Webサイトでブランドロイヤリティを築く方法

Les Kollegian

Lesは、サンディエゴにあるWebデザインやブランディング代理店Jacob TylerのCEOです。また、Webサイトデザインやユーザー体験、ブランディング、マーケティング戦略、デジタルマーケティングの専門家でもあります。

この記事はUsabilityGeekからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

How To Create Emotionally Rewarding UX Designs (2018/9/17)

なにがWebサイトデザインを真に効果的なものにするでしょうか? 外観でしょうか、それとも機能でしょうか?

答えは、その両方です。Webページの美しさも機能も、UX全体にとって等しく重要です。実際、ユーザーがWebサイトをどのように感じるかによって、彼らの行動は大きく変わります。顧客がブランドを信頼できると感じ、Webサイトとのインタラクションになにも不満を覚えなければ、買い物などの私たちが期待する行為を達成してくれる可能性は高いでしょう。しかし、もしWebサイトが崩壊していてデザインも魅力的でなければ、ユーザーは不安になって苛立ち、操作を中断してWebサイトを離れてしまうでしょう。

そのため、感情に訴えるデザインがWebサイトの成功の秘訣になるのです。すべてのWebページは、良くも悪くもユーザーの感情的な反応を引き出します。しかし、ユーザーと有意義なつながりを築くためには、ユーザーを楽しませる以上のものが必要です。

ユーザーの感情を動かすデザインの方法に興味がありますか? それでは、そのようなWebサイトを作成する4つの戦略を紹介しましょう。

1. コントラストと楽しさ

Webサイトの見た目は、即座にブランドについて多くの情報を訪問者に伝えます。加えて、訪問者がブランドを判断する時間はとても短いです。消費者の半数近くがブランドの信頼性をWebサイトのデザインのみに基づいて判断しています。さらに訪問者の38%は、レイアウトやデザインが気に入らなければ、早急にWebサイトを離脱するそうです。

ページデザインとフローのわずかな違いがユーザーの行動に対して与える影響に注目することは、きわめて重要です。色やコントラスト、フォント、空白の使い方を変えただけでも、サイトのコンバージョン率やエンゲージメント率に影響する可能性があります。

Mozが実施したUXケーススタディを見てみましょう。MozはWebサイトをデザインし直す際、色の違いがどの程度結果に影響を与えるかを確認するために、A/Bテストを数多く実施しました。その結果、CTAボタンが黄色のときは緑色のときよりも187%もコンバージョンが増加することがわかりました。色の心理学から推測すれば、黄色は目を惹きやすく、幸福と関係している一方で、緑色は黄色よりも安定して穏やかに見えます。そのため黄色いボタンを使ったときに、消費者がクリックする可能性が高くなったのです。

UXによってユーザーの感情を動かす方法を探すときには、色やレイアウトなどのデザイン要素がもたらす心理学的な影響についての調査や論文を勉強するとよいでしょう。そして、自身のサイトでA/Bテストを実施して、機能を色々と試すことで、なにを変えたら肯定的な反応が増えるのかを確かめましょう。

2. パーソナリティとつながり

技術の進歩によってUXは、必要なアシストやインタラクションが少ない自立したものになってきています。一方で、人間味がユーザーにとって非常に重要であることに変わりはありません。Webサイトがブランドパーソナリティを通じて顧客との関係を築いていれば、きわめて収益性の高いロイヤルティが生まれます。

Capgeminiの論文によれば、ブランドと感情的なつながりを持っている顧客の81%は、周囲の人々にそのブランドを推奨し、平均的な消費者よりもお金を費やします。

Customer Thermometerが実施した調査では、消費者が企業と良好な関係を築いていると、唯一無二の存在として大切にされていると感じ、自信を持つことがわかりました。つまり、このような関係は一般的に、顧客がブランドをどのように感じているかによって生まれるのです。

