よりよいデザインのためのUXライティング

Lesley Vos

LesleyはWebコンテンツ・ストラテジストであり、Bid4Papersのブログライター。

この記事はUsabilityGeekからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

How UX writing can help create good design

あなたがもし、視覚的なデザイン要素を持つWebサイトだけがユーザーに愛され、喜んで使ってもらえると思っているのであれば、考え直したほうが良いかもしれません。

ほとんどのデザイナー、そして開発者は今日(こんにち)、UIとUXに異常なほど熱中しています。近年ではこの分野は大いに成長し、世界中の多くの大企業において重要な役割を果たしています。まるで誰もがUXデザイナーになることを望み、究極のユーザビリティを目指して美しいWebサイトを作りたいと望んでいるかのように思えます。

しかしそこには、落とし穴があります。

Webサイトを訪れる人はデザインが目当てなのではなく、情報を求めてやって来るのです。

言い換えれば、あらゆる色や心理学に基づいたデザインのアイデアが役に立つのは、テキストと結びつけられた場合のみだということです。言葉とデザインのスマートな融合こそが、最高のユーザビリティと幸せなユーザー体験をもたらすものなのです。

ですから、もしユーザージャーニーをもっと快適で目的に沿ったものにしたいなら、デザインのためのUXライティングに注目する必要があります。なぜそれが重要なのか見てみましょう。

UXライティングとは何か

Chelsea ArmstrongがCopy Hackersにおいて見事に言い表しています

UXコピーライティングとは、直感的な方法で目的を達成しようとしているデジタルユーザー(サイトの訪問者や顧客)の心を動かすようなコピーを書き、構成することである。

分かりやすく言えば、UXライティングとは「ユーザーのためのライティング」です。書く物はさまざまで、ヘッドラインやマイクロコピー、ボタンに表示する言葉など、あらゆるものが対象になります。書く内容は、目的と説得についてです。UXデザインがユーザーを惹きつけ、彼らがWebサイトを見て回るのを手助けするものであるのに対して、出来の良いUXライティングは何をするのか、なぜそれをするのか、どこをクリックすればいいのかを説明し、そうすることでユーザーに行動を起こさせるものなのです。

 

その他の優れたUXライティングの例はこちら

UXデザインはライティング無しでは完成しません。ユーザーはネット上にいるとき、またはアプリを使っているときには、何らかの指示を必要とするのです。そして、UXライティングこそが、プロダクトと消費者をつなぐ架け橋なのです。たとえ最新のUXトレンドに則って作られたデザインでも、言葉が無ければユーザーは迷ってしまいます。

デザイナーの中には、「1枚の写真は1000の言葉に匹敵する価値がある」などと主張して、この考えに同意しない人もいるでしょう。

実際のところ、人間の脳は文字よりも画像を60,000倍速く知覚するだけでなく、たとえ文字を見たとしても情報を画像として固定します。だからこそ、UIのすべてを視覚的な画像にしようとするデザイナーもいるのです。ですが、意味についてはどうでしょうか?

確かにユーザーは画像の方を速く知覚するのでしょうが、そうした画像がポジティブなユーザー体験につながるには、明確なメッセージを伝える必要があります。言葉が無ければ、2つの意味に取られたり、誤解を生んだり、そのページで起こっていることが理解されなかったりしてしまうリスクが常にあります。そうした場合に、テキストならより明確にアイデアを伝えることができますし、デザインをもっとUXフレンドリーなものにすることができます。

オンラインでのユーザーの読み方

UXライティングは盛り上がりを見せていて、活躍の場を見つけています。というのも、私たちの集中力はどんどん長続きしなくなってきていて、長ったらしい段落や文章を読むのを面倒くさがるようになっていることは間違い無いからです。読むというよりも目を通す、という感じが当たり前になっているのです。ですから、Webページやアプリをユーザーに触ってもらうには、簡単で明確なコンテンツを心がける、すなわち、ユーザビリティを向上させなければならないのです。

