人に教えることこそが最高のデザイナーへの第一歩

Addison Duvall

フード、デザイン、アートやカルチャーを色々な角度から探求する「Food Identities」の著者。著書やデザイン作品があり、フードについても詳しいブロガー。

この記事はSpeckyboy Design Magazineからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Teach and Become the Best Designer You Can Be

人に教えることによって、自分自身がより学ぶ事ができるというのはよく知られた事実です。

弟子、見習い、生徒など、その呼び名が何であれ教わる事に感謝し、またあなたの知識を評価して吸収してくれる存在がいることによって、単なる自己満足で終わらずにデザイナーとしてより深い知識を得て成長することができます。

教えるということは、何も実際に学校や大学で教師になるということではありません。ブログ記事やチュートリアルを書くなどのシンプルなものでさえ、自分自身にも読者にとっても非常に有益であるといえます。ですが、具体的に教えることはどうデザインのためになるのでしょうか?

ここでは、教えることがなぜあなたを最高のデザイナーにするのかについてご紹介していきます。

クライアント側の視点を学ぶ

実際に生徒に教えるという事で、あなたの仕事についてクライアントがどのように感じ、理解しているかを知る事ができます。生徒はまだ経験が少ない存在です。平均的なクライアントに比べるとデザインに親しんでいる部分があるかもしれませんが、それでも業界全体で見れば、まだ経験が少ないと言えます。

参照元:Book and Background Graduation via Shutterstock

生徒たちがあなたの仕事を見たときに感じるものは、クライアントとほとんど同じものです。つまり、デザイン業界のスタンダードや期待にこたえるための重荷を背負っていない、新鮮な目で見ている人たちの視点です。彼らのフィードバックを通して、デザイナーとしての目をさらに洗練させ、常に新しい視点から新鮮な感覚を得る事ができるのです。

コミュニケーションを通してよりよいアイデアを得る

教えることは、自身の作品を新しい視点から見るだけでなく、それを説明する過程で自分の考えが明確になる事にもつながります。

フィードバックを通して、人々が難しいと感じている部分を知るだけでなく、情報を効果的に伝えることによって、過程を理解して再現できるようになるのです。一定の効果をあげる方法を細かく分類することで、さまざまなメソッドを試し、聞く側にとっての効果の有無を確認することができるのです。

誰かに教えることを経験すると、相手にアイデアを説明したり紹介するときの自信がつきやすくなります。そういった経験を十分に長く積むと、その後のコミュニケーションを通じて何が有効かがわかってきます。

アドリブの技術をマスターしたベテラン俳優のように、状況によって変化する伝え方、的確な言葉の選び方、声のトーンなど、すべてのディテールが、情熱を持ったエネルギッシュな聞き手を生み出す事につながります。

専門性でより多くのクライアントを獲得する

教えることに関して、事実とひどく異なる言葉を聞いたことがあると思います。それは、「出来る人は自分でやるが、出来ない人は人に教える」というものです。

私はこの考えに全く同意できませんし、私がデザインスクールで教えた数十人の、大成功を収めた業界リーダーも同様に同意しませんでした。 教師たちは何の問題もなく実際の作業をこなしており、多くのオンラインマーケティングを生業としている人々に比べても、より多くの顧客を獲得し、また複数の収入源を維持し続けています。

人に何かを教えるとき、あなたの「エキスパート」としての立場はより多くのクライアントを獲得する事に役立ちます。クライアントに安心感を与えられるのは、教育を受け人々に影響を与えたデザイナーなのです。なぜでしょうか? それは信頼性に直結するからです。自分のしていることがわかっていない教師を雇用しようとする人は誰もいないでしょう。(あえて肯定的な部分に焦点を当てています。)

より良いデザイン判断をするようになる

生徒と向き合うとき、彼らのデザインの質について、継続的に素早い判断を下す必要があります。それは彼らがプロジェクトを進める上で、最適なアドバイスをしてあげるのに必要です。結果として、自分の仕事だけではなく他のどのようなデザインにおいても、調整が必要な時に何をすべきかを判断する目を養う事になるのです。

この種のデザイントレーニングは、クライアントととのやり取りよりも素早く行われます。なぜなら、クライアントは単にプロジェクトの承認を判断するのみで、それらの意思決定によって、あなたは彼らのニーズにより適したものにすることに追われます。

あなたが向き合っている生徒は、なぜデザインに変更が必要なのか、詳細かつ具体的な説明を求めます。これについて、あなたなりの明確な理由を示す必要があります。良いデザインとそうでないものを繰り返し見ることによって、同じ種類の失敗を繰り返す可能性は減っていくでしょう。

目指すべき業界のリーダーになる

最後に、教える上でもっとも良いことは恩返しができるということです。デザインに関する権威となることで、自分より知識の少ない他の人々を助け、新しい才能で業界を活性化させる一助となります。このようにして業界は成長して強固なものになり、知恵と経験を若い世代に受け継いでいくのです。

デザイン業界を発展させるための行動は、生徒との小規模な活動のみならず、業界全体に影響を与えるほどの強いリーダーシップを備える事につながります。業界のリーダーとしてあなたが発信する言葉は、大規模なトレンドを生み出すことを促進させます。また、現状の行動に対してあなたが発する言葉が、予想だにしなかった大きな結果をもたらすこともあるのです。

とても多くの人々に注目されることから、このようなリーダーシップには多大な責任感が伴います。業界のリーダーになるという夢を信じ、若いデザイナーたちを明るい未来へと導く一助となるべく、あなたが持つ才能を有効に使ってください。


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