このようなつながりを築くためには、ブランドパーソナリティをデザインで表現する必要があります。ブランドボイスとブランドパーソナリティを決定し、それらをWebサイトのごく小さな要素にまで組み込んでください。たとえば、顧客が望むような接し方ができる会話的なUXデザインにすることで、「人間味のある」サイトに変えることができます。音声によるAIアシスタントやチャットボットは、文字通り会話によってブランドパーソナリティとブランドボイスを示す1つの方法です。つながりを持つための手段がなければ、顧客と関係を築くことはできません。

3. 反応と報酬

犬に骨、子供にキャンディー、顧客に特別割引といったように、報酬があると高いモチベーションが生まれます。事実HelloWorldの調査によると、顧客の64%が報酬プログラムを提供しているブランドから購入する傾向があることがわかりました。しかし、このような顧客の大多数は、自分だけのニーズやウォンツに合わせて報酬がカスタマイズされていることを望んでいます。

素晴らしいことに、パーソナライズされた報酬などの大きな利益が得られるならば、顧客はすすんでパーソナルデータを提供してくれます。実際オンライン消費者の83%が、カスタマイズの目的で使うのであれば、喜んでブランドに個人情報を共有するだろうと認めています。

パーソナライズとは、個々人に合わせて体験を調節し、毎回ユニークで肯定的なインタラクションを生み出すリアクティブデザインの機能です。それぞれのユーザーに合わせた報酬やおすすめなどに利用されます。ユーザー体験をより主体的になものにするためにはインタラクティブなコンテンツを使ってゲーミフィケーションを用いる方法もあります。

4. 利便性と機能性

ローディング速度が遅い、ナビゲーションがわかりにくい、検索機能が役に立たないという3つは、顧客がWebサイトのUXを不満に思う理由のトップ3です。顧客はこれらの要素にとても苛立つので、もし企業がより良いWebサイトを提供すれば、喜んで購買を増やすでしょう。顧客体験に関するPwCの調査報告によると、顧客の大多数は、Webサイトの機能性と利便性を、良好な顧客体験に必要な要素としてだけでなく高い価格に見合う要素としても見なしています。

したがって、デザインの変更や修正が訪問者がどのようにコンテンツと接する効率性に影響するかを、つねに念頭に置かなければなりません。もしWebサイトを閲覧する際に不満を感じたならば、ユーザーはほぼ間違いなくサイトから離脱するでしょう。この問題を解決する最善策は、できる限りシンプルにすることです。すなわち、機能性と利便性においては、検索バーのついた簡潔なナビゲーションタブや見つけやすいCTAが非常に役に立つのです。

モバイルデバイスを使って検索する消費者が増えれば増えるほど、モバイルのUXは欠かせないものになるはずです。デスクトップのレイアウトによっては、サイトデザインを劇的に変更する必要があるかもしれません。モバイル画面でのフローや使いやすさは、デスクトップ画面と同じように見えることよりもはるかに重要です。快適なUXのためには、音声検索のような追加機能が必要になるかもしれません。

まとめ

顧客がWebサイトをどのように感じるかによって、顧客の行動とブランド認識は変化します。デザインを駆使して感情的な反応をコントロールすることで、顧客体験に大きな影響を与えられるでしょう。あらゆる細部のデザインが重要であることを忘れないでください。カラースキームやレイアウトだけでもユーザーのエンゲージメントを左右します。

また、ブランドパーソナリティを体験全体に組み込んで、顧客が感情的なつながりを持てるように徹底してください。インタラクティブなコンテンツやカスタマイズされたおすすめのようなパーソナライズされた体験によって、顧客がユニークで特別な存在だと感じられるようにしましょう。そして、できるだけ購買プロセスをシンプルなものにして顧客の不満をなくすことに集中してください。

簡潔に言えば、バランスが完璧でクリエイティブなUIを使い、見た目も美しいWebページはすぐに肯定的な反応が得られるでしょう。他方で、人間味のない冷たいデザインや、複雑でわかりにくく魅力に欠けるデザインは否定的な感情を呼び起こし、多くの人々を離脱させてしまうでしょう。

真のユーザー中心デザインには、感情と機能の良い塩梅を見つけることが必要になるのです。


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