ユーザーがサイトに着いてからサイトを立ち去るか購買するまでには、ある地点から次の地点にユーザーを導く一連のステップがあります。ペルソナは顧客の典型を表すことで、特定のユーザーの行動を予想する手がかりになると同時に、顧客のペインポイントに対処する助けになります。マーケターの63%がコンテンツを作る際に、バイヤーペルソナを使っているそうです。
私の経験から、ターゲットの消費者に固有の顧客ペルソナを作成し、ユーザージャーニーを向上させるいくつかのステップを紹介します。
ユーザージャーニーマップを作る
あらゆる快適な旅において大切なのは、どこからスタートしてどこに辿り着くのか知ることです。正確なユーザージャーニーマップを書くためには、ユーザーがページに辿り着いてからコンバージョン、果てはブランドをフォローするまでの望ましいルートを考えましょう。見落とすことがないよう、ユーザージャーニーの1つひとつのステップを書き出してください。最終的なユーザーの目的地は、ニュースレターの登録やプロダクトの購入といった、ページを訪れたユーザーに対する企業の目的と合致していなければなりません。
顧客のジャーニーは、見込み客が問題を抱えていたり機会を見出したりしている、認知の段階から始まります。続いて、問題に対して想定されるソリューションをより深く理解する、考慮の段階に進みます。最後のステップは、消費者がソリューションは何か決定する決断の段階です。
このジャーニーはWebサイトの種類によって多少異なるかもしません。たとえばECサイトなら、ジャーニーは製品情報の動画を見ることから始まり、プロダクトについてのFAQからCTAへと進んで、プロダクトを購入することで完結します。
私のクライアントの1人は、顧客がサイトのトップページを訪れたときには非常に具体的な疑問を持っていることに気づきました。そこでこの疑問に素早く答えるためにファーストビューを使うことで、私はユーザーが最初の段階から考慮の段階に素早く移れるジャーニーマップをデザインすることができました。結果的にコンバージョンは向上し、サイトの定着率も改善しました。
しかし、社会運動系のサイトなどはボランティアを募るために異なるステップを踏むでしょう。彼らはプロダクトを売ることよりも、組織の価値に沿っているかどうかを重視します。もう1つ考えるべきことは、ジャーニーの一部がデジタルではない場合、たとえば最初のやりとりが展示会などで、最終的にWebサイトを通して売上を得るような場合です。それぞれのステップは、ユーザーとの最初のやりとりと、ランディングページでどれだけの情報を提供するべきかによって変わります。
ランディングページの焦点を絞る
ユーザージャーニーの第1段階はランディングページです。サイトには複数のランディングページがあるかもしれません。
たとえばアナリティクスから、特定のコンテンツのおかげで検索エンジンからのトラフィックの大部分が集まっていると示されたら、そのコンテンツをランディングページに配置して、記事の最後にCTAを置きましょう。
また、アナリティクスからトラフィックの90%が特定のページに辿り着いていることが判明したら、そのページを別のランディングページのように扱いましょう。
訪問者を理解し、訪問者の種類ごとに顧客のペルソナを作ってください。また、彼らがジャーニーのどの段階にいるのかを判断しなければなりません。もし彼らがすでに考慮の段階にいるのなら、コンテンツはただ問題を特定するだけでなく、問題に対するソリューションを示すことも必要でしょう。
特定のマーケティングを提供するためにカスタマイズしたランディングページを作っているマーケターは39%しかいません。それぞれのマーケティングに対応したページがあれば、ジャーニーの中で顧客を惹きつけるコンテンツを用意することができ、ユーザーの問題を解決するのに必要ないコンテンツを取り除くことができます。
ユーザーがサイトに着いた瞬間からランディングページを魅力的に見せる最善の方法の1つは、顧客を望んだ経路に誘導する焦点を1つだけ作ることです。進んでほしい方向に顧客が注意を向けるよう、コンテンツがある場所とない場所の対比を強調しましょう。矢印やわかりやすいCTAを使って、ユーザーに次のステップを示してください。どのような種類のWebサイトを運営していたとしても、A/Bテストを実行することで、どの改善案が特定のユーザーから高いコンバージョン率を獲得できるのか判断する必要があります。
最終的な目標を決定する
コンテンツを追加する前に、顧客のジャーニーの最終目的を知る必要があります。ユーザーがジャーニーの最後の行程に至るまでに、デザイナーは彼らの購買体験を絞り込みユーザーが探しているものを正確に知るでしょう。しかし、どのようなユーザーの行動がビジネスの目標になるのでしょうか? サイトのマイクロインタラクションは1つの目的しか持たないかもしれませんが、それらすべてのインタラクションが、初めてユーザーがWebサイトを見た瞬間からすべて最終的な目標や、サイトのより大きな目的を指向していなければなりません。
