ユーザーリサーチをスムーズに導入するための3つのステップ

Jonathan Deesing

JonathanはCventのUXライター、ポッドキャスター、ゲームデザイナーです。ゲーム業界で10年のキャリアがあり、UIに情熱を持っています。

この記事はThe UX Boothからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

User Research May Be the Most Important Role in Your Company

数週間前、新しい機能をデザインしているときに、あるボタンのテキストについてチームで議論が起こりました。デザイナーやライター、プロダクトマネージャーが全員集まり、2つの選択肢まで絞り込みました。それでも議論は白熱し、最終的に1人のメンバーがユーザーリサーチチームに問い合わせることを提案しました。

数名のユーザーを対象に両方の選択肢をテストした結果、どちらのボタンもユーザーが明確に理解できないとユーザーリサーチチームは判定を下しました。これがチームで合意が得られなかった理由のようです。そこで、ユーザーが何を求めているのか明確に理解し、ボードを描く作業に戻りました。

ユーザーリサーチを実施せずに作られたユーザー体験は、基本的に知識に基づいた憶測でしかありません。自社のプロダクトで直接ユーザーリサーチを実施しないと、UX開発者やデザイナー、ライターは業界標準とベストプラクティスに基づいた決断しか下せず、直接ユーザーに焦点を合わせていないユーザー体験しか作れないでしょう。実際、ユーザー体験を重視する企業では、ユーザーリサーチがもっとも重要な役割を担うことがあります。

過小評価されているユーザーリサーチ

ユーザーリサーチは、可能な限りUXにおける主要な意思決定の基盤になる必要があります。というのも、それによって自信を持って意思決定を下せるようになるからです。アンケートにしろ、サーベイにしろ、ユーザーインタビューにしろ、ユーザーリサーチはステークホルダーがユーザーを理解し、構築しているプロダクトや機能がユーザーの期待に沿っていることを確認するのに役立ちます。

CventのシニアユーザーリサーチャーであるAshley Sewall氏は次のように述べています。

デザイナーやプロダクトマネージャー、開発者は、リスクを減らす決断を下すのに十分な情報を持っているべきです。

ここでのリスクには、難解なワークフローから、誰も望んでいないし必要としていない機能まで、すべてが含まれます。ユーザーリサーチが行われないと、製品チームは闇雲に作業を進めることになり、ユーザーに対する適切かどうかわからない推測をしなければなりません。週40時間以上をプロダクトに費やすチームが、新しい機能を見直すことで社内の先入観を完全に取り除くことは不可能です。結果的にチームはUXの問題を初期の段階で防止できず、問題が発生してから修正することになります。

ユーザーリサーチを実行すれば、ステークホルダーは実際のユーザーデータを使用して意思決定を検証し、確認することができます。たとえばプロダクトマネージャーは機能に特定の用語を使用することに抵抗があるかもしれません。しかし、その用語のほうがユーザーに好まれる具体例をUXライターが提供できれば、ライターもプロダクトマネージャーもその意思決定に合意できるはずです。さらに、UXライターは、次に似たような用語や機能が必要になった際、その調査結果を参照することもできます。

ユーザーリサーチは怖くない

ユーザーリサーチのほとんどの利点は簡単に理解できますが、ユーザーリサーチに関連のない人々にとって、ユーザーリサーチは未知のものに見えます。追加費用がかかり、開発のタイムラインが遅れ、ミステリアスで定義できない価値を提供する部署のように感じられるでしょう。 組織にユーザーリサーチを実装しようとする人にとって、これらの誤解は不満を引き起こす要因にもなり得ます。

Sewall氏は、「これは私がよく聞くリサーチを実施する際の典型的な障壁で、リサーチの重要性を無効にしてしまいます。しかし、ユーザーリサーチは本当に素早く実施できます」と述べています。

この障壁は次のように戦略的に進めることで回避できると彼は強調しています。

1. 開発サイクルの初期段階でデザイナーとすり合わせる

デザインや開発が本格的に始まってからデザインを変更するより、初期段階で変更したほうがはるかに簡単です。つまり、プロジェクトの早期にユーザーリサーチを実施すればするほど、開発サイクルに時間を追加することを好まないステークホルダーの懸念を減少させられるでしょう。

2. 時間を効率良く使い、支出に見合った価値を生み出すプロジェクトを優先する

ユーザーリサーチのリソースが豊富な企業でさえ、プロダクトに取り入れるすべてを完璧に調査し、テストすることはできません。5人にテストする余裕しかないなら、5人だけにテストしましょう。すべての機能をテストするのではなく、潜在的な問題がある領域を特定し、それらのみをテストしてください。 範囲とサンプルサイズを狭めることで、コストと時間を削減しながらリサーチを強化できます。

もし小さいチームでリサーチが小規模になってしまったとしても、何もしないよりは何かやったほうがいいに決まっています。完璧を望んで足踏みするよりも、とにかくデータを取得することが肝心です。

3. ユーザーリサーチの価値を伝える

良いユーザーリサーチが実施できたのなら、恐れず人々に知らせましょう。特に調査がほかのチームの仕事を邪魔しないと確証できるなら、優れた調査結果はユーザーリサーチの必要性を永続させ、強調することができます。

ユーザーリサーチを実施するのがユーザーリサーチャーである必要はありません。組織でユーザーリサーチの必要性を認めたら、どんな立場であれ、自分で実行してみましょう。ユーザーリサーチは必要に応じて分割し素早くすることができます。Fiverr(フリーランス向けのオンラインマーケット)やCraigslist(米国の老舗掲示板サイト)のようなサイトは、安価に素早く導入できる優れたリソースです。多くの人々が5ドルの対価でGoogleの短いアンケートに回答しています。したがって、特定の機能やワークフロー、ボタンに関する質問をLinkedInに投稿するだけでも、以前より多くのユーザーデータを得られるため、リサーチとして成立します。方法論について妥協する必要があるかもしれませんが、それによってリサーチの価値は否定されません。ゲリラテストですらテストです。

Sewall氏は「ユーザーを知り理解するのは共同責任だ」と主張しています。すべてのステークホルダーはユーザーリサーチを実施するか、少なくともユーザーリサーチを支援する姿勢をとるべきです。ユーザーリサーチの価値と必要性を伝えることは、作業に関わるすべてのチームに有益です。特に、UXの課題をあとから再検討し、修正する手間を軽減するのに役立つでしょう。ユーザーリサーチを宣伝する身として、関わるすべての人がユーザーリサーチに従事することは、ビジネスの成功に不可欠だと私は主張します。

ユーザーリサーチは優れたユーザー体験の基盤になる

ユーザーを調査しテストするプロセスは飛ばされがちです。Sewall氏は「製品にはデザインと構築が不可欠ですが、リサーチは必ずしも必要とされない」と警告しています。しかし、ユーザーのニーズと目的を正しく理解しなければ、プロダクトや機能を構築することはできません。ユーザーがどのように行動し、どのような課題を達成する必要があるのか理解すれば、デザイナーはソリューションを作り出すことができます。

ユーザーをリサーチし、デザインをテストすることで、肯定的なユーザー体験を作り出すダイアログを構築し、企業の時間や費用を節約することができるでしょう。


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