ARにおけるUXデザインの参考になる6つのコンセプト

Nick Babich

Nickはロシアのセントピーターズバーグ出身のソフトウェアデベロッパー/ブロガーです。彼による他の記事はこちらをご参照ください。

この記事はUX Planetからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

6 Interesting Concepts for AR Experiences

AR(拡張現実)は、テキストやグラフィックオブジェクトがリアルタイムに現実世界を補完する技術です。

この記事では、AR体験を用いた革新的かつ参考になる事例を紹介していきます。これから紹介するすべてのコンセプトには、あることが共通しています。それは日常的な操作を単純にするか、まったく新しい体験を構築することで、ユーザーに真の価値を提供していることです。

※ARメガネはAR技術の未来を担うとは思いますが、この記事ではMAR(モバイルAR)とARメガネのコンセプトの両方を探求したいと考えています。

1. 空港内や機内での体験を再考する

フライト前

「手荷物許容量はいくつですか?」という質問は、旅行者がもっとも頻繁に尋ねるものの1つです。

次のARアプリのコンセプトを使えば、簡単に手荷物を測定することができ、気まずい瞬間を避けることができます。

画像:Lukáš Straňák

飛行中

エアバスifly A380が使っているARの機内体験のコンセプトがあれば、自分の座席を簡単に見つけることができます。また、現在飛んでいる場所を確認することも可能です。

注:この記事のほかのコンセプトとは異なり、エアバスifly A380は、ダウンロードして試してみることができる実際のアプリです。

クレジット:Gleb Kuznetsov

着陸後

飛行機がちょうど新しい国に到着しました。飛行機の外に出ましたが、それからどこに行くべきかわかりません。このような状況に陥ったことがあるでしょう。

次のコンセプトを使えば、ARマップによってこの問題が解決できるかもしれません。アプリを用いれば、タクシー乗り場やバス停に見つけることができ、歩きながら便利な情報が手に入ります。

クレジット:Adrian Reznicek

2. ARによるショッピング体験

ECは巨大な市場です。2018年には、世界中で推定17億9000万人がオンラインで商品を購入しており、ホリデーシーズンの購買のほぼ40%がスマートフォンで行われました。したがって、モバイルユーザーにとって優れたショッピング体験を作り上げることはきわめて重要です。

Shazamのようなアイテムの検索

私たちは音楽を聴いていてアーティストが誰なのか気になると、その曲を特定するアプリ『Shazam』を使います。同じように、気に入った製品を見ると、誰がそれを造ったのか知りたいと思うでしょう。メーカーがどこであるかを知っていたとしても、アイテムを検索する必要を感じます。

時代遅れのつまらない検索ボックスを使用してアイテムを検索する代わりに、デバイスのカメラを利用することで、ショッピング体験をより楽にすることができます。以下では、カメラから画像を瞬時にスキャンしてアイテムを検索するARアプリのコンセプトを見ることができます。

クレジット:Johny vino™

バーチャル試着体験

魅力的な製品を見つけたとき、ほとんどの人はそれを試してみたいと思うでしょう。服やファッション製品(メガネなど)においては、アイテムが似合っているかどうか知ることが特に重要です。

イメージ:Aleksei Kipin

オンラインユーザーだけでなく、小売店においても試着体験を利用することができます。このソリューションには2つの利点があります。

  • ユーザーは、製品を試すためにアプリをインストールする必要がありません。
  • ARを使用することで、試着室でアイテムを試す時間を大幅に減らすことができます。店にある鏡の前にやって来て、さまざまなルックを鑑賞するだけで済むからです。

Timberlandの店舗にあるARミラー 画像:lemonorange

また、バーチャルの試着は美容業界にとっても素晴らしいコンセプトです。MAC Cosmeticsは最近、メイクを真似できるARミラーを店内に導入しました。ユーザーはただ店内のミラーの前に来るだけで、MAC Cosmeticsを用いたさまざまなルックスを試すことができます。

イメージ: Digitaltrends

3. より良い教育システム

私たちを取り巻く環境には、教育の機会が無数に存在します。ここでは、学習のプロセスをどのように改善できるのかについて、いくつかの事例を示します。

解剖学を学ぶ

人間解剖学を本で学ぶことは非常に退屈です。写真を見て、それらが現実にどのように反映されているかを想像しなければなりません。ARを使ってよりよい体験を創り出せます。

次の画像は、Anatomicと呼ばれるコンセプトです。Anatomicを使用すると、スマートフォンで自分や友人をスキャンし、人間解剖学について学習することができます。

クレジット:Maciej Dyjak

紙のマニュアルを取り除く

製品を使用する前にマニュアルを読むのが好きな人はいません。ユーザーはわざわざ使用方法を学ぶのに製品を買ったわけではないので、できるだけ短い時間でタスクを完了したいと思っています。

ARを用いれば、現実の環境にインタラクティブなガイドを提供することができます。ARは、初めてデバイスを操作する方法を顧客に教えるのに役立つのです。

画像:Andrej Roman

4. ARレンズを使った写真撮影

写真を撮ることは、モバイルユーザーにとってもっとも一般的な行為の1つです。ユーザーがモバイルデバイスからARメガネに切り替えると、写真を撮るプロセスも進化します。ARアプリはおそらく、手のジェスチャーと一緒にアイトラッキングを使用するでしょう。

クレジット:Aurélien Salomon

5. 顔認識によるソーシャル体験の向上

顔認識技術は、セキュリティやヘルスケア、エンターテイメントといった多様な目的のもと、さまざまな業界で幅広く使用されています。今でも多くの人がスマホのロック解除などで日常的に顔認識を使用しています。

しかし、顔認識をARと共に使用すれば、まったく異なる次元のモバイルアプリを作成できます。たとえば、ARとAIを一緒に使用して、カメラでとった顔の画像を実際の人物に関する情報と一致させることができるでしょう。

この技術がユーザーにもたらすメリットについて、いくつかのアイデアを紹介します。

適切な人を簡単に識別する

巨大なスポーツイベントに参加することを想像してみてください。あなたは主催者に会いたいのですが、どうすれば200人の中から彼女を見つけることができるでしょうか? 彼女がこの場所で少し異なって見えるとしたら、ARはとても役に立ちます。スマートフォンのカメラを向けて、彼女の名前を見つけましょう。

クレジット:Aurélien Salomon

あなたの顔そのものがソーシャルアカウント

あなたの顔がプロフィールになるまったく新しい次元のソーシャルネットワークを生み出すことができるでしょう。ユーザーは自分の顔をスキャンし、そこに個人情報を追加できます。

注:顔認識機能によって、間違いなくいくつかのプライバシーの懸念が生まれます。「顔認識の使用は、プライバシーの侵害になるのか?」という疑問の答えは、まだ模索中です。

6. フェイストラッキングを使用した高度なパーソナライズ

過去の行動だけでなく、現在の気分に基づいてユーザーに提供するコンテンツをカスタマイズできるとしたらどうでしょうか? つまり、感情を読み取るアプリのことです。たとえば、ニュースアプリでは、記事を読む際のユーザーの表情を記録しながら、好きなものと好きでないものを理解し、よりパーソナライズされたコンテンツを配信できるでしょう。

モバイルアプリでのフェイストラッキングと表情分析 画像ソース:Facebook(FacioMetrics)

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ARデザイナーと開発者に役立つリソース

この記事ではARの分野を探求したい人に役立つリソースのコレクションを作成しました。こちらのURLで定期的に更新します。


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