UXデザインはユーザーの信頼を勝ち取るためにある

Ken Myers

Ken Myersは父親であり、夫であり、また起業家です。在宅ケアのサポートにビジネス構築の経験とを合わせ、情熱を注いでいます。彼の詳細についてはツイッター@KenneyMyersで。

この記事はUsabilityGeekからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Building User Confidence with User Experience (UX) Design

誰にとっても、オンライン上でユーザーから信頼を得ることは大変なことです。詐欺やペテンが横行するオンラインコミュニティでは、ユーザーが安心してサイトを利用し、買い物ができる環境をつくることが必須となります。そういう点でUXデザインは、ユーザーからの信頼を築き、売り上げとユーザー層を広げるための大事な一歩となります。

簡単にするということ

サイトオーナーにとって、サイト来訪者に良い印象を与えて引き込むことに使える時間はますます減ってきています。カジュアルなユーザーもいれば逆にヘビーなユーザーもいますが、ストレスのたまるデザインはどんなUIであれ、変わらないものです。ユーザーに技術的な能力差はあっても、スムーズかつシームレスに機能するものが求められています。

新規ユーザーにとっては直感的に理解できて且つ、ベテランユーザーを惹きつけるくらいに凝った印象を持つサイトにするというのは非常に難しいことです。

Facebookなどは度重なるアップデートで初心者にとってどんどん難しくなっていった、典型的な悪い例です。かつてはわかりやすかったナビゲーションが、突如変なアイコンでいっぱいになり、情報収集がほとんど不可能になってしまっています。逆にRedditやGmailなどのサイトは、ベテランユーザー向けのユーザビリティやサイトのユーティリティを向上させつつ、新規ユーザーも獲得するよう継続的に努力しています。どちらのサイトも、熟練したユーザーのためにサイトをより複雑化することよりも、サイトにもっと夢中になれるような基本機能を拡張しています。ユーザーはそれぞれの経験に問わず、サイトのナビゲーションを信頼し、自然に使いこなせるべきなのです。

UXを考慮して信頼を築くことは、ユーザーに頻繁に来訪してもらったりそのUI自体を好きになってもらうだけではなく、商品を他の人達に薦めようと思えるような信頼感をも与えます。機能に関係なく、使いづらいサイトというのは、よほど熱心なユーザーでなければ、お薦めしてもらえません。UXデザインを用いて、熟練ユーザーと新規ユーザー両方に、情報収集やサイト利用が安心してできると思ってもらえるようにしましょう。

情報提供は明確に

インターネットのユーザーは以前にも増して、個人情報やデータの提示に用心深くなっています。個人メールアカウントや政府等のデータ漏洩が頻繁に起こる現在、ユーザー情報や情報へのアクセスに関する透明性はユーザーからの信頼を勝ち取るための必須条件となっています。ですが、UXとセキュリティのバランスを見つけることは決して不可能ではありません。

サイトの情報開示ポリシーをわかりやすい場所に配置することで、ユーザーからの信頼度は上がります。サイトのポリシーを立派にしたり磨き上げることよりも、このデータ開示(あるいは保護)に関する透明性とオープンさとがユーザーにとって、開発者とサイト両方への信頼につながります。Zapposのようなサイトに至っては、プライバシーポリシーやID盗難に対するセーフガードについて「Shop with Confidence(安心して買い物する)」という特別ページで説明し、買い物カゴに商品を入れる前に既に彼らのサイトの安全性を保証しています。わかりやすい情報は、サイトの信頼度を上げるものであり、eコマースでは特に必要不可欠です。

ユーザーテストを優先する

プロジェクトに深く関われば関わるほど、そのプロジェクトを客観的に見づらくなるものです。UXも例外ではありません。ユーザーからの信頼度はそのシステムがきちんと機能するかどうかに深く依存します。

ユーザーは問題が起こったときに、システムのせいにすることはなく、自分の操作のせいかと思ってしまうものです。エラーメッセージに欠陥があると、ユーザーはコードのエラーよりも、自分の使い方が間違っているのではと見直す傾向があります。こうしたユーザーは、運営会社へメールや電話を1本すれば解決できるものの、そうはせずにイライラを募らせたままサイトから簡単に去ってしまいます。

ユーザーが継続的なエラーや深刻なシステムエラーのあるサイトやインターフェースと対峙してしまったときは更に最悪です。コード上の小さな問題は無害に思えても、サイトの信頼度や評価を傷つけ、売り上げやユーザーを失う結果となってしまうこともあります。

頻繁なエラーメッセージやサイトの機能が使えないという問題は、ユーザーにとっては赤信号です。この赤信号は、開発者がプロジェクトに対して不誠実であることをユーザーに感じさせ、信頼を裏切る行為となってしまいます。

ユーザーテストは、ユーザーのポジティブなエクスペリエンスを確認するのに最も最適で簡単な方法です。開発者は、検索欄に記号を入力することなど思いつかないでしょうが、オンラインの経験が限られたユーザーは偶然そういうことをやってしまうことがあり、そうやって開発者にユーザビリティの不備を教えてくれます。テストをすることで、能力を問わずあらゆるユーザーをうまく誘導できるサイトになるのです。

詳細にまで注意を払う

スムーズなUIやクリアな視線効果の創出など、より高い目標を掲げると、開発者がつい基本を見失ってしまうことが度々あります。

サイトがどんなに速く読み込まれても、どんなにレイアウトが良くても、スペルミスや壊れたボタンで台無しになってしまったサイトは、悪い意味で目立ってしまいます。単純なスペルミスはビジネスや商品、サイトそのものにおける信頼を劇的に失うことになりますし、売り上げや利用を減らすことにつながります。

eConsultancyによると、サイトのエラーによって引き起こされるリスクは収益の18%までにものぼると言われているそうです。最終的な収益への影響を考えると、ポジティブなUXのためには、詳細に注意を向けることがいかに最優先事項となるかがわかります。

ユーザーテストで見落とした詳細事項を掘り起こす一方で、開始前にサイトやコンテンツを完全に査定することが大事です。正社員の編集者であれ、パートタイムの監査員であれ、ユーザーの信頼を台無しにしてしまいかねない、こうした微妙な間違いを見つけて防ぐことは極めて重要です。大企業のオンライン小売であれば商品情報のスペルミスやリンク切れぐらいのミスは取り返しがつくかもしれませんが、小規模なサイトの場合は影響力も、個人情報開示のリスクを負うだけの実績もありません。コンテンツやサイトのユーザビリティにおける二重、三重のチェックはユーザーからの信頼度を高める簡単な方法であり、何かを新しくデザインする必要はないのです。

まとめ

UXは、サイトの利用をユーザーにきれいに見せる方法を創り出すためだけのものではありません。利用したくなるような、魅力的且つ信頼性のあるプラットフォームを用意することでビジネスでかけがえのないサービスを提供し、商品を売って、顧客情報を集めるのです。ブランドやサイトへの信頼度を重点においたUXを創出することで、UXだけではなくビジネス成果をも向上させてくれるのです。


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