モバイルファースト、そしてアプリファースト。アプリによるアクティブなユーザー接点への期待と、インストールやリテンションが困難な現実とのギャップ。
米Googleが先日β版提供を開始したStreamは、それらの課題への1つの回答のように見えたかも知れません。
「Webとアプリの垣根は無くなる」。その意義について、今回考えていきたいと思います。
Stream
Streamは、スマホアプリをクラウド上に展開しモバイル版Google検索の検索結果にアプリのコンテンツを表示、ブラウザ越しに操作を可能とするものです。
現在はごく少数のAndroidアプリのみに対応していますが、今後拡大し、iOSアプリにも対応すれば、iOSアプリへのセッションにすら影響を及ぼしていきます。
Webがアプリを包括する?
さて、Streamは、インストールせずともユーザーにアプリ内のコンテンツに接触してもらえることで、あたかもWebがアプリの領域までも包括したように思えます。
ここで、従来のモバイルWebの現状を考えてみたいと思います。Streamとは別のベクトルですが、そもそもモバイルWebの課題を解決しようとする動きがあります。
これによれば、Webがアプリのように能動的なアクション(PUSH通知)を行うなど、機能的な部分はアプリに近づいていくように思えます。
今後
過渡期においては、Webサイトがなくアプリだけのサービスも更に増加していく、Streamでの動作を見越して軽さ重視のアプリが生まれる等、様々な動きがあることでしょう。
しかし、モバイルWebが上記のように進化を遂げた場合、PUSH通知やホーム上のアイコンにより、モバイルWebのユーザーとの接触方法がアプリに近くなり、提供できるコンテンツの質の違いに更にフォーカスすることができるようになります。つまり、Webとアプリの役割をより明確に分けたUX設計が可能になるということです。
アプリがブラウザ経由で使用できることは、モバイルWebを不要とするのではなく、よりWebの意義を深める流れになっていくように思えます。