アプリ内検索で参考にしたい3つの海外アプリ

Connor Iny

ConnorはAppseeのインバウンド・マーケティングチームの一員として活躍しています。

この記事はUsabilityGeekからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

3 Apps With Great Search UX: Here Is What You Can Learn From Them

アプリやその機能をどう操作するのか迷ったのはいつが最後か覚えていますか? 毎日使うような人気アプリは、ユーザーに不備を感じさせず、直感的で最適化されたUXを提供していて、その事実すら私たちに感じさせません。ユーザー体験が自然な流れに溶けこんでいて、これこそがユーザーが毎日そのアプリを利用してしまうポイントのひとつでしょう。

たとえば、アプリ内検索機能のようなアプリのもっとも重要な機能が最適化されていないとなにが起きるでしょうか? いくつか例をあげるとすれば、離脱率の上昇はもちろんのこと、コンバージョン率、リテンション率、エンゲージメント率の低下につながります。大したことないとは言えませんよね?

ネガティブな面を強調しましたが、アプリ内検索のUXを素晴らしく最適化したアプリがありますので、その代表的なアプリの発想からヒントを得ましょう。

本記事では、飛びぬけて優れた検索UXを提供する3つのアプリを厳選して紹介します。

アプリ内検索の体験をどのように構築しているか参考にし、そのスムーズなユーザビリティを自身のアプリにも取り入れましょう。

. Momondo

アンドロイドでMomondo Travelアプリを使用してみると、最初に検索画面が輝かしく表示されます。どのトラベルアプリにおいても、検索機能は購入プロセスの大部分を占めており、ユーザーが探している情報へ導く案内役として活躍します。

Momondoのアプリ内検索に関するUXの優れたポイントは以下です。

  • 巧妙にデザインされた検索ボタンが目を惹きます。ほかのデザイン要素よりも大きく、目立つ色をしており、ボタンの周りに柔らかな輝きを放つ光彩効果を施しています。残りの検索項目を埋めて、はやくこの検索ボタンをタップしたくなります。
  • 正確で効率的な検索機能は素晴らしいです。「From(出発地)」セクションをタップすると、現在地をもとに「近くの空港」を表示するというオプションが選べます。場所を自分で入力する場合は、文字を入力すると予測される出発地の候補が素早く的確に表示されます。「To(到着地)」セクションをタップすると、入力する前に、「どこに行くか迷っていますか? 目的地を選ばずにフライト検索」と地球のアイコンが表示されます。見事なマイクロインタラクションと言えるでしょう!
  • 最近のアプリではスワイプジェスチャーを画面の移動の主流な方法としているため、どのアプリを使っても、スワイプせずにはいられません。スワイプしても反応しないと、イライラが募り、残りのUXに対してもいい印象を覚えません。幸いにも、このアプリは違います。スワイプも非常に直感的であり、左右どちらにスワイプしたときにでも出るスライドアニメーションの演出は高い満足度を与えます。このスワイプ動作が「航空券」の検索セクションから「ホテル」セクションへとスムーズに導くのです。

Momondoアプリ(画像提供:Airtheworld

. Farfetch:デザイナーブランドのショッピング

トラベルアプリのように、ショッピングやECアプリも検索の機能性と正確性が重要になります。ユーザーに欲しいものを探し出してもらい(目的もなく買いものをしている場合も)、購入につなぎたいのなら、ショッピングアプリの検索体験をより最適化するべきでしょう。

Farfetchアプリ(iOS)を使用してすぐに気づいたことは、検索機能の詰め込まれたデザインです。通常、私は「詰め込み」という言葉をいい意味では使いませんが、中には複雑さを好む傾向にあるデザイナーもいて、1つの画面上にできるだけたくさんの機能を埋め込みます。

私は通常、ミニマルなアプローチを好みますが、Farfetchの検索画面にはファンにならずにいられません。以下がその理由です。

  • Farfetchの検索画面は目を惹く流行りのデザインが施され、ユーザーにマッチしたオススメ商品をたくさん提示しています。そのため、ユーザーは検索する前に関連した商品にすぐにアクセスできます。結局、人間は視覚的な情報に弱く、Farfetchのデザイナーはその事実を明瞭に活用しています。検索からのコンバージョン率の高さが目に見えてわかるUIです。
  • 検索画面のセクションの分け方に好印象を覚えます。一般的な検索バーを上部に配置し、その下の「お客様への新着アイテム」では、ユーザーに関連性のある新着アイテムを1つ表示しています。そして、画面の下部を「お客様へのおすすめ」セクションが占めます。「厳選された」オススメアイテムがたくさん表示されており、シングルタップでそのアイテムのページにアクセスできます。まさに、究極のパーソナライズアプリでしょう。

