UXデザイナーが成長を続けるための15の習慣

Nick Babich

Babich氏はロシアのセントピーターズバーグ出身のソフトウェアデベロッパー/ブロガーです。彼による他の記事はこちらをご参照ください。

この記事はNick Babichからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

15 Simple Habits That Will Help You Become a Better UX Designer (2018-07-11)

UXデザイナーは、継続的に成長し続ける必要があります。頂点を極めたと考えているデザイナーは1人もいないでしょう。成長には、習慣が役立つかもしれません。

「人は繰り返す生き物である。したがって優秀さとは、行為ではなく、習慣によって手に入れるものだ。」――Aristotle

この記事では、UXデザイナーとして腕を磨くための15の習慣を紹介します。

1. 自身のデザインの目標を設定する

デザインとは学ぶものです。主体的にデザインを練習して習得することでしか、優れたデザイナーにはなれません。このとき、適切な目標を自分で設定し効果的に学習することが大切です。

  • 目標には優先順位をつけましょう。人生の機会と選択は無数にあります。無限の可能性の前では自分を見失いやすいので、達成したいことを明確に思い描いて、行動計画を立てなければいけません。
  • 挑戦しがいのある目標にしましょう。自分で課題を設定することは、時間制限のあるプロジェクトで効率的に仕事をする助けになります。

目標を達成するための4ステップは以下の通りです。

  1. 達成可能な目標にする
  2. 目標ごとに期限を決める
  3. カレンダーアプリに期限のリマインダーを設定する
  4. 目標を達成したら自分にご褒美を与える

2. アクティブリスニングを練習する

デザイナーが成功するために学習は欠かせません。最善の学習方法の1つが聴くことです。聴く行為は「パッシブリスニング」と「アクティブリスニング」の2つに分けられます。パッシブリスニングは、メッセージの受け手に注意深く聴く姿勢がない状態です。パッシブリスニングでは、受け手は社交辞令として聞く振りをしているだけかもしれません。

アクティブリスニングとは、話の内容に深く集中し、理解し、反応し、記憶することが求められる技術です。アクティブリスニングは、コミュニケーションを成立させる重要な要素です。

パッシブリスニング

  • 音だけを聞く
  • 労力をほとんど使わない
  • 最低限のフィードバック
  • 聴くだけで反応しない

アクティブリスニング

  • 聞いたことを理解する
  • 集中力が必要になる
  • メッセージを反芻する
  • 自分が理解していることを強調するために、聞きながら反応をする

以下にアクティブリスニングを上達させるためのいくつかのヒントを記します。

  • 相手に語らせ、自分は話すよりも聞くほうに専念する
  • 相手の質問に質問で返さない
  • 会話を独占しない
  • 相手の話をさえぎらない
  • 自分が興味を持っていることではなく、相手の言いたいことに沿って会話を続ける
  • 相手が話している最中ではなく、話が終わってからどのように反応するかを考える

アクティブリスニングにおける7つの重要なスキル 画像クレジット:ccl

3. ストーリーテリングの技術を高める

デザインプロセスの中でコミュニケーションはもっとも重要な部分です。製品デザインに取り掛かっているときには、デザイン上の決定を周囲になんらかの形で伝える必要があります。

デザイナーを成功に導くのは、見栄えのいい作品を作る能力ではなく、効率的なコミュニケーションをとる能力である。

デザイナーの考えを伝える最善の方法の1つは、ストーリーを使うことです。もっとも優れたデザインは、完成品の背後にあるストーリーを十分に理解しているプロジェクトチームから生まれます。したがってストーリーテリングは、UXデザイナーにとって必須のスキルです。ストーリーを伝えることで、オーディエンスの興味を引ける可能性は高くなるでしょう。

優れたストーリーテリングに役立つヒントは以下の通りです。

  • ブランドストーリーに没入しましょう。デザインする題材のことをよく知らなければ、多くのアイデアや機会を失ってしまいます。制作を始める前から、できるだけ勉強して不足している知識を補いましょう。
  • ストーリーボードを作りましょう。ストーリーボードとは、製品のストーリーを象徴するいくつかの場面を絵に描いたものです。デザイナーが自分たちのアイデアを提示するための強力なツールになります。

ストーリーボードについて詳しくは下記の記事をお読みください:

UXデザインにおけるストーリーボードの役割と活用法

4. 専門用語を使わない

デザイナー以外の人への伝え方はきわめて重要になります。日常的に専門用語を使っているのは良くない習慣です。ほかの人が自分の言っていることを理解していないと、混乱や誤解を招くことになります。さらに、チームメンバーとのコミュニケーションやユーザーとのコミュニケーションに対して、次のような負の影響を与えるでしょう。