UXライティングにはさまざまなものが含まれます。ボタン上のテキスト、アイコン、タグライン、通知、エラーメッセージ、ナビゲーション、ユーザーのためのガイドラインなどです。大事なことは、これらすべてのテキストが、デザインの、そしてユーザー体験の一部であるということです。

出典:Userpilot

オンラインで読むスピードは、印刷物を読む場合よりも25%遅いと言われています。また、ユーザーはWebサイト上の単語のたった20%から28%しか読まないとも言います。これらのことを踏まえると、UXライティングは次の基準を守らなければなりません。

  • 明快であること:あなたが言わんとしていることがユーザーに理解できるように、コアとなるメッセージを伝えるようにします。
  • 正確であること:簡潔に、意味のあるものを書きます。いかにも説明的なエッセイのように、関係のない方へ話が逸れてはいけません。
  • 一貫していること:語り口調やライティングのスタイル、用語を統一します。

また、UXライティングはユーザーにとって役に立つものでなければならず、インタラクションを促進するような情報をユーザーに提供しなければなりません。ユーザー体験を向上させるには、次のようなオンラインでのユーザーの見方の原則に従ったテキストコンテンツを配置する必要があります。

  1. ユーザーはページの左上から読み始める
  2. ユーザーはページ上部にあるナビゲーションエレメントを好む
  3. ユーザーはページの左上から右下に向かって、斜めに読み進む
  4. ユーザーはメニューに注目する
  5. ユーザーは普通では無い動きを嫌がる
  6. ユーザーはヘッドラインとリストを好む
  7. ユーザーは大量のテキストの塊を嫌がる
  8. ユーザーは1つのカラムから成るフォーマットを好む
  9. ユーザーは数字を、特に奇数を好む
  10. ユーザーは最初にテキストに注意を払い、グラフィックはその後である

プロのUXライターならばこれらの原則をすべて知っていますし、原則に従ってページやインターフェイスに情報を配置しています。ですから、デザイナーや開発者にとって最善の選択は、クリエイティブなプロセスにライターを巻き込むことであり、ユーザビリティを向上させるためにどんな言葉をどこに配置するかということについての彼らの意見に耳を傾けることなのです。

デザインにUXライティングを組み込むためのポイント

多くのデザイン、マーケティングの専門家はUXライティングがユーザー体験にとって多大な影響を与える要素であることを認めている一方で、いまだにUXにおけるテキストコンテンツの役割を軽視する向きもあります。それは、CTAボタンのために短いテキストを書くことは、長い文章を書くよりも多くの時間と労力を必要とするからです。

UXライティングでは、すべての単語が重要です。ひとつひとつがいくつかの役割を持っているからです。短いテキストはユーザーに情報を伝え、さらに先に進む気分にさせ、最終的には目的の行動を取らせなければなりません。そしてUXライティングによるテキストがデザイン要素であることを考えれば、その効果は視覚的な表れ方次第ということになります。つまり、ページ全体のデザイン構成にフィットするものでなければならないのです。

次に挙げるのは、よりUXフレンドリーなデザインを作るためのポイントです。

1. ダミーテキストを使わない

UIを作り始める時、あなたはLorem Ipusmと呼ばれるダミーテキストをテキストのブロックにコピペしているのではないでしょうか。これはやめましょう。

どんな単語も様々な文字の組み合わせ、大きさ、構造を持っているのですから、その見え方は当然異なります。だからこそ、ダミーテキストを配置している時にはいい感じに見えたテキストブロックが、実際のコピーを入れた途端に違って見えるのです。

ですから、できるだけ早い段階で実際のコピーをUIに入れ込むべきです。そうすれば、自然に見えるようなプロトタイプを作ることができ、全体のエレメント配置を見通す事ができるでしょう。さらに、あまり見た目のよくないデザインを見つけては作り直すという時間と神経をすり減らす作業を抑えることができます。こうした修正点は、ダミーテキストとは違う長さや構造を持つ実際のコピーによって生まれるものなのですから。

