すべてのマネージャーが理解すべきUXに関する7つの事実

Interaction Design Foundation

Interaction Design Foundationはグローバルにデザインレベルの向上を目指す、デンマーク発の非営利団体です。

この記事はInteraction Design Foundationからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

7 Key UX Topics that Every Manager Should Understand (1970/1/1)

既存ビジネスにUXチームとして新しく加入する人には、いろいろな苦労があるようです。人々は少なくともUXが何の略称か知っていますし、UXが重要である理由も知っているかもしれませんが、良いUX達成のためになにが必要なのかを本当に理解していることは少ないでしょう。

このことは、特に管理部門とUXチームの衝突を生む要因となってしまいます。もしすべてのマネージャーがこれから紹介するUXに関する重要な7つの考えを理解すれば、その衝突は防げるでしょうし、少なくとも和らげることができます。

ユーザーリサーチは絶対必要

プロダクト、カスタマーサービスマーケティング、開発など部署にいる各マネージャーたちは、新しく入ってきたUX担当者がユーザーとの対話について語り始めると恐れのようなものを感じるかもしれません。その結果彼らは、ユーザーや顧客とはいつも対話していると社内ミーティングで反発し始め、ユーザーリサーチなんて必要ないと防衛的な態度を示すでしょう。

この問題を解決するもっとも簡単な方法はおそらく、ユーザーリサーチの目的とその成果の1つであるペルソナについて彼らに説明することでしょう。既存のリサーチ方法ではペルソナを正確に作り出せないことを示しましょう。またユーザーリサーチの利点はユーザーについてより理解を深め、それによってビジネス全体をユーザーの目的に沿ったものにすることだとも伝えてください。ユーザーリサーチによってペルソナの想定がどう改善できるかを示し、皆を徐々に自分の意見に引き込むべきでしょう。

UXは単一のプロセスでは成り立たない

特に大企業はここ2、3年でプロセスをとても重要視するようになりました。LeanやSix Sigma、TQMといった会社が質を重視したマネジメントを始めたことが先駆けとなりました。この風潮が影響し、会社の上役たちはUXチームにプロセスの提示を過剰に求めることがあるようです。彼らはスプレッドシートに載せて毎回のプロジェクトで継続的に評価できるようなアプローチを求めているのです。

あなたはここで、UXのプロセスは柔軟であることをアピールしなければなりません。プロジェクトはそれぞれ独自性があり、その違いを反映した異なるプロセスを毎回開発する必要がある可能性を伝える必要があります。業務ごとにあったツールを選択することはUXチームの仕事の1つです。繰り返してきたプロジェクト向けのものと新プロダクトのためのUXプロセスはまったく異なるUXプロセスを辿るでしょう。

作者/著作権保持者:gdsteam. 著作権条項とライセンス:CC BY 2.0

UIとUXは異なる

UXデザインとは画面やボタン、その他の入力機器についてのみあてはまるものだと多くの人が考えているようです。しかし、良いUXデザイナーは皆口をそろえて言うでしょうが、それはUXデザインの一部でしかないのです。UIは重要ではないという意味ではありません。ここで言いたいのは、UXはUI以外の他の領域にも関わってくるということです。

IoTについてや、あと数年もすれば画面のないプロダクトなども出てくること、そしてUXがどれほどビジネスプロセスやプロダクトプロセスの開発に役立っているのか、またコンテンツにおけるUXとその重要性などについても語りましょう。UXが示す領域の広さとなぜそれが重要なのかを説明しましょう。

ユーザビリティテストは重要

人々は自分の専門領域の仕事に誇りを持つ傾向があります。これはあなたにとっても良いことです。おかげであなたはUXのエキスパートとして雇われたのですから。しかし残念ながら、仕事に対する誇りはあなたの実施するユーザーテストへの抵抗としても現れてしまいます。

エキスパートとしてデザインの仕事をしていれば、それだけで本当に充分なのでしょうか? 自分の取り組みをしっかり分かっていれば、テストは必要ないのでしょうか?

ユーザーテストはプロダクトを確認しこのままで良いのか天秤にかけるためのものです。確かにあなたはエキスパートですが、それでもミスすることはあります。もしコカ・コーラ社が数歩立ち止まって顧客のためにチェックをすることを怠らなければ、新しいコーラがあまり良い案ではないかもしれないと気づいたでしょう。投資するだけの価値が開発するプロダクトにあるかを決断できるのは、ユーザビリティテストのおかげなのです。

作者/著作権保持者:Jami (Wiki Ed). 著作権条項とライセンス:CC BY-SA 4.0

ユーザビリティとUXも異なる

ユーザビリティをUXと混同している人も多いです。たしかにユーザビリティはUXの重要な一部ですが、UXそのものではありません。

Sinclair C5やBetamax videoのような、ユーザビリティがプロダクトの最終的な完成度に影響していない例を考えると分かりやすいかもしれません。プロダクトが使いやすいからといって、それが売れるとは限りません。そのプロダクトの提供する体験が重要になるのです。

UXの取り組みには時間がかかる

なぜUXの取り組みはそんなに時間がかかるのでしょうか? リリース時点ではプロダクトは完璧な状態ではないとはどういうことでしょう? ビジネス視点で見てUXへの投資は良いことですが、人々は投資後すぐに結果が出ると勘違いしがちです。UXのプロが知っていても、経営陣はわかっていないのです。

彼らに理解してもらうためには、UXのプロセスを詳細に説明すると良いでしょう。初期の洞察段階では、最高のユーザー体験を作り出すためのプロダクトの洗練に時間がかかること、さらにはプロトタイプやワイヤーフレーム、テスト等まで必要になることを伝えてください。たとえリリース段階で素晴らしいUXが構築されていても、長い目で見ればどんな体験も改善の余地があることを理解してもらってください。多くのビジネスでも同じような繰り返しがあるのですから、彼らの説得はそんなに大変ではないはずです。

UXは皆で作り上げるもの

人件費を低く見積もるべきではありません。マネージャーはUXチームの人員募集時は、エスノグラファーやUXリサーチャー、UXデザイナーやユーザビリティエンジニア等の役割をすべて1人にやらせようとする傾向があります。

マルチスキルを持つUXのプロ人材はほとんど存在しないことを説明する必要があります。たとえそのような卓越した人材がいたとしても、1人の人間ができる仕事量は限られていることも理解してもらうべきです。たとえ安上がりだとしても、UXは通常1人でやる仕事ではありません。

まとめ

ここで紹介した7つの考え方は、UXチームを通してできること、できないことをマネージャーが理解する手助けになるでしょう。マネージャーはあなたの敵ではありません。まだUXについてよく知らないだけなのです。彼らにUXについて教えるのもあなたの仕事のひとつです。