現在、海外のUX業界では膨大な数のプロが参戦して大きな成長を迎えています。そして、若手レベルの求職者も増え続けています。誰もが就きたがるUXのプロとしての出発点は、どんどん競争率の高いものになってきています。しかし、無事に入社できたとしたら、次になにが起こるのでしょう?
時間が経つにつれて、若手という肩書きが何だか不快に感じられるようになります。若手であれば学び取る能力、質問する能力、指示を受ける能力やUXのさまざまな分野における実務など、さまざまな恩恵を受けられるのですが、それでもいわゆる入門レベルを卒業したいと思うのは自然なことでしょう。UXにおけるさまざまな役割・役職、UXの世界での専門性の磨き方、UXデザインにおける中ぐらいの立場がもついくつかの特徴的な側面を理解することには意味がありますが、この記事では、私の経験をシェアして、若手から中ぐらいのUXデザイナーに成長するためのヒントをいくつか紹介します。
フィードバックを求める
若手のときには、自分より経験豊かなデザイナーとの関係を築き、彼らから学ぶ絶好の機会です。成長するためには、自分の強みと弱みを客観的に把握することが不可欠です。自分では気づかない部分を指摘してくれる人や、あなたの成長を押し進めるための材料に導いてくれる人がいると思います。また、建設的な内容のフィードバックをもらうことも非常に助けになります。あなたの仕事ぶりをみている上司や、信頼できる同僚、メンターが与えてくれるフィードバックは何物にも替え難いものです。もしあなたが幸運にもそのような人たちをみつけることができたら、フィードバックを有り難くいただきましょう。建設的なフィードバックをもらう能力、そのことについてじっくり考える能力、またもし可能であればそれを踏まえてアクションプランを立てる能力は、あなたが次のステージに向かうための地図とコンパスになるでしょう。
学び続ける
UXを生業とするあなたにとっては驚きはないかもしれませんが、仕事以外の分野でも自分を磨くことが期待されているのです。最新のテクノロジーやツール、研究についての本を読む、ポッドキャストを聴く、動画をみることも、仕事の一部です。また、UXスキルを身に付ける、あるいは更新するために役立つような重要で基本的な気づきを与えてくれるオンラインチュートリアルや講義もあります。市場価値を持ち続けるためには、学ぶことは避けて通れません。インスピレーションを得るため、そしてデザインのトレンドに乗っていくために、Dribbble、Flipboard、Product Huntのようなコンテンツ集のWebサイトを使いましょう。
学ぶのが好きな人がそうであるように、私もその分野での修士号を目指すことに決めました。1年と少しの経験を積んだのちに、ベントレー大の情報デザインプログラムのヒューマンファクターの修士課程に入りました。やってみると、講義の内容は非常に価値があるもので、私の普段の仕事にも使えるものであることがわかりました。仕事と学業を両立させることは簡単ではありませんが、それを補って余りあるほどのシナジーが得られます。
UXのコミュニティに参加する
成長への道にはもう1つ、人との繋がりがあります。機会があれば、UX関連のミートアップや会議に参加しましょう。たとえあなたが恥ずかしがり屋だったとしても、イベントに参加したり、ボランティアとして働いたりすることには一考の価値があります。あなたはきっとなにか新しいことを学ぶでしょうし、そのうちに地域のUXコミュニティにずっと深く溶け込むことになるでしょう。
最初はちょっと怖いものですが、イベントを手がかりにしていけば、他の人と繋がったり、一緒に仕事をしたりすることはそんなに難しくありません。仕事関係のネットワークを増やせば、あなたのプレゼンスが上がるだけではなく、別の分野の専門知識を学び、身に付けるための多くの機会が得られます。あなたのLinkedInのフィード、あるいはSlackのチャンネルが、あなたの成長に役立つ素晴らしいヒントやリソースで溢れることになるでしょう。
メンターになる
メンタリングはとても有意義で、あなた自身の核となるスキルを磨くのに最適です。UXの実践者としてあなたはすでに、業界に入ろうとしている誰かを手助けするのに十分な知識をもっています。新たな道を踏み出すに当たっての不安や興奮をまだ鮮やかに覚えている間は、あなたは仕事を始めようと考えている人をメンタリングするのにぴったりの場所にいるのです。
あなたは、自分がすでに知っていることの多さに、そしてあなたの知見が第一歩を踏み出そうとしている誰かにとって本当に役に立つものなのだということに驚くでしょう。UXに興奮していた誰かが、業界で活躍できるほど優秀になるために必要とされる努力を思い知って手を引いてしまったら少しがっかりしてしまうでしょうが、メンタリングした誰かが有名な会社で役職を得たらワクワクすることでしょう。
成長を加速させよう
私が業界の中に答えを探したとき、はっきりしたのは、UXのキャリアを先に進める最短ルートは、仕事を変えることだということです。さまざまな多くの立場を経験すれば、つねに新たな問題に身を晒すことになり、新たなプロたちと一緒に仕事をする機会を得られるので、あなたのスキルは飛躍的に成長するのです。私のかつてのクラスメイトや知り合い、同僚の中には、会社を移って素早く格上の職位に就いた人もいます。いまの会社で上を目指すのも悪いことではありませんが、まずはスキルを成長させるために最適な機会を探すためのプランをしっかりもって、それから昇進のことを考えてください。
次のステップ
中級クラスのデザイナーになったら、肩書きと給料に見合うだけのもっと多くの責任と高い期待が伴います。この次の、上級職に向けて仕事をすることは、困難でもありワクワクすることでもあります。いまのポジションに至るまでに築いた関係やリソースは、大事に手入れをしてさらに伸ばさなければいけません。進み続ける限り、ときには立ち止まって考え、必要とあらば軌道修正することもつねに意味があります。繰り返すこと、磨き続けることはあなたのデザインの役に立つだけでなく、キャリアパスをデザインすることにも役立ちます。あなたの旅の行先がどこであろうと、幸運をお祈りしています。