モバイルのユーザーと言えば、常に活発に行動している人、注意力がすぐ途切れるような人を想像します(モバイルユーザーは一種の注意欠陥障害に苦しんでいるという記事もあります)。
しかし、本当にモバイルユーザーは注意散漫なのでしょうか。確かにこれは本当なのですが、コンピューターの前に座っている時も、テレビを見ている時も車を運転している時も、同じように注意は散漫になるのです。気が散るという現象はどこにいても起こるものであり、モバイル機器だけに限定されるものではありません。
そもそもモバイルユーザーはいつでも活発なのか
・Googleのマルチスクリーン(多重スクリーン)調査によると、スマホが家で使用される割合は60%となっています。対して、コンピューターは69%、タブレットは79%が自宅で使用されています。
・InsightsNowによれば、68%のモバイル通信(電話、SMS、eメールは除く)が家の中で行われています。
・同じくGoogleの調査研究により、77%のモバイル機器による検索が家の中、もしくは職場(ほとんどの場合、自分専用のデスクトップかノート型のパソコンがあるでしょう)でされていることが分かりました。
・モバイル機器の、トイレでの利用が多いのは言うまでもありませんね。
・結論として、モバイルユーザーを考える時はスマホを片手に乗り遅れそうなバスに向かって走っているような人を思い浮かべるのではなく、むしろ家か職場にいる人を想定するのが適切です。人々は家か職場でほとんどの時間を過ごし、スマホを利用して様々なことをしています。スマホは一番身近にあるデバイスだからです。
モバイルに限らず、あらゆるところで注意は散漫になる
・モバイルユーザーは絶えずやってくる電話やメールをいつでも受信できますが、ノートパソコンやテレビの前に座っている時も同じことが言えます。
・コンピューターのユーザーやテレビを見ている人も同じように注意が散漫になります。Googleの調査では、人はパソコンを使う時、67%の割合で他のデバイス(タブレットが75%、テレビが77%)を同時に使っています。対して、スマホを使う時に他のデバイスを同時に使う割合は57%となっています。
・車を運転する時にも注意は散漫になります。Most US Drivers Engage in ‘Distracting’ Behaviors: Pollによると、86%の人が飲食をしながら運転し、41%がGPSの操作を運転中にし、14%の人に至ってはメイクまでしています(Crash Test: 5 Things People Do While Drivingもご覧ください)。それから子供は電話よりもはるかに人の注意を散漫にします。
・学生も同様に、注意散漫になります。Larry Rosenの研究により、学生は一度に平均たったの3分間しか課題に集中できないこと、またほとんどすべての場合、それはなんらかのテクノロジーによって引き起こされているが明らかにされています。
・他にも例は無数にあります。注意の散漫は、あらゆるところで起こるのです。
モバイルの使用率は、今やデスクトップよりも高い
・今や私達はオンラインで何かする時、デスクトップよりもモバイルの方を多く使います。US smartphone engagement has overtaken desktop: statsとMobile apps overtake PC internet usage in U.S.をご覧ください。
・多くの活動において、現在はほとんどモバイル機器しか使われないということがcomScoreの調査で示されています。ラジオ(モバイル機器での使用率が96%)、写真(96%)、地図(90%)、インスタントメッセージ(90%)など、様々な分野がモバイル機器へと大々的に移っていきました。
・モバイル機器のみの使用率は、安定した上昇が続いています。フェイスブックのアクティブユーザーの30%が、モバイル機器のみでしかフェイスブックにアクセスしないことなどが例に挙げられます。