ある範囲の数値群の平均を求めるには、「AVERAGE関数」を使用します。この場合、ただ平均値を算出するという計算になります。
一方で、テストの点数における「生徒の性別」や売上における「商品の種類」など、ある条件を課して平均値を算出する関数が存在します。「AVERAGEIF関数」です。
ここでは、AVERAGEIF関数の意味や基本的な使い方についてご紹介します。
AVERAGEIF関数とは
AVERAGEIFとは、「平均する」という意味を持つ「average」と「〜のときは」という意味を持つ「if」を語源に持ちます。
ExcelにおいてAVERAGEIF関数とは、「任意の範囲を対象として、指定した条件を満たすデータ(の対応する値)の平均を算出する」関数です。
式は、「=AVERAGEIF(範囲,条件,平均範囲)」になります。
範囲
AVERAGEIF関数で条件として設定したい値を含むセルの全体範囲を指定します。
指定できる引数は、「数値」「文字列」「式」「セルや範囲」のいずれかです。
条件
「範囲内のどの値を対象とするか」を定義する条件を指定します。
指定できる引数は、「数値」「式」「セルや範囲」「文字列」「関数」のいずれかです。条件の要素は、「""」で囲みます。
平均範囲
平均を算出したい配列を範囲として指定します。
平均範囲は省略も可能です。省略した場合は、1つ目の「範囲」で指定した配列が平均範囲となります。
AVERAGEIF関数の使い方
複数の商品売上データが記載されている以下の図1の表を用いて、AVERAGEIF関数の実際の使い方をご紹介します。
ここでは、商品Aにおける売上の平均を集計する場面と想定します。
1. セルE3に、「=AVERAGEIF()」と入力します。
2. ()内には、
- Aを含む商品名全体の範囲である「$A$3:$A$15(範囲)」
- 条件として指定するAを記載している「D3(条件)」
- 各商品の売上が記載されている「$B$3:$B$15(平均範囲)」
と設定します。式は、「=AVERAGEIF($A$3:$A$15,D3,$B$3:$B$15)」となります。
すると、図1のように、E3の商品Aの売上の平均が算出されます。
関数の計算の流れとしては、
「A3からA15(商品A〜商品D)の範囲の中で、D3(商品A)という条件を課して、B3からB15(各商品の売上)の範囲内で条件(商品A)に該当する値の平均を算出した」
といった具合になります。
複数条件を指定するには?
AVERAGEIF関数では、条件に指定できる要素は1つのみになります。
複数の条件を指定したい場合は、AVERAGEIFS関数を使用しましょう。以下の記事で、詳しく解説しています。
エクセルで複数条件に合うセルを平均するAVERAGEIFS関数の使い方|UX MILK
まとめ
指定した範囲内に条件を満たすセルが存在しない場合は、「エラー値 #DIV0!」が返されます。また、平均範囲内の空白のセルは無視されます。
このような注意点をおさえて、AVERAGEIF関数を使いこなしましょう。