2. 複雑な言葉を使わない

UXライティングはとにかく分かりやすく、シンプルでなければなりません。UXフレンドリーなデザインを作るためには、誰もが知っているような短い単語を使うことを徹底し、受動態や複雑な文章を避けるようにしましょう。そして、ユーザーがページを見やすくなるようなテキストの構成を作るために全力を尽くすのです。

つまり、次ようなルールを守ることになります。

  • 専門用語や業界用語を使わない
  • 長すぎる単語、複雑な単語を使わない
  • 受動態を使わない

また、ユーザーに行動を促すような言葉を選ぶようにしましょう。たとえば、エラーが起こった時には単に「OK」と書くのではなく、「もう一度試す」と書きます。

ポジティブなメタ言語は、ネガティブなものよりも効果的です。たとえば、「間違ったパスワード」と書くと「間違った」という言葉がネガティブな意味を持つので、これを「パスワードが正しくないようです」とでもすれば、もっとUXフレンドリーになると思います。

3. 数字を使う

数字の持つ力はよく知られています。人間は無意識に、事実、大きさ、統計などの自分にとって有用と思えるものを何でも、数字に結びつけます。だからこそ、ほとんどのブランドのランディングページには数字が使われているのです。まただからこそ、付加価値や安心感を与えるためには数字が最適なのです。

加えて、強力な武器となるのが奇数です。「1日15分でできる、ECのためのUXライティングを学ぶ11の方法」というようなタイトルはユーザーにクリックされやすいです。

UXライターがコピーをコンパクトにするためには数字が非常に有効です。数字のおかげでコンテンツが明確になり、ユーザーが読むために使う時間が短くて済みます。

4. ブランドの雰囲気を反映する

UXライターに仕事を頼むときには、あなたのブランドのブランドブックと、ユーザーのペルソナを必ず彼らと共有しましょう。すべてのコピーは、ブランドの雰囲気を反映していなければなりません。どんなブランドで、どんな印象を与えるのか。どんな顧客、またはユーザーがいるのか。どんなサービスを提供・提案をするのか。

コピーの口調、調子は、ブランドのオーディエンスへの話しかけ方そのものなのですから、すべてのコンテンツにおいて、同じ言葉、口調、文の構造を用いるようにします。ブランドについての情報発信において、ライターとデザイナーの両方が守るべき一貫性を定めたルールを作りましょう。

UXライティングにおけるブランドの雰囲気とは、コピーに使われている専門用語や字体、タイトルに使われている単語の数、代名詞、句読点、テキストに込められるユーモアなどです。これらは、あなたが目指すブランドのアイデンティティ、勝ち取りたい評判次第で決まります。

5. クリエイティブな要素を入れる

UXコピーにとって重要なことは短く、情報をよく伝えるメッセージであること、ブランドの性質と雰囲気を反映するものであることはお分かりいただけたと思います。しかし、だからと言って退屈なものになっては仕方ありません。

ブランドのイメージ次第ではありますが、いくらかのクリエイティブな要素とUIに対する前向きな感情を取り入れるようにしましょう。たとえば、エラーメッセージを書く場合には、次の画像のように、ユーザーを引き止めるようなお行儀の良いジョークを入れてみてもいいでしょう。

ここで大事なことはやり過ぎないことであり、ユーザーがそのユーモアを理解して、適切な反応を示せるようにすることです。適切なアイコンとうまい言葉があれば、ユーザーはハッピーな体験をすることができ、その言葉の背後にあるあなたのブランドについて考えを巡らしたくなるでしょう。

まとめ

UXライティングによってユーザージャーニーは快適で、目的のあるものになります。だからこそデザイナーとデベロッパーは、より良いユーザビリティの達成のためにどんな言葉を使うのか、どこに配置するかについてのライターの意見を無視すべきではないのです。Webサイトを際立たせるためには、コンテンツとデザインの完璧なコンビネーションが重要なのです。

あなたのデザインをもっとUXフレンドリーにするために、UXライティングをマスターしましょう。または、プロのUXライターをチームに入れましょう。


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