ユーザーリサーチをするとき、どの方法がもっとも有用な結果をもたらすか悩んだりはしませんか?
この記事ではUXデザインにおいて価値を発揮することが証明されている7つの優れた手法をリストアップしました。それぞれの手法について、どのような手法なのか、なぜ機能するのかを見てみましょう。
1. カードソート
カードソートは、元来UXリサーチが形になるずっと前から、心理学研究で用いられた手法でした。コンセプトはシンプルで、カードに単語やフレーズを書いたあと、ユーザーにそれらを分類するように求めます。また、分類したカテゴリにラベルを付けるよう求めてもいいでしょう。カードソートは、情報アーキテクチャ(IA)が正しく実行されているかどうかを判断したり、新製品についてのIAを調べるのに最適な方法です。
カードソートにはさまざま手法があり、正しいものを選ぶことが重要です。さらに素晴らしいことに、現在ではカードソートを遠隔で行うことができるオンラインツールがたくさんあり、カードソートの技術を局所的だけでなく、包括的にも使用することもできます。
カードソートが優れている理由
- カードソートはとても安価な調査方法です。特に対面のカードソートは非常に安価ですが、オンラインツールは若干高価かもしれません。
- ユーザーもクライアントも理解しやすい非常に簡単な技術です。
- UXプロジェクトの初期段階で、非常に簡単にユーザーの知見や評価を得られる方法です。
- カードソート調査はほとんど準備が必要ありません。
2. エキスパートレビュー
エキスパートレビューでは、1人の「専門家」がUIを通して製品を検証し、製品のデザイン、アクセシビリティ、ユーザビリティの課題を洗い出します。従うべき規定のプロセスはなく、エキスパートレビューは専門家によって、または製品によって異なるかもしれません。レビューをする人のユーザビリティとUXデザインに対する専門知識が多ければ多いほど、より価値の高いインプットが得られることが多いです。
エキスパートレビューが優れている理由
- 素早くでき、簡単で安価です。より畏まったユーザビリティテスト方法と比較すると、どちらの面でも優れています。
- エキスパートレビューには、1人の専門家しか必要ありません。
- さらなるUXリサーチにつながる素晴らしい方法ではありますが、エキスパートレビューを鵜呑みにして、ここでリサーチを終わらせる場合は注意が必要です。
3. アイトラッキング
システムを使用しているときにユーザーがどこを見ているかを知ることができるのは本当に便利です。UIデザインや、特定のコンテンツの種類に優先順位を付けるのにも役立ちます。この技術は学術研究のために開発されたもので、特に医学研究において積極的に用いられてきました。現在では広く普及し、UXチームが利用するのに十分な費用対効果を備えています。
アイトラッキングが優れている理由
- 技術が十分に進歩した現在、アイトラッキングのシステムはもはや扱いにくいものではなくなり、ユーザビリティテストの結果に影響を与えなくなりました。
- この手法は今では手頃に購入できます。どんなプロジェクトの予算にも適うわけではありませんが、破産するほどではありません。
- 現在では結果の再現性は十分高く、調査者が結果を十分信じられるようになっています。
- クライアントは視線を追跡するこの手法を好みます。ユーザビリティテストにもっと投資すべき理由を示すための素晴らしい方法です。
4. フィールドスタディ
実際にはフィールドスタディという大きなカテゴリーの下には、いくつかの異なる手法があります。フィールドスタディとは、ユーザーが製品を実際に使用する中での態度を測れるように、外に出向き、ユーザーの実際の状況を観察するもの全般を指します。エスノグラフィ、インタビュー、観察、コンテキストインタビューなどがこれにあたります。
フィールドスタディが優れている理由
- 製品を使用するときのユーザーの態度を観察すること以上に強力な調査方法はありません。これらの手法を好む調査者は多く、クライアントを説得して一緒に連れていくほど情熱を持っている人も多いです。
- 上手く実行できれば、フィールド調査の結果から、ユーザーの課題とその解決方法について、きわめて深いインサイトを得られます。
5. ユーザビリティテスト
UXリサーチにおいて長い伝統と歴史があり、根強い人気があります。ユーザビリティテストとは、製品を使ってタスクを実行しようとするユーザーを観察することです。1つのプロセスに焦点を当てることもできますし、もっと広い範囲のタスクを調査することもできます。
ユーザビリティテストが優れている理由
- ユーザーの行動を観察すること以上に、ユーザーを理解する優れた方法があるでしょうか。もちろん、適切なユーザーを選ばなければなりません。ユーザー全体を適切に代表している人を選ぶ必要はありますが、それだけが唯一の制約です。
- ユーザビリティテストでは、特定の行動に対応する結果が生まれます。さらに、デザイナーがこれらのテストに基づく意思決定が矛盾することはめったに起こりません。なぜならユーザーの態度という証拠に異議を唱えることは、ほとんど不可能だからです。
- クライアントを観察者として簡単にユーザビリティテストに同席さられます。これによってクライアントのテストへの熱意を高め、このテストがなぜ価値を高めるのかを明確に示すことができます。
6. リモートユーザビリティテスト
この手法もユーザビリティテストですが、ユーザーを研究室の環境に連れてくる必要はありません。かつては複雑で高価な手法でしたが、技術の進歩によって、現在ではかなり簡単に設定でき、提供される価値に対して妥当な金額になりました。
リモートユーザビリティテストが優れている理由
- 研究室でのテストと比較すると時間と費用を節約できることが多く、研究室に集まってもらう必要がないので、より広い範囲の人が参加できます。
- 人工的な研究室の環境ではなく、ユーザーの環境で行われるという点では、フィールドスタディに近いテストともいえます。これによって、研究室などの環境で行われるテストよりも正確な結果が得られることが多いです。
7. ユーザーペルソナ
ユーザーペルソナは、架空の理想的なユーザーの代表です。ユーザーペルソナは、ユーザーの目標、特性、彼らが示す態度に焦点を当てます。また、ユーザーが製品に何を期待しているのかを調べます。
ユーザーペルソナは、ほかのユーザーリサーチの結果から作成し、製品をデザインする際にチーム全員が頭に浮かべやすい、実際に存在しそうな具体的な人物像を提供します。ユーザーペルソナには名前と背景があります。それらによって想像力が刺激され、ユーザーに焦点を当てることができます。
ユーザーペルソナが優れている理由
- ユーザーペルソナは、かつてのユーザープロファイルの発展形であり、ユーザーをより深く、具体的に観察できます。
- プロジェクトの中で常に話題に上るので関連付けやすく、チームの一員のようになります。
- 作業はとても楽しく、興味深い結果になることが多いです。ほかの調査成果よりも魅力的で、記憶に残りやすい傾向があります。
まとめ
ユーザーリサーチの手法はたくさんありますが、以上の7つはUXプロジェクトに貴重な知見を提供してくれることが何度も実証されています。あなたのお気に入りはどれですか?