モデレーターを介するインタビューでは、フォローアップの質問で時間をとってしまったり、あるいは参加者が踏み込んでほしくないような深く掘り下げられた質問がしばしばなされますが、これらはインタビューのいい雰囲気を壊してしまい、次の質問への回答に影響を与えかねません。
  • 時間と効率の有益性
    サードパーティのプラットフォームを使うことで、モデレーターを介さないインタビューの全体の所要時間がより短くなります。さらに、主催者であるあなたはインタビューに出席する必要がなく、自分のペースでインタビューを観ることができます。

モデレーターのいないリモート調査のシナリオ

以下に、モデレーターのいないリモート調査のシナリオのための5つのコツを記します。

  • 状況説明
    何を把握するための調査なのかの概要を説明します。これは、インタビューの間、参加者の進行の拠り所としてずっと機能します。
  • 自由回答式の質問と具体的な質問を組み合わせる 
    参加者がすべての体験を発信しやすくなるような自由回答式の質問を使いましょう。具体的な話題について深く調べるにはより具体的な質問を使うことで、参加者たちのより確かな回答を得られるでしょう。
  • 明確な質問をする
     専門語や俗語は誤解を生み、参加者が目的からそれた回答をする原因になります。一般的な言葉を使用し、参加者が確実に指示を理解できるようにしましょう。
  • 回答の長さを明示する
    自由回答式の質問をする際、参加者の回答の長さの制限を設定しましょう。これは時間の長さ、回答の長さ、あるいはそれ以外でもよいです。
  • 中立的な言葉を使う
    中立的な言葉を使い、提示した視点に合わせて参加者の意見が偏らないようにしましょう。

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遠隔からの人を介さないインタビューは、企業やその提供物についての人の深い洞察力を明らかにし、企業を驚かせ、顧客をより理解するのに役立つ有効な手段になりうるでしょう。


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