  • 専門用語を使うとチームメンバーとのコミュニケーションに問題が生まれます。UXデザイナーが使う専門用語はほとんどの人が使いません。ほかのメンバーはヒューリスティックや認知的負荷という単語を聞いたことがないでしょう。そのため、UXが専門ではない仲間と話すときには、シンプルな言葉を使うようにするべきです。
  • プロダクトのコピーライティングに専門用語を使うと、ユーザーが理解できません。デザイナーは、モックアップやプロトタイプの中で専門用語を使うことがよくあります。もし開発者がそのようなプロトタイプを参考にコピーライティングを実装したら、ユーザーは専門用語だらけのUIに苦しんでしまうでしょう。

わかりやすく正確に情報を伝える

簡単なヒント:「専門用語ビン(jargon jar)」と呼ばれるシンプルな方法が、専門用語問題を解決する助けになるかもしれません。自分の発言した言葉が一緒に働いている人々に伝わっていないと気付くたびに、使った言葉を書き留めてビンに入れましょう。そして定期的にビンの中の言葉を分析してみてください。

専門用語ビン。画像クレジット: buglecreatives

5. 1つのアイデアで満足しない

多くのデザイナーが、最初に頭に浮かんだアイデアだけで満足するという間違いをおかしています。1つしかアイデアを持っていないと、そのアイデアが良いのか悪いのか判断するのは非常に難しいものです。したがって、プロジェクトでは常にいくつかのデザインアイデアを考案しましょう。それによって、良いアイデアと悪いアイデアを比較し、選別することができるでしょう。

6. 完璧主義をやめる

デザイナーに完璧主義者は多いです。完璧な製品を作り上げようと、たくさんの時間と労力を使ってしまいます。その結果、締切が守れない事態が起こるのです。

「完璧なこと」よりも「完成すること」のほうが重要だということを心に留めておいてください。期限に間に合わずに言い訳をするよりも、妥協して期限に間に合うものを提出するべきです。

優れたものを敵視して完璧を目指してはいけない

7. スケッチすることを覚える

完成品のような目に見えるものをできるだけ早く作りたい、と誰もが思うものです。そのため、私たちはペンと紙を使うことを飛ばして、デジタルのプロトタイピングツールから始めてしまう傾向にあります。しかし、デジタルツールはデザイナーのクリエイティビティを制限してしまうことが多いです。UXデザインの基本ルールの1つが、「デジタルツールに向かう前にペンを持て」であるのはそのためです。

アイデアを考えたりデザインをテストするのにペンと紙を使うと、大幅に時間を節約できます。また、コンピューター上の作業に移行してからも、制作を続けるのがとても楽になります。

また、スケッチをすることがベストな解決策となるデザイン上の問題もあります。たとえば、ブレインストーミングでは、平易な言葉を使うよりもスケッチを描くほうがはるかに簡単にアイデアを表現できます。

スケッチに関する実用的なヒントは次の記事を参照してください:
Why Sketching Is an Essential Skill for Every UX Designer and How to Master It | Adobe Blog

8. メモを取る

ペンと紙は常に携帯しましょう。良いアイデアを思いついたら、どのようなときも記憶に頼ってはいけません。人間の記憶は当てにならないものです。記憶の代わりに、さっとメモを取ったり、ノートパソコンに簡単なスケッチを描いたりしましょう。

Moleskineはデザイナーの親友です。画像提供元:dereckjohnson

9. ほかのプロジェクト内容を活用する

これまでにUXプロジェクトをいくつか経験しているなら、恐らくそれらのプロジェクトから多くのインサイトやアイデアを得ているでしょう。それらを活用する機会を逃してはいけません。過去の仕事で得たインサイトを活用できる場面をいくつか紹介します。

  • 新しい問題の解決に使う
  • 興味深いケーススタディでポートフォリオを更新する
  • 自分の経験をデザインコミュニティで共有する(たとえば、経験した問題について記事を書く)

10. できるだけ協力する

チームで仕事をするときには、できるだけ協力しましょう。プロジェクトのあらゆる面で関わりを持ってください。ほかのメンバーがどのようにプロジェクトに貢献しているかを知りましょう。協力することは、UXデザイナーのスキルを高めるとても優れた方法です。加えて、一緒に働くチームメンバーをより理解することもできます。

