3人の専門家が語る、2018年のUXデザインにおける変化

Amy Grace Wells

Amyは、コンテンツストラテジストとUXデザイナーであり、編集、出版、および非営利団体で15年近くの経験を積んでいます。

この記事はThe UX Boothからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

UX in 2018: Design, Development, and Accessibility (2018-01-16)

編注:この記事は2018年1月の記事を翻訳したものです。

毎年、ユーザー体験の専門家に新たなチャレンジをもたらす新たなイノベーションとサービスが登場します。UXデザインは、常に発展を続けており、その限界が広がるにつれUX業界も成長しています。また過去1年間を振り返ると、ネット荒らしとの戦いやAlexaを使ったライドシェアの呼び出しなど、人工知能の飛躍が見られました。

私は2017年が終わりに近づくにつれ、2018年のUX業界ではなにが起きるのかについてじっくり考え始めました。そして、ユーザー体験のさまざまな分野から、専門家の声を集めてみました。すると興味深いことに、注目すべきテーマがいくつか浮かび上がってきました。

高速なユーザー体験とは?

以前、デザイナーがいかにWebサイトのパフォーマンスに無関心かについて話し合ったことがあります。しかし皮肉なことに、開発者である私もかつては無関心でした。スピードというパフォーマンス原則を忠実に守るあまり、ユーザー体験を無視してしまっていたのです。

パフォーマンスの重要性を提唱する私たちは、Webページの読み込み速度(onLoad)という数字を重視してきました。ページ読み込みが8秒かかるよりも、6秒のほうが絶対に良いものとしてきました。数字は嘘をつきません。多分。

昨年12月、最初のウェブブラウザが誕生してから27周年を迎えました。この27年間、モダンブラウザは大きな発展を遂げました。一方、Webサイトも同じく発展を遂げ、いままで以上により複雑かつダイナミックでユニークなものになりました。快適なUXを提供することは、デザインだけでなくエンジニアリングの領域でも優先事項となっています。これはパフォーマンス重視の先にあるものであり、数値というハードな指標から、ユーザー体験というよりソフトな指標への移行を意味します。

たとえば、ページAとページBの読み込み時間は同じでも、ユーザー体験は大きく異なります。むしろページDよりも速く表示されるページCのほうが、ユーザーにとっては遅いと認識されることさえあります。

私たちは、表示される視覚フィードバックを定量化しようと試みています。これが現在のページ読み込みの考え方であり、ページ読み込みという難問を解決する発想転換です。そして、これによってSpeed IndexFilmstripクリティカルレンダリングパスのような概念が生み出されただけでなく、計測指標とブラウザAPIの進歩にもつながりました。

ページ読み込みの視覚的なプロセスを追跡するspeed indexの可視化  (sites.google.com)

たとえば、Performance Timing APIはいまもっとも重要視されていますが、いくつかの新しいものが出てこようとしています。Paint Timing APIは、Webサイトの描画開始までの時間(first-paint)とコンテンツの描画開始までの時間(first-contentful-paint)を提示します。また、実験的なHero Element Timing API は、ページ内の主要な要素を対象とします。操作可能になるタイミング(Time to interact)やimgタグのasync属性は、ボトルネックを解消しメインスレッドの速度を改善するものです。これらはどれもソリューションを提供するためのものではありませんが、急成長するビジネスに必要な素晴らしいユーザー体験の提供に役立ちます。

私たちはさまざまなユーザー体験を解決できたでしょうか? 答えは、「いいえ」です。しかし、研究は続いており、進歩しています。私たちは確かな情報に基づいた意思決定をするための新しい素晴らしいツールを手にしています。このツールは、あなたのチームだけでなく、もっとも重要なユーザーの要求を満たすものです。

このコラムの著者

Henri Helvetica
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ハイチ出身のカナダ人Henriは、サイトのパフォーマンスエンジニアリングとユーザー体験の関係に興味があるフリーランスのフロントエンド開発者です。調査書やケーススタディを分析したり、サイトをプロファイリングしたりしていないときは、北米第4の都市トロントでウェブの専門家との次のパフォーマンスミーティングを開催しています。

