「ページをざっと読んだだけで、欲しい情報を見つけられた!」ユーザーがWebサイトを閲覧する時、そんな状態が理想ですよね。しかし、調査によるとなかなかそうはいかないようです。いくつかのユーザビリティテストでは、人々は最初に目に留まった、それなりに合理性があるものを(たとえ、実際は間違っていたとしても)選んでしまう傾向にあるということが証明されています。
つまり、ユーザーは自分の目的に少しでも関連がありそうな説明のついたリンクを見かけたら、それを即座にクリックしてしまうということです。これは、リンク先の情報が探しているものでなく、結局「戻る」ボタンを押すことになったとしても、ページ全体を隅々まで読むよりもまだ効率がいいというユーザーの経験に基づく行動です。
この行動は「満足化行動(Satisficing)」と呼ばれ、心理学では有名な意思決定方法です。
ウェブにおけるユーザーの意思決定
・Steve Krugは自著の『Don't make me think』で、ユーザーはサイトで最適な選択をするどころか、楽しみながら好んで推測をするものだと述べており、それはたとえ間違ったとしてもその推測には特段ペナルティも生じないからである、ということも付け加えています
・Smashing Magazineの『ユーザビリティで気をつけるべき30のこと(30 Usability Issues to Be Aware of)』で、Vitaly Friedmanは「ユーザーは質が悪くても使える解決策を常に探している」と述べている
・Meta4Creationsによると、「ユーザーはいつでも最善の選択をするわけではなく、むしろ大抵一番簡単な選択肢を選ぶ」と述べている