殻を破ろう

11. ユーザビリティテストに立ち会う

ユーザーを理解することはUXデザイナーの1番の目標です。ユーザーが製品にどのように接しているのかを理解するために、ペルソナと分析データを利用するデザイナーもいます。これらは確かに有用なツールですが、製品に接しているユーザーを実際に観察することに勝る方法はありません。製品を使うユーザーを観察すればするほど、彼らが直面する問題への理解が深まります。

ユーザビリティテストセッション。画像提供元:asinthecity

12. 毎日インスピレーションを得る

デザイナーにはインスピレーションが必要です。インスピレーションを得る方法はたくさんあります。役に立つヒントを2つ紹介しましょう。

  • 仕事とインスピレーションを得る時間のちょうどいいバランスを見つけましょう。80%の時間を仕事に、20%をインスピレーションを得る時間に使うというシンプルなルールに従ってみてください。
  • 自分の役割をUIやUXだけに限定しないようにしましょう。ほかのクリエイティブな活動に参加してください。新しい場所を訪れ、写真を撮り、音楽を聴き、曲を作り、文章の書き方を練習しましょう。

個人的見解:私は広告から多くのインスピレーションが得られると考えています。説得力のあるデザインを作るのに役立つ、アナロジーやメタファーといった技術を広告から学ぶことができます。

環境問題は説明が難しいことがよくあります。しかし、このWWFの広告は、砂漠化問題をたった1つのビジュアルで描写している素晴らしい例です。画像クレジット:Contrapunto BBDO

13. 建設的な批評を歓迎する

デザイナーの多くは、自分の製品が批評されるのを心の中で恐れているものです。多くの時間を投資した製品であれば特に、完璧ではないと言われるのはストレスでしょう。しかし、自分の製品を批判的に見ることはとても重要です。なぜなら、私たちは自分のためではなく、ユーザーのためにデザインしているからです。

自分のエゴは捨てて、自分のした仕事を擁護するのをやめましょう。すべてが上手く進んだときよりも、間違いをおかしたときのほうが多くを学べるものです。フィードバックや建設的な批評を受けるのは楽しいことではありませんが、自分の技術を改善し、優れたデザイナーになる唯一の方法なのです。

「批判は受け入れがたいかもしれないが、必要なものだ。批判は、肉体に対する痛みと同じ役目を果たしている。物事が不健全な状態にあることに注意をうながしているのだ」――Winston Churchill

批評に関するヒントは以下の通りです。

  • 価値ある批評を判別する能力を身に付けましょう。批評の中には、事実や発見ではなく個人的な意見に基づいたものもあります。価値あるものとそうでないものを分けられるようになりましょう。
  • 正直なフィードバックを求めてください。デザイナーの仕事について本当に思っていることを教えてもらいましょう。
  • 定期的にフィードバックをもらいましょう。
  • デザインコミュニティの中だけに留まらないようにしましょう。マーケティング部門など別の部門の人々からも批判を受けてください。

14. ほかのデザインを批評する

ほかの製品デザインに対して批評することは、デザイナーのスキルを高める重要な習慣です。批評は次のようなことに役立ちます。

  • 良い質問ができるようになります。素晴らしい質問をして、ユーザーからインサイトを得て機能的なソリューションを生み出す能力は、デザイナーにとって貴重です。
  • 情報不足な状態でアドバイスすることを避けられます。いつでも自分の意見を擁護できるようにしてください。もし何かをデザインし直すべきだと発言するなら、その指摘を裏付けるデータを準備しましょう。データがなければ、単なる個人的な意見として扱われてしまいます。

15. 休憩する

休みなく働き続けても大きな物事を達成することはできません。実際、過度なストレスを受けると、感情的、肉体的、精神的に燃え尽きてバーンアウト症候群に陥る可能性が高いです。

デザイナーはよく袋小路に入り込んでしまいます。行き詰まったときは、問題に立ち向かおうとしないでください。代わりにコンピューターから離れ、散歩して新鮮な空気を吸いましょう。

もし普段の休息が効果を発揮しないのであれば、しばらくの間クリエイティブワークを止め、広い視野から見つめ直す必要があるかもしれません。デジタルデバイスの電源をすべて落としたうえで、JOMO(Joy of missing out:情報を見逃す喜び)を楽しんでください。

画像提供元: Michael Leunig

結論

生まれつき優れたUXデザイナーはいません。優れたUXデザイナーに育ったのです。これまでにどのような経験を積んできたかに関わらず、私たちは上達する可能性を秘めています。