最終的なCTAに焦点を絞り、できる限り完璧なものにしましょう。マイクロインタラクションでは解決されていない、ユーザーが最後のステップに進むのを躊躇させる問題がないでしょうか? どのようにすれば顧客が持ち得る懸念に効率良く答えることができるでしょうか? 顧客の立場から、商品を買ったり承認したりするのを妨げるものについて考えてみましょう。その後、ユーザーを安心させるような保証や追加の情報を提供してください。
消費者に教える
もしサイトの訪問者がジャーニーの半ばまで来ていたら、間違いなく提供しているものに関心を持っています。このときプロダクトやサービス、組織、情報が、ユーザーが探し求めているものと合致していると納得させなければなりません。ユーザーが持っているどのような疑問にも端的に答えましょう。
人々が電話やメールや、Yelp、Google Play、App Storeといったフォーラムで質問している内容から、典型的な質問を理解することができます。Googleの「People also ask(こんな質問もされています)」に表示される内容を参考にすれば、多くのアイデアが得られるでしょう。まず、もっとも一般的な質問に答え、ユーザーにほかにも質問があったら、追加の選択肢を提供してください。一般的ではない質問に即座に答えるべき場合は、ライブチャットを使いましょう。動画や記事、ガイドラインなど、サイトの訪問者に教える効果的な方法はたくさんあります。
タッチポイントを描く
顧客がWebサイトを訪れる場所をリストアップし、それらを顧客のジャーニーの中に配置しましょう。たとえば現実の店舗でブランドを認知した人なら、すぐにサイトのショッピングページを訪れるかもしれません。もしすでに企業ついて入念に紹介してあれば、ユーザーは直接登録フォームに行くことができるはずです。
このoptinmonster.comから得た画像は、A/Bテストで想定される結果を示しており、A/Bテストがどのコンテンツがもっともパフォーマンスが優れているか把握する効果的な方法であることを実証しています。
行動フローレポートがあれば、ユーザーのさまざまなニーズや、流入経路を知ることができます。ユーザーが見たいと思っている情報や、それぞれのユーザーに特有の行動に基づいてマップを描きましょう。ただ、49%のユーザーはいつでもすぐ情報にアクセスできることを期待している事実を意識しなくてはいけません。多くの人がスマートフォンを手に入れ、ネットに繋がるようになるにつれて、人々は情報を探したら即座に解答が得られることに慣れてきています。AlexaやGoogle Homeのようなデバイスによって、これまで以上に労力をかけず情報を得ることが容易になりました。ナビゲーションに詳細情報を見つけやすく配置して、サイトに音声検索機能を追加しましょう。
ジャーニーのそれぞれのタッチポイントには目的が必要です。たとえば、ランディングページの目的は、単純にユーザーに情報を読ませて、動画へのリンクをクリックさせることかもしれません。一方で登録フォームには、記入して送信するというCTAがあります。それぞれのタッチポイントの目的を知ることで、ページの焦点を1つに絞り、コンバージョンを向上させることができます。デジタルでない体験についても同様です。ユーザーが問題に対するソリューションを必要としているときにバス停であなたの広告を見たとします。このとき、彼らがWebサイトを操作したらすぐに問題を解決できるよう手助けできますか?
私のクライアントの1人は地元の映画館に広告を出しましたが、思うような結果が得られませんでした。しかし、映画ファンのペルソナに合わせて作られたページに彼らを誘導するWebサイトのアドレスを追加しただけで、クライアントはサイトの訪問者を増やすことができました。ランディングページはそのキャンペーンに特注したものだったので、実際にどれだけの映画ファンが広告を見てサイトを訪れたのかを把握できるメリットもありました。
すべてを何度もテストする
ユーザー中心のデザインによって、顧客をポイントAからB、Cへとスムーズに誘導できます。ジャーニーに沿ってそれぞれのステップをテストし、できる限り高いコンバージョンを達成するためにあらゆる調整を行いましょう。色やCTAボタンの文章を変えたり、情報を追加したり削除したり、何らかのタスクを完了しなければならないかもしれません。
スプリットテストを行えば、あらゆるタッチポイントが最適な形かどうかを確認することができます。コンバージョン率を記録し、頻繁にテストすることで成功に近づいていることを確認してください。
経路は直線とは限らない
ユーザージャーニーを図示し、それに沿って1つひとつのステップを作るには莫大な時間がかかるかもしれません。しかしユーザーは、つねに想像した通りにWebサイトを訪れるとは限りませんし、ジャーニーを直線的に進むとは限りません。想像以上に多様な方法で動き回るユーザーのために余地を作っておきましょう。少しジャーニーに注意を払うだけで、顧客は代わりのルートを使う可能性が高まり、期待以上の費用対効果を得られるでしょう。