AppStoreのプレビューページに表示されるスクリーンショット(画像提供: iTunes

. Google マップ

検索機能の最大手は、もちろん優れた検索UXを提供しているだろう」と思っている方も、きっといるでしょう。その通りです。大手企業を引き合いに出してフェアじゃないと思われるかもしれませんが、Android、iOSどちらにおいてもGoogle マップのアプリは素晴らしいとしか言いようがありません。

  • 1つめは、画面の最上部にフローティング検索バーが配置されており、どのようにインタラクションするかに関係なく、検索や地図上を調べ終わるまでずっと表示され続けていることです。
  • 次に、画面の下部分から「隠された世界」へと案内する機能です。下にあるバーを上にスワイプすると、周辺のスポット、車、公共交通機関タブが姿を現します。もういちど上にスワイプすると、さらに機能が表示されます。下の画像例を見てください。周辺のスポットを上にスワイプすると、周辺にあるサービス(レストラン、ガソリンスタンド、お店など)が一目で探せるのがわかります。とてもわくわくすると同時に、役に立つ機能です。
  • 私はマテリアルデザインに目がないということを認めなければなりません。Googleの(比較的に)新しいデザイン手法は美しさだけではなく、高い生産性を兼ね備えています。アプリのUX全体に細かいアニメーションを採用し、ユーザーがおこなうすべての操作に対して反応を演出することで、エンゲージメントを高める効果を発揮しています。

9to5macの厚意による画像提供

アプリの検索UXを最適化するには:ツールとポイント

3つのアプリを分析したことによって、優れたアプリ内検索のUXに関する知識が身についたはずです。次はどのように検索機能を精査し、最適化するかに移りましょう。

経験則から言うと、検索のUXを選定する際は、定量分析よりも定性分析を重要視すべきでしょう。

ひとことで言うならば、定性分析はユーザー行動の理解を深める役割を担います。アプリとユーザーのインタラクションを観察でき、ユーザーの傾向を把握できます。UXはプロダクトとエンドユーザーのインタラクションすべてを網羅しています。この点においては、定性分析のソリューションだけがUXを測定し最適化することができるのです。

ユーザーセッションの記録は、検索機能とユーザーのインタラクションを観察し、それに応じてさらに良い結果へと導くためにUIとUXを最適化するための(公平な)方法のひとつでしょう。さらに、この分析によってアプリの検索機能をユーザーがどのように使用するか正確に把握することも可能です。

ユーザーのタップ、スワイプ、アクションすべてが記録されるため、即時に実行可能なインサイトが発見でき、それに応じた最適化をすることができます。

画像提供:Appsee

アプリ内のジェスチャーを観察するには、タッチヒートマップの活用がもっとも効果的でしょう。特に検索機能の場合は効果が期待できます。タッチヒートマップはアプリ上でユーザーが行うさまざまなジェスチャー(タップ、ダブルタップ、スワイプ、ピンチなど)の全データを集計します。実際のアプリ画面のレイヤー上に、集計したデータがヒートマップとして表示されます。

ユーザーがスクリーン上のどこでインタラクションしたか、いつ、どこのジェスチャーに反応がなかったかを的確に読み取ることができるため、最適化がしやすくなり、最高のUXの提供が実現します。言うまでもなく、反応がないジェスチャーを最小限に抑えることでリテンション率と解約率が大幅に改善するでしょう。

画像提供:Appsee

最後に

トラベル、ショッピング、乗換案内など、どのアプリにおいても、アプリ内の検索機能がユーザーをゴールライン(チェックアウト、ショッピングカート、目的地)に導きます。美しいデザインの検索画面であっても、ユーザビリティが低くてはあなた自身にとってマイナスなことしか与えません。さらに、ユーザーにもマイナスなことを与えてしまうでしょう。つまり、アプリ内検索のUXを最適化することは絶対条件なのです。有効的なツールを賢く活用して、ユーザーの傾向をより詳しく把握するとともに、マーケットの上位アプリから積極的に発想を得ましょう。


Welcome to UX MILK

UX MILKはより良いサービスやプロダクトを作りたい人のためのメディアです。

このサイトについて