小さなWebデザインプロジェクトの価値

Eric Karkovack

Ericは20年以上の経験を持つWebデザイナーで、電子書籍『Your Guide to Becoming a Freelance Web Designer』の著者です。彼のキャリアはこちらから確認できます。

この記事はSpeckyboy Design Magazineからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Why You Shouldn’t Ignore Smaller Web Design Projects

Webデザイナーは、自身の仕事に情熱を持っている人がほとんどで、ほかの業界と比べてもその情熱は際立っています。しかし、収益についていえばWebデザインもほかのビジネスとまったく変わりません。主な目的は、いつでもクライアントを獲得し安定した暮らしを手に入れることです。

そのため、相応しい金額で大きなクライアントを獲得することについての情報がたくさん行き交っています。しかし、それらの情報は必ずしも現実的とは言えません。特に、キャリアを始めたばかりのフリーランスデザイナーにとっては難しいでしょう。経験を積んだ専門家でさえ、大きなプロジェクトに取り組む欲求やキャパシティをもっていないこともあります。

とはいえ、もっとも大きな魚を狙うことを勧めるのが一般的なアドバイスでしょう。では、小さなプロジェクトにはなんの価値もないことになるのでしょうか? 決してそうではありません。小さなプロジェクトにはWebデザイナーが理解しておくべき重要な要素が隠されています。この記事では、小さなプロジェクトを無視してはいけない理由をいくつか紹介します。

クライアントとの関係を築ける

ビジネスオーナーが直面しなければならない最大の課題の1つは、人々とやり取りする方法を学ぶことです。この方法は、デザイナーや開発者としての才能と同じぐらい重要であると言っても過言ではありません。

まったく同一のプロジェクトが存在しないように、まったく同じクライアントも存在しません。つまり、キャリアを進む中で、つねに異なる個性をもつ人々と付き合う必要があるのです。

事業を始めてすぐに、私は多種多様な小さいプロジェクトを引き受けました。それらの過程で、さまざまな性格の人々と出会いました。当時はその経験を十分に評価していなかったものの、彼らとのやり取りから、有益な機会を得られました。

結局私は、莫大な利益を上げることはできませんでした。しかしクライアントとコミュニケーションをとる方法について重要な教訓を得られたのです。ユーザーにわかりやすい用語で物事を説明する方法や、進行中の作業についてクライアントが最新の情報を知り続ける方法を理解しました。加えて、クライアントが期待しているものはなになのか、彼らの不満や批判をどのように受け止めるべきかについて、貴重なインサイトを得られました。

確かに道のりは紆余曲折を経ました。多くのストレスや心配もつきまとっていました。もっとうまく対処できたはずだと後悔することもあります。しかし、経験そのものは、掛け替えのないものでした。ビジネスにおいて有効な関係を築くことは、個人的な側面でも社会的な側面でも成長するための鍵になるはずです。

スキルを磨く機会になる

Webデザイナーが新しいスキルを学ぶことができる場所はたくさんあります。しかし、それらのスキルを本当に実践するには、なにかを制作しなければなりません。小さなプロジェクトは、実力を証明する機会として役立つでしょう。

まず、期待値とクライアントの予算は等しくなければいけません(このことをクライアントに説明するのはとても重要です)。 したがって、低価格でECサイトを作成するプロジェクトでは機能やカスタマイズも少なくなるでしょう。

予算に見合った仕事をすることで、小さく始めて作業するWebサイトの種類について基本的な理解を深めることができます。また、スキルを実験する場所としても機能するでしょう。

予算が厳しく限られているため、洗練されたスクリプトやプラグインにアクセスできないかもしれません。しかし結果的に依頼をこなすためにコードをより細かく構築することになります。このような経験は、要素がどのように機能するのかを理解する素晴らしい方法です。

自分自身をみつめる

プロジェクトを多く経験するほど、自分自身について深く知ることができます。自分はどのようなプロジェクトに向いているのでしょうか? どのような種類のワークフローが適しているのでしょうか?

このように自問するのは、大きなプロジェクトに挑戦する前に学ぶ貴重な機会になります。なぜなら、業界における自分の得意分野を理解するまで、自分に適したポジションをはっきりと理解するまで、効果的なデザインを作成する準備をすることが難しいからです。

たとえば、大規模なプロジェクトにアプローチする方法をなにも知らないまま飛び込んでしまうのは、良い考えとは言えないでしょう。どのツールを使用すべきなのかも、そもそも大規模な仕事に関わることを快適に感じるかどうかも知らないと、危険な状態につながる扉が開いたままになっています。自分で自分を苦しい状況に追い込むことになるのです。

小さなプロジェクトにじっくり取り組むことも大切ですが、それらを一種のガイドとして利用することもできます。プロジェクトを進める過程で、必然的に自分の好き嫌いがみつかるでしょう。もしかしたら会員制のWebサイトを構築することよりも、SEOに興味があると気づくかもしれません。

どのような嗜好であるにしろ、目標は自分がなにに適しているのかみつけることです。この作業には時間を要し、多くの場合さまざまなプロジェクトに取り組む必要があります。小さなプロジェクトを頼りにして、自分自身をみつける旅を進むことができるでしょう。

お金より大切なもの

小さなWebデザインプロジェクトに頼るだけでは、大きな利益を得ることは滅多にできません。そのため、多くのデザイナーが長期的にはより高い目標を目指しています。しかし、だからといって小さなプロジェクトの価値がなくなるわけではありません。実際にはその正反対なのです。

業界の末端でWebサイトの構築を続けることは、自分のブランドを築き、仕事をうまくこなせるようになり、自分の地位を確立する素晴らしい方法です。現在の状態にいつまでも留まる必要はありませんが、居続ける間は最大限に活用するべきです。小さなプロジェクトは、将来のために準備する助けになります。


Welcome to UX MILK

UX MILKはより良いサービスやプロダクトを作りたい人のためのメディアです。

このサイトについて