「月曜日」を「1」、「火曜日」を「2」……といった具合に、アンケート調査や書き込みの段階ではデータを数字で管理していることが往々にしてあります。調査協力者の回答しやすさを考慮すると、この時点では良い手法だと考えられます。
しかし、データの整理・分析する段階になると、「数字」のまま閲覧するよりも「実際の意味や値」のまま表示されている方が便利です。
このように「元々数字と紐付けていた値」や「数字、番号のデータを対応させた特定の文字列」を表示したい場合、役に立つ関数がCHOOSE関数です。
今回は、CHOOSE関数の意味や基本的な使い方から応用まで詳しくご紹介します。
CHOOSE関数とは
CHOOSEとは、「選定する」「選分ける」という意味を持つ言葉です。ExcelにおいてCHOOSE関数とは、「セルに入力されている数字と指定したリストにある値を対応させて、特定の値を表示する」関数です。
式は「=CHOOSE(数字セル,"値1","値2","値3",……)」です。数字セルが「1」だと「値1」を表示するように、数字セルは順序として機能し、対応する値に紐付きます。
CHOOSE関数の引数について
引数とは、関数の式に用いる数値や文字列などのデータを指します。CHOOSE関数の引数の種類は、最初の引数である「インデックス」(上記の式における数字セル)と「リストの値」(上記の式における値)の2つがあります。
①. インデックス
参照する数字セルを選択します。基本的に整数が対象となります。
1より大きければ小数(1.5など)も引数として設定できますが、小数点以下が切り捨てられた数字が結果として反映されます。
②. リストの値
リストの値には、インデックスとして指定した数字に対応させる値を入力します。
図1を例に挙げて具体的に説明します。D2が2である場合、CHOOSE関数として指定したリストの2番目の値(“良”)が表示されます。
【基礎篇】CHOOSE関数の使い方
さらに実践的なCHOOSE関数の使い方をご紹介します。とある学校の先生になったつもりで、3クラス10人のテストの点数と評価グレード(1〜3)から、評価グレードが示す成績(優、良、可)を表示する場合を想定します。
- セルE2に「=CHOOSE()」と入力します
- セル.D2を選択します
- 「,」入力し、「"優","良","可"」を入力します
すると、インデックスの数字と対応する値を表示します。CHOOSE関数を適用するセルが多い場合は、1つだけ数式を入力し、残りはコピー&ペーストで対応しましょう。
【応用篇】CHOOSE関数の使い方
ここからは、応用的なCHOOSE関数の使い方をご紹介します。
CHOOSE関数のインデックスに空白が存在するとき
図3の表で、ある生徒が欠席して点数や評価が空白になっているときを想定します。
CHOOSE関数では、空白のインデックスを参照すると「エラー値 #VALUE!」を表示します。
その場合の対処法としては、IF関数と組み合わせてCHOOSE関数を使用します。
エクセルで条件によって言葉を表示するIF関数の使い方|UX MILK
式は「=IF(B3="","",CHOOSE(……))」になります。「B3が空白ならば空白、空白でなければCHOOSE関数の結果を表示する」という意味合いを持ちます。
CHOOSE関数を使用して曜日を表示するには?
関数を使用して曜日を表示する場合、一般的にはWEEKDAY関数を使用します。しかし、WEEKDAY関数は、曜日を数値として表示する機能を持つので、名称で曜日を表示したいユーザーにとっては都合が悪いです。
その場合、WEEKDAY関数と組み合わせてCHOOSE関数を使用します。
エクセルでWEEKDAY関数を使って曜日毎に表示を変える方法|UX MILK
式は「=CHOOSE(WEEKDAY関数(値),"月曜","火曜","水曜","木曜","金曜",)」です。「WEEKDAY関数で表示した数値を、さらにCHOOSE関数で対応する値を表示する」といった意味合いを持ちます。
まとめ
最後に、改めてCHOOSE関数のポイントを振り返ります。
・任意の数字と指定したリストの値を対応させ、表示することができる
・空白はIF関数、曜日はWEEKDAY関数と組み合わせて表示する