デザイナーも知っておきたい、パーソナライズを活用したUX改善事例

UX MILK編集部

モノづくりのヒントになるような記事をお届けします。

最近では、UXデザインの文脈においても「パーソナライズ」という言葉をよく聞くようになり、ユーザーデータの活用により注目がされるようになってきています。

そこで今回は、データによるパーソナライズとそれがもたらすUXについて、レコメンドエンジン搭載プライベートDMP「Rtoaster(アールトースター)」を提供する株式会社ブレインパッドの方にお話を聞いてきました。

登場人物
株式会社ブレインパッド 上川 晃二朗 氏
株式会社ブレインパッド 大野 冬渚 氏

DMPってデザイナーに関係あるの?

― 今回のテーマであるパーソナライズはUXデザインとも関係が深いですが、DMPはどういった点でパーソナライズと関係してくるのですか?

上川:まず簡単に説明すると、DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)はユーザーに関するあらゆるデータを蓄積して、分析することができるツールです。

もう少し詳しく言うと、DMPには「パブリックDMP」と「プライベートDMP」の2種類があります。パブリックDMPは、外部のさまざまなWebサイトの訪問者データやアンケートデータを収集して、そのデータを基にユーザー情報を判別するものです。

一方で、弊社が提供している「Rtoaster」のようなプライベートDMPは、導入した企業様のWebサイト上のユーザー行動や会員の性別や年齢などのデータを蓄積するプラットフォームです。デザイナーや企画職の方が仕事で使うのは、プライベートDMPのほうが多いと思います。

― なるほど、プライベートDMPはどのように使われることが多いのでしょうか?

上川:プライベートDMPはパーソナライズなどに使われることが多いです。

たとえば、Rtoasterの場合は元々レコメンドエンジンとして作っていたこともあり、ユーザーの行動データに基づいたパーソナライズを得意としています。わかりやすいパーソナライズの例としては、バナーの出し分けや商品レコメンドなどですね。

― もう少し具体的に言うと、ここでいうパーソナライズとはどういったものを指しますか?

大野:ECサイト内でよく見かける「あなたにおススメの商品」や「この商品を買った人はこの商品も買ってます」などがパーソナライズの一例です。つまり、全員に同じものを出すのではなくサイト内のユーザー行動を把握して、一人一人の興味にあったアイテムを出してあげることです。

上川:最近では「ウェブ接客」という言葉も出てきましたが、すごく簡単に言うとパーソナライズは接客と同じです。

リアルな店舗であれば、お客さんが来店したときに店員さんはまず「このお客さんはどういう人かな」と考え、「今日はどうされました?」といったコミュニケーションをした上でその人にあった接客をしていくと思います。これをデジタル上で行うのがパーソナライズですね。

― なるほど、ユーザーの行動データに基づいてデジタル上で接客をするイメージですね。

上川:そうですね。なので、実際の店舗での接客をデジタル上で再現したいといった要望は多いですね。

たとえば、銀行サイトだと「貯める」、「増やす」、「借りる」といったページがあるので、ユーザーごとにどのページを訪問したかをデータ化します。そして、データから貯蓄に興味があると判断された人にはこの銀行で預金するメリットを訴求したり、貯蓄に関する疑問や不安を解消するコンテンツを表示してあげます。

実際にパーソナライズを導入する際は、このようにデータを基にユーザーの傾向に合わせたセグメントを作り、それに合わせてコンテンツを表示します。

― そのユーザーセグメントを作るのには、プログラミング的なことが必要なのですか?

大野:特には必要ないですね。Rtoasterの場合は、JavaScriptのタグを埋め込むだけでユーザー行動を収集できるので導入は簡単だと思います。導入したら管理画面で「このページを見たことがあるユーザー」といったセグメントを作ることができます。また、自社の会員情報とサイト上の行動を組み合わせた複合条件でセグメントを設定することもできます。

あとは、メディアサイトなど会員機能がないサイトの場合は、ユーザーにアンケートに答えてもらい、そのデータを利用することもできますね。

Rtoaster上で作成したアンケートの例

― アンケートなどの情報でもセグメントできるのですね。逆にパーソナライズの苦手な分野はありますか?

上川:そうですね、行動データや性別などのユーザー属性に合わせたパーソナライズはできるのですが、実際にユーザーの考えていることや心理までは読み取れません。

「なぜこのサイトに来たのか?」「このサイトで何をしようとしているのか?」といったことは、まだ人間の頭で考えることが必要です。なので、行動や属性からユーザーの考えていることを類推することは、マーケターであったりUXデザイナーの役割なのかなと思います。

― たしかに、ユーザー心理まで考えないと改善施策は出せませんよね。

上川:そうなんです。DMPはデータマネジメントプラットフォームの略称なので、データの蓄積にフォーカスされがちなのですが、データを溜めて分析しただけでは意味がないんですよね。そのデータを基にユーザーの気持ちを読み取り、仮説を立ててアクションを起こすことが大事です。

「データはあるけど何をしたら良いかわからない」といった企業様も多いのですが、Rtoasterの場合はコンサルタントとデータサイエンティストが改善施策の支援までしていてノウハウも溜まっているので、改善事例は豊富にありますね。

― それでは、その改善事例を次から聞いていきたいと思います。

パーソナライズを使った改善事例

エノテカ

大野:ワインショップのエノテカ様では、商品レコメンドにパーソナライズを利用しています。Rtoasterがユーザーの閲覧傾向を学習し、そのデータを基におすすめの商品を表示してあげるというものです。

