何でも相談されるWebデザイナーの苦悩

Eric Karkovack

Ericは20年以上の経験をもつWebデザイナーです。

この記事はSpeckyboy Design Magazineからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

There Are Questions Even a Grumpy Designer Can’t Answer

私は人生相談のコラムニストではありません。調停者でも、弁護士でも、ITのスペシャリストでもありません。これを読んでいる多くの皆さんと同じように、Webデザイナーです。

実際、Webデザイナーという肩書きですからWebデザインに関する質問にしか答える資格はありません。そしてその種の質問ですら、私は答えるのに苦労するでしょう。

しかし、だからと言ってクライアントがあらゆる種類の質問の手を緩めてくれるわけではありません。おもしろいことに、これらの質問の多くは確かに彼らのWebサイトに関連してはいるものの、依然として私の専門分野外のものなのです。

これはつまりWebがどんどん複雑になってきていること、そして業界がどのように細分化されてしまっているかということを示しているのだと思います。そしてまた、Webサイトのオーナーたちの質問に答えるようなリソースが足りないということの表れでもあります。多くの場合クライアントは他に頼れるところがないので、Webデザイナーを頼るのです。

ここに、私が再び学校に戻って学んだ方がよいのではないかと思うような、いくつかの例を紹介します。

法律に関する苦しみ

Webサイトを公開するということはもはや気楽な務めではありません。今日では、Webサイトはますます法律の監視の対象になっています。そして当然のことながら、クライアントはルールが厳しくなっている中でもコンプライアンスを維持していくことを気にしています。

私は次のようなさまざまな法律関係の質問を受けたことがあります。

  • アクセシビリティ
  • 著作権
  • PCIコンプライアンス
  • プライバシーポリシー/利用規約
  • ユーザーデータ

問題はこれら項目はどのようなWebサイトにとっても重要な事項であるにも関わらず、私がクライアントに教えられることは限られてきます。Webデザイナーができる最善の方法は、一般的なガイダンスと意見を述べることだけです。それ以上のことをすれば、何か問題が発生した場合にある種の責任を負うことになるでしょう。

ですから、弁護士に相談することをおすすめしています。内容が複雑になるにつれて、Webデザイナーはクライアントに紹介できるような法律の専門家をみつけておくことが理にかなっているかもしれません。

メールとITの悪夢

気難しいタイプのデザイナーであれば過去にメールというものに対してなんらかの不平を言ったことがあるはずです。メールは誰にとっても耐え難い苦痛なのです。特に、自前のITスタッフをもっていないような小規模なクライアントにとっては大変です。

スマートフォンにカスタムメールアカウントを設定しようとしている人の中で、フォームの送信が届かなくて困っている人たちから頼まれることの大半はこれに関するものです。何年経っても私にとって、これは恐ろしいことです。

アカウントをセットアップするとなると、私は彼らの役に立とうとしますし最低限正しい方向に向かってもらおうとします。それでも、ある種のテクノロジーに疎い人たちを手伝うのは簡単ではありません。それに加えて、アカウントの種類やデバイスが豊富にあるということは、さまざまな変数が存在することを意味します。

スパムフィルターを扱うことに伴う大惨事は中でも別次元です。フォームやショッピングカートからのメッセージが配信されない場合、原因の究明には相当の労力が必要となります。悲しいことに、この問題にかなりの時間をかけてきたにも関わらず、私はまだよい解決法をもっていません。

それから一般的なITに関する無数の質問もあります。まさに小さな事業所が直面するような、ウィルスやLANのセットアップ方法、インターネット接続の問題などについて質問を受けてきました。

勘違いしないでいただきたいのですが、私はなぜクライアントがそんなことを質問してくるのかわかっています。Webデザイナーはテクノロジーに明るいので、限られた時間の中で使えるリソースとしては最良なのです。それでも、私の専門分野とは全然違います。

詐欺師と知らないサービス

私は自分の肩書きに、私立探偵と消費者相談センターを追加しなくてはならないかもしれません。ここ数年、何人ものクライアントから自分の受け取る手紙やメール、電話をとにかく疑ってしまうということを聞きました。

いくつかの詐欺は簡単に見抜くことができます。古いドメイン登録事業者が更新するのに、前回の5倍の費用がかかる旨の手紙を送る仕掛けは一般的です。また、内容がおかしなメールも数多くあります。

しかし私が困るのは、サードパーティが提供するサービスの信ぴょう性について尋ねられたときです。たとえば、最近あるクライアントから、私が聞いたこともないメールのプロバイダについて意見を求められました。その業者のWebサイトはきちんとしているようにみえましたが、そのサービス自体がよいのかどうかはわかりませんでした。そして、業者の評判を調べるために延々とGoogleで検索する時間もモチベーションもありませんでした。

結局、常識的に判断するのが一番であるように思えます。そして、それだけでは不十分な場合は、クライアント自身で少し調査するようにすすめます。

すべてを知ることはできない

クライアントにあるテーマの一つについて意見を求められるのは、ある意味少し称賛されることかもしれません。それは関係が良好であることの表れであり、信頼の証ですから、軽々しく対応すべきではありません。

しかしどのようなWebデザイナーであっても、知っていること、答える資格があることには限りがあります。法律の専門家でない限り、法律について具体的な助言をすることはできません。ITのバックグラウンドが無ければ、ファイルサーバーの不具合についてまともな手助けはできません。それは、配管工に車の修理をお願いするようなものです。

それ以上に、私たちは自分の領分に集中することも重要です。クライアントの力になることは素晴らしいことですが、専門外の分野について自分が責任をもつのかどうかよく考えなければなりません。クライアントのメールアカウントに些細な不具合が起こるたびに、彼らが連絡してくることになってもいいのですか?

Webデザインの分野自体が挑戦的なものなのです。専門外のことは、自分以外のプロフェッショナルに任せるのが一番よいでしょう。


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