Webサイトの直帰率を下げたいと誰もが思っているでしょう。この望みを叶えるには、ユーザーに与える第一印象を慎重に管理する必要があります。
高い直帰率ほど気落ちすることもありません。ユーザーがWebサイトで数秒しか費やさないなら、どれだけ私がコンバージョン率を最適化するアドバイスを伝えても、何の意味もないでしょう。
Microsoftが実施した調査によると、ほとんどのユーザーの集中力が持続する時間は、たった8秒しかありません。この8秒間で、ポジティブな第一印象を与えて、ユーザーをWebサイトにとどまらせる必要があります。
残念なことに、現実はさらに困難です。Journal of Behavior and Information Technologyに掲載された調査によれば、ユーザーは500分の1秒で第一印象を判断しています。
加えてこの第一印象は、ハロー効果のせいで、サイトをより長く閲覧しなければならないとしても維持されます。 サイトの第一印象によって、詳細なコンテンツをユーザーがどのように認識するかが決定します。
直帰率を下げて、好ましい第一印象を与えるにはどうすればいいでしょうか? 実は、第一印象の形成はページが読み込まれる前から始まっています。
パフォーマンスを改善して直帰率を下げる
パフォーマンスは、ユーザーがWebサイトにとどまる時間の長さに大きな影響を与えます。ローディングが1秒遅れると、ページビューが11%減少し、顧客満足度が16%低下します。
ローディングが1/50秒遅れただけでも、フラストレーションは最大26%増加し、エンゲージメントは8%減少するのです。
つまり、サイトのパフォーマンスを改善すれば直帰率が低下し、ユーザーがWebサイトに対して好ましい印象を持つようになるでしょう。
ページが読み込まれたあとも、好ましい第一印象を与え続ける必要があります。少なくとも直帰率を下げたいのなら必須事項であり、一目で注意を引きつけなければなりません。
「一目で」与える第一印象
たった数秒でユーザーにWebサイトの魅力を正しく伝えるのは簡単なことではありません。一瞬の時間内に、このサイトがユーザーのニーズを満たし、関連性があると伝える必要があります。
ユーザーの結論を決定づける2つの重要な要素として、見出しと画像が挙げられます。ユーザーがサイトから離脱するかどうかを判断する前に視認するのは、この2つだけだからです。
画像からサイトを予測する
例として、私がさまざまな国の大学進学を考えている学生と一緒に実施した5秒間のテストを挙げましょう。名前の通り、このテストではユーザーに5秒間だけWebサイトを表示し、視認したものに対してフィードバックを求めます。
この事例で私は、「この大学はあなたにふさわしい場所だと思いますか?」という質問を投げかけました。肯定的な回答を期待していたのですが、衝撃的なことに、参加者の100%が「いいえ」と答える結果になりました。
反応が否定的だった理由は、ページの中心にあったヒーローイメージに、中年の白人教授のグループしか映っていなかったからです。参加者と同じような人間がWebサイトに表示されていなかったため、親近感を感じられませんでした。
プライミング効果によって、画像は参加者に、大学との間違った関連性を与えました。また参加者は、その関連が間違っているかもしれないと考慮することがありませんでした。
ほとんど裏付ける情報がないまま出された意見だとしても、私たちは滅多に疑おうとしません。そのため、第一印象は定着してしまいます。目に入ったものだけがすべてなのです。
たとえば、勉強が好きで、物静かで、読書が大好きな男性の職業は何でしょうか? 農家である可能性と、司書である可能性は、どちらが高いでしょうか?
説明文が司書の一般的な心理イメージと合致するので、司書であると推測したはずです。しかし、農家が司書の20倍も存在することは考慮しなかったでしょう。目の前にあるものに基づいて判断を下し、その他すべての要件は無視したからです。
Webサイトの画像選択には危険が潜んでいることが、この性質から裏付けられたでしょう。見出しについても同様のことが言えます。
見出しが間違った印象を与えていないか
ユーザーはわずか数秒でWebサイトを判断しているので、彼らはほとんど文章を読まないでしょう。せいぜい、大きな見出しをいくつか流し見る程度です。しかし残念ながら、ほとんどの見出しは、文脈を排して読むと、どのようなサイトなのか説明できていません。
たとえば、私のクライアントがホームページに並べていた見出しを見てみましょう。
- マーケティングを革新させる
- コンバージョンを増やし、ROIを高め、コストを削減する
- より効率的なチームを作る
- 印刷、プロモーション、フルフィルメントまでの流れを一本化する
- 機能しているものとしていないものを正確に把握する
見出しだけを見ても、どのような仕事をしているのか理解できないでしょう。なぜなら、これらの見出しはあらゆるプロダクトやサービスに当てはまるからです。唯一ヒントと言えるのは、印刷、プロモーション、フルフィルメントに関連していることくらいでしょう。
ユーザーに、どのような仕事をする企業なのか数秒で伝えることができないと、ユーザーはすぐにサイトを離脱するので、結果Webサイトの直帰率は高くなるでしょう。
第一印象に影響を与えるものを特定する
見出しと画像は、ユーザーが最初の数秒で見る主要な要素ですが、ほかにも視認するものがあります。ユーザーは引用文やCTA、リンクなども同じように目にしています。ただし、ユーザーは文脈を排してコンテンツを読み、瞬時に判断を下すという原則は変わりません。
どの要素がユーザーの判断に使われているのか確認するには、FullstoryやHotjarといったセッションレコーダーを利用しましょう。 ユーザーがコンテンツをどのように操作しているのか、どの部分で手を止めて行動を起こそうとしているのか特定することができます。
残念ながら、ユーザーの意思決定を下す速度が速いため、セッションレコーダーの効果は限定的です。より優れたツールはアイトラッキングでしょう。RealEyeのようなアイトラッキングソフトを使用すると、最初の数秒間でユーザーが注目する要素を観察することができます。
とはいえ、アイトラッキングが多くの人にとって現実的だとは言えないでしょう。したがって、アイトラッキングシミュレーションソフトは次善策と考えるべきです。まずはFeng GUIといったアプリケーションをホームページに実行してみましょう。これにより、ユーザーが最初に見ているコンテンツだけでなく、最終的にどのコンテンツが第一印象を形成しているのかもわかるでしょう。
どの要素がユーザーのサイトの印象に貢献しているかを確認したら、続いて5秒間テストを実施しましょう。テストによって、その要素がユーザーにどのような印象を与えているか評価することができます。
直帰率の改善は非常に効果的
これらの作業は難しく感じられるかもしれません。しかしながら、直帰率を下げることは、コンバージョン率からマーケティング予算の増加までのすべてに多大な効果があります。
適切な第一印象を与えることに成功したら、ハロー効果は効果的に作用します。ユーザーは、Webサイトが伝えたいことに対してさらに好意的になるでしょう。