SEOのトレンドから見る検索ユーザビリティの変化

Jenna Erickson

Jenna Erickson氏はCodalのマーケティングマネージャ、ブロガー。テクノロジースタートアップに大きな関心を持つ。テクノロジーの世界に情熱を持ち、その世界をさらに豊かにするべく努力している。

この記事はUsabilityGeekからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

A New Age Of SEO And Usability

トップ画像: Depositphotos

検索エンジンのアルゴリズムは数日ごとの頻度で更新され、マーケターは新しいSEOガイドラインを作成してそれに対応しています。技術が進歩し続けるにつれて、SEO戦略をより迅速に適応させる必要があるからです。企業は、GoogleのWebクローラーの気まぐれに振り回されるのではなく、将来性のあるSEOユーザビリティ戦略を始める必要があります。

まずは、普遍的なSEOの原則を確認してみましょう。検索エンジンによるランキングの柱となる原則は以下の通りです。

  • 「クローラビリティ」 検索エンジンにとってコンテンツがどれくらい見つけやすいか
  • 「Webサイトの構造」 検索エンジンがWebコンテンツをどのように優先順位づけしているか
  • 「キーワード」 なにについてのコンテンツなのか
  • 「被リンク」 検索エンジンがどうやって信頼できる情報を提供しているかどうかを判断しているか

Googleが何度アルゴリズムを改良しようとも、どれだけ多くの人がモバイル環境だけで閲覧しようとも、どれだけ多くの新しい音声ベースのUIが日常生活に浸透し始めたとしても、この柱は変わりません。SEO戦略の安定した基盤が確認できたところで、ここからはSEO戦略に影響を与える近年のトレンドをみていきましょう。

GoogleによるSEOのためのモバイルアルゴリズム

周知のように、モバイルによる閲覧は年々着実に増加してます。2018年でみるとインターネット閲覧全体の52%を占めています。

全世界で2009年から2018年の期間にモバイルで閲覧されたWebページの割合(画像提供:Statista)

2018年3月Googleは、Webサイトの検索ランキングの評価要素の1つとして、モバイルへのレスポンシブ対応の評価を正式に導入しました。Googleはモバイル用のサイトを評価する2つめのアルゴリズムを導入したのではなく、Googleの主要ユーザーに役立つよう、すべてのWebサイトの指標にモバイルアクセスに基づく評価が織り込まれるようにしました。

もし、あなたのWebサイトがモバイル機器向けに最適化されなければ、本当に遅れをとることになります。売上や顧客とのコミュニケーションを逃すだけでなく、モバイルのユーザビリティが一定の水準に達していなければ、ユーザーがあなたのサイトを見つけることすらできなくなるということです。

アップデートされたGoogleのアルゴリズムが意味するもの

アップデートされたアルゴリズムによって、あなたのWebサイトがさまざまなスクリーンサイズ、デバイス、ビューポートで一定のユーザー体験を提供していない場合、Googleのランキングでペナルティを受け、新規ユーザーがあなたのWebサイトを見つけにくくなる可能性があります。

神秘に包まれたGoogleのすべてのアルゴリズムと同様に、SEOの要素の1つとなるWebサイトのレスポンシブ対応度の正確な計算方法についてもGoogleは開示していません。ですが、モバイルフレンドリーサイトの作成ガイドモバイルでの表示速度をテストするツールモバイルフレンドリーかどうかを評価するテストを提供しています。

これらのテストに合格し、Googleのガイドにあるチェックボックスをクリアすれば、あなたのWebサイトはGoogleのランキングで高い評価を獲得できる状態になるはずです。

音声UIの広がり

音声ベースのUI(VUI)が広がりをみせ、特に2011年のSiri登場以降、年々人々の関心を集めてきています。

Googleによると、音声作動式デバイスを持っている人のうち72%が、日常生活の一部となっていると答えているそうです。また52%の人が音声作動式デバイスを家の中心的な場所であるリビングルームに置いて、皆が使えるようにしているとのことです。

Amazon Alexa(画像提供:Rahul Chakraborty via Unsplash

音声UIは「今日のシカゴの天気は?」や「ロンドンはいま何時?」といったさまざまな質問をするのに広く使われています。さらに近年では、この新しい技術の便利さが支持されて、人々の検索行動にも大きな影響を与えています。

VUIによってSEO戦略はどう変わるか

音声ベースの検索が増加するに伴い、UXデザイナーは新たにVUIについても考慮に入れる必要があります。そしてデジタルマーケターは、たとえばAlexa、Google Home、Siriといったさまざまなデバイスで効果的になるよう検索戦略を最適化する必要があります。

Alexaなどが本当に適切な情報を見つけられるようになれば、VUIデバイスは検索に関して最高のユーザビリティを発揮するでしょう。音声検索を利用する顧客はより直接的な回答を求めています。つまり、ビジネスに関する情報をすべて最新の状態に保つ必要があり、サイトのコンテンツは正確でかつ会話での質問に対して直接的な回答を有する必要があるのです。

検索エンジンがキーワードをすばやくスキャンし、もっとも正確でかつ容易に見つけられる回答を表示できるよう、コンテンツは音声検索によって問い合わせされたロングテールキーワードとマッチしなければなりません。

これをWebサイトに組み込む簡単な方法の1つとして、WebサイトまたはアプリケーションにFAQセクションを設けることが挙げられます。こうすることで、自然な形で「直接的な回答」をコンテンツに追加できるでしょう。

さらに、SiriとAlexaは検索エンジンとしてGoogleではなくBingを利用しています。BingとGoogleではアルゴリズムが異なるので、SEO戦略を立てるのであれば両方を考慮する必要があります。

まとめ

検索エンジンの最適化は簡単ではありません。Googleの検索ランキングで良い順位つくための秘訣もありません。あなたが実行する戦略とベストプラクティスの積み重ねによってのみ、検索順位が上がり、うまくいけば検索結果の最初のページで表示されるようになるのです。

こうしたトレンドの変化は、新たな悩みの種、解決すべき難題のように思われるかもしれません。しかし、この変化をフルに活用できるチャンスでもあります。新しいルールとは、より公平な競争条件であるという意味であり、このようなトレンドの変化にいち早く適応できる企業が競争において即座に優位に立てるのです。


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