Webサイトのチャットサポートを最大限に活用するには

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チャットサポート機能を使用してサイトの訪問者と対峙する組織はますます増えていますが、この新しいコミュニケーションチャネルを最大限に活用できている組織はごく僅かです。

チャットサポートは目新しいものではありません。少なくともLivechatソフトウェアが公開された2002年ごろからあるものです。最近では、Intercomなどの新世代サービスのおかげで人気が高まっています。

Intercomなどのサービスにより、チャットサポート機能を提供するサイトの数が急増しました

チャットサポートはサポートツールとして頻繁に利用されますが、ECサイトの販売ツールとして、または問い合わせフォームや電話番号の代替手段として使用する企業が増えています。

チャットサポートの可能性

チャットサポートは非常に大きな可能性を秘めていると言えるので、この幅広い普及も納得できます。正しく利用されれば、ユーザーは実際のオペレーターに即座にアクセスし、問い合わせることができます。

企業の視点からは、チャットサポートは電話のようなパーソナルサービスを提供しているといえますが、コストの割合で見ると、サポートスタッフは複数の会話を一度に処理することができるのです。

しかし、理論と現実は大きく異なることが多く、その不一致はユーザー体験を損ない、さらにはビジネスの利益を損なう可能性があります。

邪魔にならないチャットサポート

私がチャットサポートの実装で気が付いた最初の問題は、それがしばしば作業の邪魔であるということです。ユーザーがWebサイトに到達したと同時に、ヘルプを提供するポップアップやオーバーレイに直面します。まるで現代のClippyのように感じられるでしょう。

チャットサポートのオーバーレイは、MicrosoftのClippyのように邪魔に感じるかもしれません

ユーザーはこのオーバーレイを無視し、画面上に残したままWebサイト内を探索するという選択も可能ですが、ほとんどのユーザーは即座にこのオーバーレイを閉じるでしょう。

要するに、ユーザーは目的とする作業を続ける前に、チャットサポートに対処することを強いられているのです。モバイルではチャットサポート通知が画面の大部分を占める可能性があることから、特に当てはまると言えます。

モバイル上で邪魔になりやすいチャットサポート画面

チャットサポート通知を閉じるのはさほど面倒なことではないという人もいるかもしれませんが、訪問するすべてのサイトでクッキー通知とニュースレターのオーバーレイに対して同じアクションを繰り返すとなると、ユーザーはすぐにそれを煩わしく感じようになるでしょう。

明白な解決法は、チャットサポート画面をオーバーレイとして表示しないことです。代わりに、ページ内にチャットサポートのコールトゥアクションを表示しますユーザーがページ内にあるコールトゥアクションをクリックしてチャットサポートを開始したときにのみ、そのウィンドウを表示するのです。

要するに、ヘルプを必要としないときにチャットサポートのオーバーレイが表示されると、ユーザーをいらだててしまうのです。ユーザーがヘルプを必要とすることのほうが、たいていはもっと大きな問題ですが。

利用可能な場合にのみチャットサポートを表示する

チャットサポートを実際に使ってみると、その機能を発揮できていないことがほとんどです。実際にチャットサポートウィンドウをクリックしてみると、多くの場合、オペレーターが不在だというメッセージがサイトに表示されます。タイムゾーンが異なる企業によって所有されているサイトの場合は、特にそうです。

オペレーターと話すためにチャットサポートをクリックしたにもかかわらず、誰にも対応されないということはいらだたしいことです。

確かにこのような場合では、のちにメールでやりとりするためのチケットとして、ユーザーにその問い合わせを送信することを促します。しかし、これはユーザーの期待に沿うものではありません。チャットサポートを提供することで、ユーザーは即座に応答を得ることを期待しています。

チャットサポートを提供することで、ユーザーはのちに返信されるメールではなく、その場での応答を期待しているのです。

この問題を避ける方法は、チャットサポートのデフォルトのコールトゥアクションを現在チャットサポートは利用できないことを知らせる通知に置き換え、別の問い合わせ方法を提示することです。あるいは、チャットサポートに関する言及をすべて削除しましょう。

ユーザーの期待でいえば、チャットサポートを希望するユーザーは実際のオペレーターと話すことを期待しているのです。

ユーザーが実際の人間と話せるようにする

残念ながら、実際にオペレーターと話せる前に、ナレッジベースまたはチャットボットとのやりとりを強いられるケースが増えています。

オペレーターにつながる前にナレッジベースの検索を強制することは、ユーザーをいらだたせます。

これは会社の観点からは理にかなっているといえますが、チャットサポートシステムへのユーザーの期待には相反しています。そのことを考慮して、ユーザーを直接オペレーターにつなげることが好ましいですが、よくある質問や問題に迅速に対処するための定型文を利用するのも良いでしょう。

回答の定型文に手を入れる

とはいえ、使い方を誤った場合、定型の回答自体が問題になる可能性があります。これらのチャットサポートシステムの多くが、ユーザーの質問に応える際に定型の回答に頼りすぎています。

ほとんどのユーザーが同じような質問をするということに間違いはないのですが、それは回答も同じであるという意味ではありません。優れたカスタマーサービスとは、各個人ごとに質問のニュアンスを汲み取って的確に応えることなのです。

優れたカスタマーサービスとは、各個人ごとに質問のニュアンスをくみ取って的確に応えることなのです。

多くの場合、オペレーターはユーザーの質問に広く対処するために定型の回答を送信しますが、その詳細は考慮しません。結果として、その定型の回答は明らかに包括的なものでしかなく、オペレーターは質問に正しく回答していないため、ユーザーからは感謝されないばかりか、さらにイライラを募らせることになるのです。

定型の回答は決定的な回答ではなく、ユーザーへの返信の出発点と見なす必要があります。そうでなければ、チャットサポートに検索可能なナレッジベースや上手く書かれたチャットボット以上の価値はありません。誰かの助けを必要とするユーザーに対して、何も応えていないことになります。

Webサイトに人間味を加える

最終的に、これがチャットサポートを非常に効果的にすることができます。インターネットに決定的に欠けているヒューマンサービスをできる限り取り入れてみましょう。それはリピーターと口コミを呼び込む優れたカスタマーサービスの感覚を生み出します。

残念ながら、あまりにも多くの企業が中途半端な実装でチャットサポートに取り組んできました。その結果、運用自体が面倒で具体的な収益が得られないシステムとなっています。チャットサポートの実装には全力で取り組むか、もしくは実装そのものをあきらめるかのどちらかを選択すべきでしょう。


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