時にはデザインの進行を遅めたほうがいい理由

Eric Karkovack

Ericは20年以上もの経験を積んだWebデザイナー。ビジネスサイトを閲覧したいかたはこちら。様々な分野の事柄に対して意見をもっています。

この記事はSpeckyboy Design Magazineからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

The Case for Slowing Down the Design Process

フリーランスのデザイナーは常にプロジェクトの完成に向かって走り回るものです。クライアントはそれぞれ要望があり、私たちはそれを聞きに行くのが仕事です。そして、より早く仕事を終えられれば、より早く労働に対する代価が支払われます。

しかしながら、このアプローチは健康面でも、プロジェクトのクオリティ面でも必ずしも最高のものとは言えません。これは私が「どこにもたどり着かない競争」と呼んでいるものです。

もちろん、仕事のペースを遅くすることについて議論することは簡単ですが、実行するとなるとそれはまた別です。守るべき締め切りがあったり、常に時間と戦う中で、一体どうやって一息つけというのでしょうか。

すでに存在する締め切り時間については何もできることはないですが、これから先の仕事のペースを遅くすることに対してはそうすべき確固たる理由あります。ここからは、なぜ次に受注するプロジェクトをより管理しやすいペースで進めるべきかについてお伝えします。

スピードと注意深さは両立しない

古い名言をもち出すなら、「良さ、速さ、安さの中からは2つしか選べない」といったところでしょうか。3つすべてを達成するのは現実的ではありません。たとえばスピードを1つだけ取ったとすれば、プロジェクトは(優先順位が高くなるように)よりコストがかかり、細部にこだわらない結果となるように思われます。

より早く仕事をしようとすればより、かなりの確率でミスをする傾向があります。コーディングなどは、完全に集中し切ることが必要とされ、1つの芸術の域にまで達しています。コンマやセミコロンをミスして、Webサイトのレイアウトを崩したことのないデザイナーがいるでしょうか。

しかしそういった点よりも何よりも、そもそも高速で作業すると、デザインの細部を見逃しがちです。微妙なニュアンスの効果やマイクロインタラクションなどは良いデザインをより優れたものにします。過去の仕事を振り返ってみたとき、それらが一定の水準に達していないと気づくかもしれません。それはポートフォリオに載せたいと思えるものではありません。

確かにフルスピードで仕事をしなければならない状況はあるかもしれません。しかしそれは、全てのプロジェクトにおいてそのような働き方を習慣にしなければならないということではありません。A racing cheetah.

ちょうどよいペースで働く

仕事のペースダウンを図ることはとても有益です。第一に、完璧にフィットするデザインを探すために様々なデザインの要素を試してみやすくなります。たとえば、カードレイアウトは角に丸みを持たせた方がよく見えるか否か、じっくり検討ができます。もしくはCTAボタンは赤より青のほうがよりよく見えることに気がつくかもしれません。

また、余分な時間を使って徹底的にブラウザやデバイスのテストをすることも可能にもなるでしょう。新しいiPhoneでもデザインがちゃんと崩れないようにに祈りながら、プロジェクトを世に送り出すのは決していい考えではありません。

余分な時間があるということの最も重要な点は、おそらく鍵となるユーザータスクやプロセスを見直すことができることでしょう。これはどんな無駄なステップも大きな痛手となり批判を起こしうる、ECなどにとっては特に重要なことです。

プロジェクトに少しの休息を与えると、最終的に仕事の結果に喜ばしい活気を与えるかもしれません。そうすることで、仕事の質や、物事が意図したとおりにすすむ確証を得ることがより簡単にできるようになるでしょう。

A sleeping sloth.

顧客を説得する

この変化を実行に移すために鍵となるチャレンジの1つは、クライアントを場に引き入れることかもしれません。私自身の経験ですが、いつも急いでいるクライアントと何年も一緒に仕事をしてきました。そしてこの経験によって、今度は私が同じように忙しくするようになりました。

しかし、今日急いでいない人が長期に渡ってそうあり続けるとは限りません。誰かが急遽デザインを必要としていて、その後交渉の締結を管理している間、物事が進むのをじっと待たされる例はたくさんあります。そういう場合にはいつも、プロジェクト当初の締切通りに終わりません。

それゆえ、時間をかけることの利点を示すには、デザイナー側に少しの機転が必要です。その一つとして、まずそもそもなぜそのプロジェクトのタイムラインをそこに設定したのかを問いただすことです。大きな会議や新しい製品が売り出されるといった根拠のある理由がある場合もあります。そういった場合には柔軟に締切を変更することは難しいかもしれません。

しかし、単に全ての仕事をすぐ済ませることに慣れているだけの人たちと仕事をする機会もあります。この場合、仕事の速度を少し遅めるように説得できる可能性が高いかもしれません。最終的なゴールさえ正しければ、デザインの過程を説明し時間をかけることも必要であることを伝えましょう。

クライアントが一旦、プロセスを急ぐことが工程を省くことにつながるかもしれないと理解すれば、最終的にはこちらの考え方に合わせてくれるかもしれません。

A lotus flower in a body of water.

待つことも必要

多くの人にとって素早く物事を終わらせることは深く根付いた習慣です。動かさなくてはいかないビジネスがあり、支払わなくてはならないお金があるならば、それは自然な反応に思われるかもしれません。

しかし、質の良い物というのは実に時間をとるものです。効率化を進めるためにあるたくさんのツールやフレームワークが使い放題である一方で、いまだに急ぐべきではないプロセスもあります。デザインプロセスはそのリストの最たる例です。

最後に、もしあなたが全てのプロジェクトに際して、アニメのキャラクターのように走り回ってきたなら、ペースを落としてみてください。今何をしているか、なぜそれをしているか見返してみてください。1~2時間余分にデザインに使うことで、より良い結果が得られることがわかるかもしれません。


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