エノテカ様は実店舗もあるので、お店でソムリエが薦めてくれるくらいの精度でサイト上でもレコメンドしたいという要望がありました。そのために、ユーザーの閲覧履歴だけではなくてワインの産地や品質、価格帯、ぶどうの種類、醸造方法などワインに関するあらゆるデータをRtoasterに入れて、ユーザーごとにおすすめの商品を出しています。

― ソムリエと同じ接客をWebサイト上で実現するというのは、パーソナライズとしては理解しやすいですね。

大野:そうですね。ソムリエの方と同じ精度まで上げるのは大変で、まだチューニングを続けている段階ですが、現段階でも購入率が従来の2倍になっています。エノテカ様はソムリエ並の知識を持つ人ばかりなので、レコメンド結果を見てちょっと違うなと思ったらチューニングを変えたりして改善をされています。

日本旅行

上川:日本旅行様の事例では、クーポンを出すタイミングをパーソナライズして、最大15倍の効果があったという驚きの数字があります。ユーザーは旅行はしたいと思っているものの、決め手がなくて決められないことが結構あるんですね。

なので、迷っているユーザーに良いタイミングでクーポンを出してあげるだけで、購入意向が高まりユーザー体験の向上につながります。シンプルではあるのですが、きっかけ作りや後押しをしてあげるだけで購買が上がるという事例です。

― 素朴な疑問なのですが、パーソナライズではなくて常にクーポンを表示するのはどうなのですか? たとえば、国内ツアーページに国内ツアーのクーポンを表示するみたいな。

上川:まず、ユーザーがページに来たときは、旅行先を探すことに集中していたりして、意外とクーポンなどは目に入っていないんです。なので、良さそうな旅行先を見つけたタイミングでクーポンを出してあげることが大事です。

これはペルソナやカスタマージャーニーを考えるのにも似ていて、ユーザーがある行動をしたときにどういう心理状態になっているかを考え、検証する必要があります。

さとふる

大野:ふるさと納税サイトのさとふる様では、もっとも定番のパーソナライズである初回訪問と再訪、会員と非会員という切り分けでCVRが2倍になった事例があります。

訪問者を「初回訪問・再訪」、「会員・非会員」のセグメントに分けて、初回訪問者にはサイトの魅力を訴求しながらバナーで会員登録を促し、一度訪問したけど会員になっていない人に対しては、ランキングを表示することでよりサイトを知ってもらって会員登録を促しています。さらに、会員になってもらったけれども寄付実績がないユーザーに対しては、レビューの多い商品をバナーで表示しています。

これは非常に定番な施策ですが、導入から2週間でCVRが2倍になりました。オーソドックスではあるんですが絶対効果のある施策です。

DMPはデザイナーを助けるツール

― DMPというとマーケティングツールという印象でしたがユーザー体験を考える上では制作の側面でも重要そうですね。

上川:そうですね。ただ、こういったツールによるパーソナライズは必要不可欠なものではなく、あくまでもユーザー体験を考える中で、デザイナーさんが困っていることを解決する手段のひとつだと思っています。

たとえば、ペルソナやカスタマージャーニーを作っても実際のユーザーとは違ったりもするじゃないですか。ペルソナをいくつも作って、検証するのもコストがかかって大変ですし。

こういった訪問者の可視化などは、Rtoasterのようなツールが得意としているところなので、ツールを併用して使うことでデザインやユーザー体験など人でしかできないより定性的な部分に頭を使うことができると思うんですよね。

― ユーザー体験を把握し、より良くするためのツールとして、使えば良いということですかね。

上川:ツールを使うことでまったく想定していなかったユーザーのインサイトやペルソナが見えてくることもあります。そのインサイトやペルソナを活かして改善するには、やはりデザイナーさんのセンスが必要ですし、デザイナーさんにとってもより面白い仕事ができるようになると思います。

なのでデザイナーさんがユーザー体験の向上をするのを、我々はRtoasterなどを通してサポートできたら良いなと思っています。

― 本日はありがとうございました。

・・・

ブレインパッドの皆さんも登場するイベント「UX MILK meets Marketing #1 -パーソナライズを利用したユーザー体験の向上-」が7月3日(火)に開催されます。

DMPとパーソナライズについてもっと詳しく知りたい方はぜひご応募ください。

※応募は抽選制です。

開催日:7月3日(火)19:30〜
応募期限:6月26日(火) 18:00まで
抽選結果:6月27日(水)

イベント詳細&参加申し込み

Rtoasterとは?

Rtoasterの管理画面

市場シェアNo.1デジタルマーケティング活動を機械学習により最適化する、ブレインパッドのレコメンドエンジン搭載プライベートDMP「Rtoaster」。

ポイント

  • 業界No.1:250社以上の企業で利用され、DMP市場3年連続No.1を獲得(※) 。
  • パーソナライズ:データに基づくユーザー理解に加え、集客と接客のパーソナライズを簡単に行える。
  • コンサルタントの支援:データ・ドリブン・マーケティングによる成果向上をコンサルタントとデータサイエンティストが支援。

(*)DMP市場:ベンダー別売上金額シェア【2014年、2015年、2016年度実績】
出典:ITR「ITR Market View:メール/Webマーケティング市場2018」「ITR Market View:マーケティング管理市場2017」

主要機能

  • データ統合機能:CRM・店舗データなどさまざまなデータと連携可能
  • ユーザー分析機能:独自のクラスタリングや使いやすいセグメント機能
  • マルチチャネルアクション機能:Web、アプリ、広告、メールなどでマルチチャネルに対応
  • レコメンド・機械学習機能:多様なアルゴリズムや機械学習を標準装備

パーソナライズ施策・DMP活用事例集DL

提供:株式会社ブレインパッド
企画制作:UX MILK編集部