「Yum(Yellowdog Updater Modified/ ヤム)」とは、LinuxのRedHat系ディストリビューション(CentOSやFedoraなど)で利用されるパッケージ管理ツールです。Debian系ディストリビューション(Ubuntuなど)で利用される「APT」に相当するものです。
「Yum」と「RPM」のややこしい関係
パッケージ管理ツールとは、OSへのソフトウェアの導入と削除、依存関係の整理などを行うツールです。RedHat系ディストリビューションでは、ソフトウェアはrpm形式のパッケージ(.rpm)が使われています。
また、ややこしいことにファイル形式.rpmと同じ名前のパッケージ管理ツール「RPM(RPM Package Manager)」も存在します。
つまり、「.rpm」ファイルをインストールするパッケージ管理ツールに、「Yum」と「RPM」という2つのツールがあるということになります。
「Yum」と「RPM」はどう使い分ける?
基本的に、「Yum」は「RPM」の高機能版と考えて良いです。具体的には、「YUM」は「RPM」にパッケージの自動更新機能と、依存性の解決機能を加えたパッケージ管理ツールと言えます。
また、「Yum」ではパッケージの集合であるリポジトリーと連動しており、リポジトリから未インストールのパッケージを検索できます。
機能 | RPM | Yum |
---|---|---|
依存性の解決 | なし | あり |
自動更新 | なし | あり |
リポジトリ連携 | なし | あり |
そのため、基本的にパッケージ管理ツールには「Yum」を使うと良いでしょう。また、内部的には「Yum」は「RPM」を使用しているので、「Yum」でインストールしたパッケージと「RPM」でインストールしたパッケージが競合することはありません。
「Yum」の後継「DNF」の登場
さらに、「RPM」、「Yum」に続くパッケージ管理ツールとして「DNF(Dandified Yum)」も登場しています。
「DNF」は、Yum 3.4をフォークした後継ツールで、「Yum」の問題点であった「ドキュメントの整理」「依存性解決のアルゴリズム改善」「メモリ使用量の改善」など多くの改善がされています。
Fedora22では、デフォルトのパッケージ管理ツールに「DNF」が採用されており、CentOS7などでも使用することができます。