共感マップの意義と使い方

Rikke Dam

RikkeはInteraction Design Foundationのチーフエディター。

この記事はInteraction Design Foundationからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Empathy Map – Why and How to Use It

ユーザーがプロダクトを選ぶとき、「欲しい」プロダクトよりも自分たちに「必要な」ものを選ぶということをご存知でしょうか? デザインのターゲットとなるユーザーのことをより深く理解するためには、共感マップが役に立ちます。このような共感を作り上げるために使うことができるテクニックは数多くあります。共感マップは、リサーチの段階での発見事象に共感し、これを組み合わせる助けになり、ユーザーのニーズについて思いもよらなかった視点を描き出すツールの1例に過ぎません。

共感マップがあれば、デザインのリサーチ段階における人々のエンゲージメントから得られた気づきをまとめ上げることができます。マップは私たちが注意を向けるべき4つの主要なエリアを与えてくれるので、その人の体験を概観することができるようになります。共感マップが素晴らしいのは、後に必要になるペルソナを作るための作業の土台をも得ることができることです。

共感マップは4つの象限から構成されています。4つの象限は、観察・リサーチに段階でユーザーが示した、またはユーザーが囚われていた4つの主要な特性を反映しています。4つの象限はそれぞれ、ユーザーが何を言ったか、何をしたか、何を考えたか、何を感じたかに対応しています。ユーザーが言ったこととしたことを決定するためには、ユーザーが特定の行動、提案、会話などに対してどのように振る舞ったかを注意深く観察し、分析した結果に基づかなくてはなりません。

ベストプラクティス

ステップ1:共感マップを埋める

  • テーブルに4つの象限を置き、紙かホワイトボードに描きます。
  • リサーチ、フィールドワークから得られたメモ、写真、音源、映像を見直し、それらに意味付けしたり合成したりしながら4つの象限を埋めていきます。
    • ユーザーが何を言ったか? ユーザーが言ったことの中から重要な部分とキーワードを書き出します。
    • ユーザーが何をしたか? 気になったユーザーの行動や振る舞いを詳細に書きます。または写真や絵を挿入します。
    • ユーザーが何を考えたか? より深く掘り下げます。ユーザーが考えるであろうことは何だと思いますか? ユーザーのモチベーション、目的、そしてニーズは何でしょうか? これらのことは、ユーザーの信念について何を教えているでしょうか?
    • ユーザーがどのように感じたか? どんな感情を持っているでしょうか? 身振りや言葉の選び方、声の調子などの些細な合図を考慮しましょう。

ステップ2:ニーズを組み合わせる

  • 共感マップに基づいて、ユーザーのニーズを組み合わせましょう。これによってデザインする上での課題が定義できるようになります。
  • ニーズは活動や願望を示す「動詞」であり、それによってソリューションを定義できてしまうような「名詞」ではありません。
  • 書き留めたユーザーの特性から直接ニーズを特定しましょう。ユーザーが言っていることとやっていることの不一致のような、2つの特性の間に見られる矛盾点に基づいてニーズを特定します。
  • アメリカの心理学者、Abraham Maslow氏の欲求のヒエラルキーを使って、ユーザーが持っている潜在的なニーズを理解し、定義していきましょう。1943年に、Maslow氏は『A Theory of Human Motivation』というペーパーを発表し、人間の欲求は、最も大きく基本的な生理学的なレベルの欲求を最下位に、自己実現欲求を最高位に置くピラミッドとして表現できるヒエラルキーを形成すると提言しました。Maslow氏は、安全が確保されることや愛されること、評価されること、最終的には自己実現に至るような高次の欲求を満たす前に、食べることや眠ることのようなもっとも基本的な生理的欲求を満たさなければならないと提言しています。もっとも基本的なレベルの欲求は、個人がより高いレベルの欲求を強く望み、それに向けてモチベーションを注ぐ前に満たされなければなりません。人間の内心では異なるレベルのモチベーションがいつでも生まれ得ますが、Maslow氏は基本的でもっとも強いタイプのモチベーションを特定することと、それが満たされる順番に着目しました。低位の欲求が満たされていない状態でも、高位の欲求が満たされることは一応可能ではあります。しかし、Maslow氏はこれを不安定な満足であると主張します。たとえば、もしあなたが飢餓状態にあったら、あなたが世界的に有名なUXデザイナーであろうがなかろうが関係ないでしょう。なぜなら、プロとしてのステータスから得られるどんな満足よりも、飢餓状態の方が時として重要な問題でしょうから。だからこそ、私たちは普通、高位のレベルの満足を得ようとする前に、ヒエラルキーのもっとも低い位置にある不安定な問題を安定させようとするのです。
  • ユーザーが第一に満たそうとしているニーズを特定するために、Maslow氏のピラミッドの5段階全てに照らし合わせてみましょう。あなたのプロダクト、またはサービスがこれらの欲求をどのように満たすことができるか考えてみるのです。
  • ユーザーのニーズを書き出しましょう。

ステップ3:気づきを組み合わせる

  • 「気づき」は、現在のデザインが直面している課題を解決する助けとなる、注目に値する事実です。
  • 主要な気づきを、特に2つの異なるユーザーの特性の間にある矛盾から引き出してまとめることを目指しましょう。そうした矛盾は同一の象限か、あるいは2つの象限にまたがって見つかるはずです。その中に奇妙だと感じられたり、緊張感をはらんでいるもの、驚くような行動が見つかったら、自分に「なぜだろう」と問いかけることで気づきをまとめ上げることもできます。
  • 気づきを書き出しましょう。

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