よりよいUXのためにユーザーデータをどう使うべきか

Paul Andrew

PaulはSpeckyboy Design Magazineの創設者であり編集者です。Webデザイン業界で長年の経験があり、最新のWeb技術やデザインのトレンドに情熱を注いでいます。

この記事はSpeckyboy Design Magazineからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Leveraging User Data for Improved UX

データは今やあらゆる企業にとってもっとも貴重なリソースの1つであり、その価値は当分低下することはないでしょう。データは顧客基盤と有意義に結びつき、魅力的な方法で新規顧客にリーチしたいと考える企業にとって非常に重要です。

顧客基盤を拡大する最善の方法の1つは、ユーザー体験に焦点を当てることです。

最適なUXを作り出すプロセスは企業ごとに異なりますが、あらゆる企業がUXの改善に使用できるもっとも重要なツールの1つがデータです。「ビッグデータ」とは、マーケティング業界でよく使われる用語で、企業が収集する計り知れない量の消費者やオンラインユーザーのデータを表します。現代のビジネスはイノベーションとスピードを糧にしており、顧客を理解することは、関連性と収益性をより長く維持する最善の方法の1つです。

データの収集は重要ですが、集めたデータをどのように利用するかも重要です。それぞれの企業は、この豊富な情報を最大限に活用するために、データ照合ツールや分析ツールに投資する必要があります。ユーザーデータを分析することで、ユーザーがWebサイトにとどまる時間や、ユーザーが注文を確定する前にショッピングカートを離れる状態、もっとも注目を集めているページといった情報を知ることができるでしょう。

データ分析を活用してWebサイトでより良いUXを構築することが重要です。これにはいくつかの方法が考えられます。

データによって消費者の姿を明確にする

データに裏付いたUXを目指そうとするなら、最適な出発点の1つはターゲットとなる顧客のプロフィールです。顧客を重視する企業のほとんどは顧客のプロフィールを持っており、プロフィールは企業に興味を持つだろう顧客の種類を代表します。

マーケターとアナリストはこれらのプロフィールを利用して、プロダクトやサービスに価値を見出す可能性がもっとも高い顧客に対する最適な方法を判断します。データを使えば、顧客の行動や変化するトレンドに応じて、さらに詳細なプロフィールを作成することができるでしょう。

ECサイトやソーシャルメディアページといったWebベースのコンテンツから収集されたデータを見れば、顧客や潜在顧客がブランドとどのようにやりとりするのかについて広い視野を得られます。全体像を把握することも確かに重要ですが、顧客のプロフィールを形作るのに役立つ特定のパターンを収集する方法を、チーム全体が把握することも重要です。それによって、顧客やサイトユーザーを明確に定義されたグループに分類できるでしょう。

これらを達成したら、次のいくつかの質問に対してデータが答えられるか確認してみましょう。

ユーザーグループは特定のプロダクトやサービスをどのように認識しているか?

さまざまな顧客がどのようにサイトの特定の領域を操作し、どのプロダクトやサービスを購入するか調べることで、興味がないと思われる顧客にリーチする最適な方法を判断することができます。すべてのプロダクトがすべての潜在顧客を惹きつけるわけではありませんが、見込み顧客の注意を引くためにアプローチを調整することで、より多くの関心を集められるでしょう。

訪問者にもっとも価値があると見なされているプロダクトはどれか?

顧客からのプロダクトレビューといったフィードバックはきわめて重要です。一般的に消費者は、商品についての感想を企業に直接伝える際、手加減をしません。新しいプロダクトを公開したあとに活発になるソーシャルメディアの活動からは、ユーザーがプロダクトについて話している場所や、プロダクトについての感想、必要な改善点といった情報が得られます。

プロダクトやサービスは、どのように顧客が抱える問題を解決できるか?

現在のマーケットでは、ピンポイントに焦点を絞り込むことが必要です。顧客は、正確に問題点やペインポイントを把握しており、それらに対して非常に具体的で効果的なソリューションを求めています。収集したデータから、どのような顧客がブランドに対してもっとも価値を感じているのか、彼らの生活にどのように即すと感じているのか示されるでしょう。

どこを改善する必要があるか?

あるサイトの部分でトラフィックが非常に少なかったり、最近のブログ投稿に普段よりも多くの否定的なフィードバックが集まっていたりしませんか?  ユーザーのトラフィックは、何が注目を集めていて、どのような反応を引き起こしているのか示します。もちろん肯定的な反応を生み出しプロダクトに良い評価を集めたいと願うのは当然ですが、何らかの問題がある場合は、同じ間違いを2度繰り返さないよう、データによって原因を知る必要があります。

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より正確な顧客のプロフィールとユーザーグループを作成する際には、ユーザーにこれらの質問を直接聞くこともできるでしょう。UXに関連した質問をする機会をプロモーションの過程に挿入することで、思いもよらない利益を生み出せるかもしれません。サイトの訪問者にユーザー体験について簡単なアンケートに答えてもらったら、次回の買い物で利用できるクーポンを提供したり、ソーシャルメディアで同様のアンケートを実施したりしてください。

リサーチは、オンラインでのプレゼンスがもっとも機能すべき場所を見つけ出す最善の方法の1つです。企業と顧客双方にとってのペインポイントを見つけたら、より良いUXを目指して、重要で意味のある変更を加えるべきでしょう。

デザインとデータを融合させる

Webデザイナーとデータアナリストは企業内の同じ部署で働いているかもしれませんが、サイト構築に対する姿勢はまったく異なります。デザインは基本的に視覚的な魅力と心理学に注目しますが、データサイエンスは定量分析とエンジニアリングに基づいています。

優れた細かい定量データは視覚的な魅力に乏しい一方で、直感的に機能し、視覚的に美しいインターフェイスはデータを効果的に伝えないものです。

しかし、データ中心のアプリは、直感的に操作でき、同時に視覚的に魅力的である必要があります。かつてWebページはほとんど静的で、インタラクティブな手段はほとんどありませんでしたが、現在ではこれは正確ではありません。ユーザーはWebページでのオンライン体験をより精密に制御しているため、UXデザイナーはこれらの体験をより有意義で魅力的にする上で、大きな役割を果たします。

データサイエンティストとアナリストは、データから現れるパターンをチーム全体が理解する手助けをします。またUXデザイナーは、その情報を取得し、UXを強化するツールとして使用する必要があります。データサイエンティストが視覚的に直感的な方法でデータを提示することに重点をおくと、データをデザイン要素として活用しやすくなります。

データドリブンなUXのために

UXに影響するデータのパターンと要素を見つけたら、よりユーザーを中心としたデータドリブンなUXを作成し、有意義なブランドとのインタラクションを作ることができます。

ユーザーはサイトでどのように行動するのか、なぜ行動するのかを示す定性データは、定量データの背後にある動機を明らかにします。ユーザーは誰なのか、どのような問題を抱えているのか、もっともアクティブになるのはいつか、どこで問題に対する解答を探すのかなどが示されるでしょう。

収集したデータは、より詳細な顧客のプロフィールを形成し、ユーザーの行動をより明確に示します。このデータを確実に入手し、それらがユーザーにどのように影響するかを理解したら、より魅力的で洗練されたUXを作成するまでの実用的なプランを練ることができるでしょう。

データドリブンなデザインは継続的なプロセスです。組織が進化し、顧客基盤が拡大するにつれて、ユーザーを夢中にさせるために使用する方法も変更する必要があります。


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