さらなるカスタマイズ性と包括性

ユーザー体験のカスタマイズは更に進歩していくことでしょう。我々は、ユーザーごとにアクセシビリティへのニーズは異なると気づき始めています。ユニバーサルなアクセシビリティを実現するのではなく、ユーザーごとに使用方法を選択できるようにするほうが簡単です。

また、いくつかのアクセシビリティは両立することができません。たとえば、古いスマートフォンでの動作を保証しつつ、高コントラスト/高視認性を保ち、タブナビゲーションを備えたものを設計するのは困難です。実現はできるのですが、ユーザー自身にサイトをどのように体験したいかを選択させる方が効率的かもしれません。

データと体験を扱うAPIは、より一層重要視されるようになるでしょう。従来、内部的なものとして取り扱ってきたものもより一層外部向けに公開していくことになります。そして、命名規則や行動、操作方法などの一貫性がより必要とされるようになるでしょう。私はこの先APIが新しい機能に加えてユーザビリティを改善するツールになると期待しています。

また、いよいよUX文脈でも構文チェックのようなプロセスを真剣に開始する年になるかもしれないと考えています。私たちは、スタイルガイドなしでインターフェイスの一貫性を保つことはできせん。しかし、誰もスタイルガイドを作る仕事を好まないので、その仕事は自動化されます。開発者は、ALT属性の未設定といった構文エラーを目にするようになるでしょう。

もし去年がフラットデザインと音声コマンドの年であったとしたら、今年は包括的なデザインとカスタマイズの年になるかもしれません。

このコラムの著者

Heidi Waterhouse
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LaunchDarklyの開発者支持者。Heidiは、ユーザビリティ、セキュリティ、カスタマイズされた経験の交差するところに深い興味を持っています。

アクセシビリティの傾向は変化している

2018年、私たちはついにInternet Explorerから解放されました。しかし、IEは依然としてアクセス可能な状況です。これまでIEは、Microsoft Edgeとの互換性の問題により、スクリーンリーダーを利用するユーザーにとって一番人気のあるブラウザでした。

以前、WebAIMが行ったスクリーンリーダーに関するアンケートでは、約半数がIEとJAWS、Window-Eyes、ZoomTextなどのスクリーンリーダーソフトを組み合わせて使用していました。JAWSはもっとも利用されているスクリーンリーダーだったため、IEを無視してアクセシビリティを犠牲にするか、アクセシビリティを担保するかどちらかを選択する必要がありました。つまり、アクセシビリティテストのテストプランには、JAWSとIEを含める必要があったのです。

WebAIMによるスクリーンリーダーユーザーアンケート

しかし、わずか2年でスクリーンリーダーとブラウザに大きな変化が起きました。 12月にリリースされた最新のWebAIMによるスクリーンリーダーに関するアンケートでは、もっとも一般的なWebブラウザとしてFirefoxがInternet Explorerを追い抜き、ユーザーの41%がFirefoxをもっともよく使用しているとわかりました。また、IEと共に使われていたスクリーンリーダーは、人気を失っています。よく利用されているスクリーンリーダーとブラウザのリストにおいて、JAWSはIEと組み合わせて使うスクリーンリーダーとして唯一残っており、まだ利用している人はいますが使用は減少しています。NVDA(FirefoxとChromeでよく使われる)やVoice Over(ChromeとSafariでよく使われる)などのツールは、JAWSに匹敵する魅力を持っています。

さらに、人気のあるスクリーンリーダーがMicrosoft Edgeをサポートするようになっています。 Freedom ScientificはJAWS 2018にEdgeサポートとNVDAがEdgeと互換性を持つようになると発表しました。

このコラムの著者

Nikki Massaro Kauffman
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Webデザイナーでデベロッパー、Penn State卒。Nikkiは、UIデザイナー、フロントエンドの開発者、教育者とユニークな組み合わせのキャリアを持ち、これらのスキルをすべて使いこなすことを楽しんでいます。Nikkiは、コンテンツ制作者がアクセシビリティ、プログラミング、デザインの専門家でなくても、アクセス可能なインタラクティブなコンテンツを作成できるツールを作成しています。