パスとは、簡単に言えば、Illustratorで描く線の事だと考えてください。難しく言えばベジェ曲線を制御するための仕組みです。パスを思い通りに引くことができれば、Illustrator上で様々な美しい図形を作る事が可能となり、デザインの幅が大きく広がります。
今回はこのパスの引き方、パスを引くためのペンツールの使い方をご紹介します。
アンカーとハンドル
さっそくペンツールを触ってみましょう。
ツールバーのペンツールをクリックします。
塗り、線ともにオフにします。
次にドキュメント上の適当な場所を3ヶ所クリックしてみてください。
このようになったでしょうか?
クリックした順番に自動的に線が引かれたと思います。
できた線全体の事をAdobe製品では「パス」と呼んでいます。そして
クリックしたポイントにできる四角の小さなアイコンをアンカーと呼びます。
次にアンカーを置いた後、クリックした指を離さずにドラッグしてみてください。
パスの主線とは別にこのようなラインが出てきたと思います(分かりやすくするため色をピンクに変えてあります)。
このピンクラインの事を「ハンドル」と呼びます。ハンドルはご覧のようにパスの主線に綺麗なカーブをつける効果があります。
パスとは極論すればこれだけです。
①クリックしてアンカーを置く。
②アンカーを置いたままドラッグしてハンドルを作り、パスにカーブをつける。
この2つの操作でフォントの漢字のような複雑なパスから星形や円形と言ったパスまでが出来ています。
パスの直線と曲線の組み合わせ方
パスで遊んでいると思い通りにいかない場合が出てくるはずです。
それが次のような時。
ハンドルでカーブをつけたあと次のアンカーを置くと…
前のアンカーにできたハンドルの影響で意図しないカーブが生まれてしまいました。こんな時の対処方法として次のような操作方法があります。
まず適当にカーブを描いてみましょう。
この後に直線を引きたい場合は、今作ったアンカーをもう一度クリック。
すると…
このようにハンドルの半分が消えました。
これによって次に引くパスに直前のハンドルが影響しなくなりますね。
この操作をマスターすれば大体の図形が作れるようになると思います。
ペンツールを使う時のコツ
昔からペンツールの基本として「アンカーの数をなるべく少なくする」と言われてきました。思い通りの形にパスを引きたい時、ついついアンカーの数が多くなってしまいがちです。
けれども、なるべくアンカーの数は少なくし、ハンドルでパスを制御するようになると、より美しいパスが完成するでしょう。
パスは操作に慣れるまで時間がかかってしまうかも知れません。
しかし、思い通りに操作できればプロの作る複雑なロゴなども再現できるようになるはずです。ぜひ練習してみてください。