UXデザインはよくUIデザインと混同されがちですが、実際は戦略を練る段階からプロジェクトやビジネス全体のサイクルに影響を与えるレベルまで、はるかに幅広いプロセスや要素を含んでいます。
UXのデザインはまずビジネスモデルの理解と、そのサービスが意味ある形でユーザーの生活に浸透するかどうか調査をし、ユーザーを理解をするところから始まります。ペルソナやユーザーストーリーなどのアウトプットによって、ビジネス上の決定における基準を示してくれることから、UXデザインは、ビジネス戦略を明確にすることにおいても非常に大切なものなのです。UXによるプロセスはUIだけでは終わらず、人とテストを行ったり、開発のサポートをしたり、リリースした後もリアルタイムでの調整を行ったりします。
UIだけがUXではない
・「インターフェースはUXの一部ですが、それだけではありません。」-Peter Merholz
「私は依頼人に、戦略に関しては気にしなくていいと言われたことがあります。要するに、デザイナーが気にすることではないということです。その点、UXはうわべだけの関係よりも深い関係を築きます。」-Dan Saffer
「UXは、いわゆるチェックボックスのようなものではありません。何もしなくても機能するのです。そして、人がするあらゆる物事に統合することが必要です。」-Liz Danzico
(10 Most Common Misconceptions About User Experience Designより抜粋)
・UXmattersのDesign Is a Process, Not a Methodologyという記事で、Pabini Gabriel-Petitは、完璧な商品デザインの過程は発見、デザイン、そして発展のサポートという三つの段階に大きく分けることが出来るということを示しています。UIのデザインやワイヤーフレーミングは計8ステップの過程の中で、たったの1ステップでしかありません。
・Generic Work Processというウェブサイトでは、ユーザーを第一にとらえた多様なデザイン活動を説明しており、UXのデザインに使える100を超える技術や方法がリストアップされています。
・Jesse James Garrettは戦略レベルから具体的なUIに至るまで、UXデザインを5つの段階に分けて明確にしました。―The Elements of User Experience: simple version(簡易版), detailed version(詳細版)
・That Squiggle of the Design Processを見てください。調査とプロトタイピングがどれほど大切で、デザインの過程を抽象的な次元から最終的なレベルにまで押し上げるのにどれほど貢献しているかが分かるでしょう。
・A Project Guide to UX Designという書籍の中では、ユーザーの体験を明確にする(プロジェクトの目的、ビジネス上での要請、調査、人間性など)ところからUXの為のデザイン(サイトマップ、ワイヤーフレーム、有用性のテスト、仕上げ後の活動など)に至るまで、UXデザインのいくつものステップを詳細に記してあります。
UXデザインプロセスの例
・Typical UX process by the Usability Professionals’ Association
poster in slightly higher resolution
・Todd R. Warfel’s process diagram (JPG)
・SCM’s User-Centered Design Process (PDF)
・The design process of Boxee Beta by Whitney Hess
・…でも忘れないでください。「良いデザインは良いプロセスから生まれるのではありません。良いデザイナーから生まれるのです」 - Fred Brooks