UXデザインとは?
UXとはユーザ・エクスペリエンス(User Experience)の略で、日本語ではよく「ユーザー体験」と訳されます。一方で、UIはユーザー・インターフェース(User Interface)の略で、プロダクトとユーザーの接点となる見た目などを表します。
UI = サービスや製品との接点・見た目
UX = サービスや製品を使う体験
サービス全体のユーザー体験を設計する
UXデザインは、抽象的な言い方になりますが「サービス/プロダクトにおけるユーザー体験をより良くすること」を意味します。UXデザイナーは見た目(=UI)のデザインだけでなく、サービス全体を通してユーザー体験をより良くするように設計するのが仕事です。
一般的にデザインと言われて思い浮かぶ「図案を描くこと」ではなく、「設計する」ことがUXデザインと言えます。例えば、お問い合わせなどのカスタマーサポートをより良いものに設計するのも、UXデザインの仕事です。
UXデザイナーの仕事内容
では、実際にUXデザイナーと呼ばれる人はどのような仕事をしているのでしょうか?
UXデザイナーの仕事は、大きく以下の3つに分けることができます。
- リサーチ
- UX設計
- UI設計
実際に、3つ全ての業務をUXデザイナー1人が担当するということは多くはありませんが、各領域についての知見が必要とされます。UXデザイナーは、非常にマルチな能力が求められる職種と言えるでしょう。
以下より、各業務に関してもう少し詳しく説明します。
リサーチ
顧客またはプロジェクトのリーダー、プロデューサーが求めているゴールや機能などを把握します。それを元に、ユーザーテストやアンケート、及びデータ分析などから課題、問題点などを洗い出し解決策を考えます。いわば、サービスのコンサルティングのような業務です。
必要あればリサーチ段階で得た情報を関係者と共有します。方法としては理想的なユーザーを示した「ペルソナ」やそのユーザーがサービスをどういった流れで使うのかを整理した「カスタマージャーニーマップ」などで整理します。
UX設計
リサーチ結果を踏まえて、サービス全体のUX設計を行います。ワイヤーフレームやプロトタイプを作成して、再度ユーザーリサーチを行うこともあります。このようにリサーチとUX設計を繰り返し、より精度を高めていきます。
UI設計
UX設計をUIデザインに落とし込みます。UIデザインに関しては、UXデザイナーは手を動かさずにデザインの方向性だけ決めるということもあります。いずれにせよ、UIデザインの知識、経験が求められます。
UXデザイナーに必要なスキル
仕事内容からも分かるように、UXデザイナーは非常に幅広い能力を求められます。そのため、デザイン未経験でUXデザイナーとなることは少なく、ディレクターやデザイナーとして経験を積んでUXデザイナーとなることが多いです。
コミュニケーション能力も必須
また、チーム横断で協力しながらプロジェクトを進めたり、クライアントから正確な要件を聞き出すためにコミュニケーション能力も非常に重要となります。
ここで言うコミュニケーション能力とは、クライアントやユーザーからヒアリングする能力、各チームと調整をする能力、クライアントやプロジェクトのリーダーへのプレゼン能力などを指します。
UXデザイナーになるには
UXデザイナーとして働く場合、主に以下のいずれかの企業に務めることが多いです。
- 自社プロダクト
- デザイン事務所
- 大きなWeb制作会社
- コンサル・リサーチファーム
UI/UXデザイナーという求人
求人ではUI/UXデザイナーと記載されていることがよくありますが、その場合本当に企画・UX設計の段階から関わることができるのか確認したほうが良いでしょう。
UI/UXという表記が使われている場合、その業務の多くがUIに関することである可能性があります。例えばサービスのUXを考える場合、利用中のみならず、利用前後のユーザー体験にもフォーカスしてアプリを設計することがありますが、ゲームアプリなどアプリの画面内で完結してしまうものなどは、あくまでアプリ画面のUIにまつわるUXという意味でUI/UXと併記されるようです。
UXデザインという言葉が抽象的なため、企業によって任せる業務範囲にかなりの幅があります。そのため、「UXデザインをしようと思ったのにUIデザインしかやらせて貰えない」といったミスマッチが起きることもあります。