フルスタックUXデザイナーに求められるスキルとマインドセット

Litha Ramirez

LithaはSPRの体験戦略およびデザイングループのディレクターです。彼女は様々なタイプの組織において、コンセプチュアルアートやテクノロジーの経験があります。

この記事はThe UX Boothからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Full-stack UXers: Who They Are and How to Find Them (2018-03-08)

UXコミュニティでは、典型的なUXデザイナーよりも優れたスキルセットを持つデザイナーへの需要がますます高まっています。企業は、特に初期デザインからフロントエンド開発までを任せられるリーダーを探しています。

このようなリーダーは、フルスタックUXデザイナーと呼ばれます。

しかし、需要が高いポジションではありますが、フルスタックUXデザイナーが持つべきスキル・経験は明確ではありません。また、どのように彼らを見つければ良いのかもわかりません。

フルスタックUXデザイナーとは?

フルスタックUXデザイナーを理解するための最善の出発点は、恐らく彼らが「何者でないのか」を説明することでしょう。

この肩書が示唆するもの、たとえば一部の夢見がちな求人において要求されることとは裏腹に、この役職はデザインのすべてに深く精通している必要はありません。実際、ピクセル単位で正確なデザインができ、それと同じくらいプログラミングができるUXデザイナーはほとんど存在しません。

UIデザインやインタラクションデザイン、フロントエンド開発の高度な経験が必要ない一方で、フルスタックUXデザイナーに必要なのは、これらのプロセスとその根底にある方法論に対する十分な理解と認識です。極論、彼らの使命は社内外の顧客に価値を提供することなのです。

製品価値には、便利さ(Usefulness)、ユーザビリティ(Usability)、デザイラビリティ(Desirability)という3つの重要なレイヤーが存在します。価値を提供するという使命が意味するのは、フルスタックなUXデザイナーがこれらのレイヤー間の橋渡しをできる人物でなければならないということです。使いやすく、ユーザビリティとデザイラビリティのある製品を作成するために、それぞれのレイヤーを具体化できるビジョンがなければ、デザイナーは具体化されないレイヤーを無視してしまうでしょう。

つまりフルスタックUXデザイナーは、それぞれのレイヤーの背後にある技術を理解しなければなりません。これらの技術はリサーチや分析を開始したり、デザイン、テスト、実行を繰り返したりする能力につながります。高いレベルでは、ビジネス上の問題を見つけ出して、顧客のペインポイントを理解し、ビジネス目標と顧客のニーズを合わせる戦略を策定し、それをUIを介して積極的に提供することができる人物です。

フルスタックUXデザイナーの要素をもつ人物とは?

フルスタックデザインの求人では、このポジションは幻のようなステータスを持っているとされています。建築や開発、アートのすべてに精通した専門家などどこにいるというのでしょうか? 優秀で成功しているフルスタックUXデザイナーを見つける作業は困難な課題に見えますが、実際には字面ほど大変なものではありません。

まず職務の詳細を書き直すことから始めましょう。現時点で、多くのフルスタックUXデザイナーの求人募集は的外れです。必須条件を詰め込みすぎていて、有望な人材獲得を阻害しています。たとえば、フルスタックとして見込みのある人物が、クリエイティブやリサーチの能力だけでなく長年のコーディング経験までを求める求人を見ると、応募をためらってしまうことでしょう。このようにして企業は、成功する社員になったかもしれない人材を失うことになります。

そうではなく、フルスタックUXデザイナーになり得る人材を募集するための鍵は、従来のデザイナーとは異なる特性とスキルセットを特定して探し出すことです。それには以下のようなものが含まれます。

企業サイドへの理解

UXデザイナーは、ユーザーの一番の関心は何かという観点で考えますが、フルスタックUXデザイナーはビジネス視点も持っています。どのようにして製品が顧客のニーズを満たし、生産性を向上させるのかだけでなく、製品が企業の収益にどのように結び付くのかも理解しなければなりません。多くのデザイナーはクリエイティブを職業にしているので、企業のニーズに焦点を当てるフルスタックとしての役割には、MBAプログラムのような学習が必要になるかもしれません。

鋭い批判的思考と適応力のある考え方

フルスタックの役割は、従来のUXデザイナー以上に型にはまらない、分野にまたがった、協力的な思考をもたらすことが要求されます。リベラルアーツのバックグランドをもつ人物、特に心理学や社会学のバックグランドをもつ人たちは、ファシリテーションや要件の収集、プロジェクト管理などに熟練しているので、必要となる人物像にあっていると言えるでしょう。

素早くデザインを把握し、テストする能力

多くのデザイナーは、先入観があるためデザインのテストは難しいと考えています。しかし、フルスタックUXデザイナーにはフロントエンドでプロジェクトを実行する責任があるため、デザインを把握し、テストしなければなりません。さらにテストと並行して、仮説検証をし、成功やミスから学習し、プロジェクトを次の段階まで進めるという適応力を身につけなければなりません。 そのため、凝り固まった考え方は、フルスタックデザインの作業には適していません。

まとめ

フルスタックUXデザイナーへの需要が高まり続けているため、企業は、高度なコーディング経験を持つ優秀なデザイナーを見つけることがその役割を満たすことではないと気づくこと必要があります。

そうではなく、ビジネス目標に沿った顧客価値の提供方法を理解し、すべてをつなぎ合わせるために協力的な考え方、スキル、適応力を持つ人物を見つけなければなりません。希少な人材であることもありますが、優秀なフルスタックUXデザイナーになり得る人は、決して「ユニコーン」のような幻の生物ではありません。正しい特徴を知るだけで良いのです。


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