UXデザイナーはポートフォリオを必要とするべきだと思っている人たちは、一度考え直したほうが良いかもしれません。
UXデザインはグラフィックデザインではありませんし、コンテンツのビジュアル要素で驚かせることではありません。そうは言ってもUXのポートフォリオは、それなりに普及しているのが現状です。そのためこの記事では、ポートフォリオを少しだけ良くするための方法を紹介します。
良いポートフォリオがもたらすものとは?
簡単に言えば良いポートフォリオとは、見込み顧客に対してそのデザインに至った思考のプロセスを示すものです。つまりポートフォリオでは、リサーチから始まりデザインを考えるまでに辿ってきた道筋、そしてそれが生み出した結果を示しましょう。
良いUXのポートフォリオのための3つのヒント
1. 制作してきた作品の幅を紹介する
複数のプラットフォームやデバイス向けに作品を制作している場合は、その作品をポートフォリオで見せるのは有効です。また企業用の高価で高性能なアプリケーションから安価でわかりやすい消費者向けプロジェクトまで幅広く制作している場合にも同じことが言えます。ポートフォリオでは、自分の得意なことを相手に一目でわかってもらう必要があります。一方でポートフォリオで扱うデータの量は慎重に考え、相手を圧倒しないよう配慮することにも注意しましょう。
2. 意味を伝えられるビジュアルを使う
制作する際のプロセスを視覚的にわかりやすくレイアウトしなければなりません。プロセスの構造を読み手にわかりやすく示せるように、過去のプロジェクトから画像を集める必要があります。ここでも、画像の量が多すぎてはいけません。ビジュアルを慎重に厳選することで、どんなことをどんな理由でデザインしたのかわかりやすくなるでしょう。制作プロセスをさらに紹介しようと画像の量を増やしすぎてしまうと、プロセスの説明がわかりにくくなってしまうでしょう。
閲覧者に制作の意図がうまく伝わるよう、ビジュアルは簡潔にするようにします。完璧で芸術的なグラフィックデザインである必要はありません。UXのプロセスが示されていれば十分です。
ポートフォリオに組み込むべきなのは、以下のような項目です。
- ペルソナ
- ワイヤーフレームのスケッチ
- データ分析の表
- カードソートの実践写真
2~3つのプロジェクトを詳細に説明し、専門性をうまく示せるようにしましょう。しかしプロジェクトが多すぎてはいけません。やりすぎると圧倒してしまいます。
3. ストーリーを伝える
このパートは概してもっとも難しいです。ビジュアルに短いストーリーを持たせてつなげる必要があります。あなたはどんな人ですか? 何をしている人ですか? 顧客や雇用主のプロジェクトにどのような価値を与えられますか? ポートフォリオではこれらのことをシンプルに伝える必要がありますが、シンプル過ぎてもいけません。以下の項目に触れるようにしてください。
- どのようなことに着手しようとしているのか
- リサーチやデザインの仕事で何をしてきたか
- その際何が良くできたか、良くできなかったか
- そのプロジェクトは最終的にどのような結果になったか
- もしまたそのプロジェクトを最初から行わなければならないとしたら、どのような点を修正して行うか
まとめ
最終的にUXのポートフォリオは、とても個人的なドキュメントになるでしょう。しかし、ほかの人があなたの仕事や経験を理解しやすいよう、簡潔にまとめるようにしてください。ポートフォリオがわかりやすいほど、ポートフォリオが新しい扉を開く要因になる可能性も高くなるでしょう。