第2期生募集中!卒業生が語る「UX School」で得た実践的な学びとは

UX MILK編集部

モノづくりのヒントになるような記事をお届けします。

2017年秋冬に開講されたネットイヤーグループ主催のUX Schoolが、この春2期生を募集します。そこで今回はUX Schoolの講師と第1期受講生の計4名に、スクールでの学びや受講後の変化についてお話を伺ってきました。

UX School講師
宮村 和実 氏:ネットイヤーグループ株式会社 UXデザイン部 シニアUXデザイナー(左端)
原田 紘子 氏:ネットイヤーグループ株式会社 UXデザイン部 UXデザイナー(右端)

UX School第1期 受講生
小松 尚寿 氏:スタディプラス株式会社(中央左)
恩田 志保 氏:株式会社オズビジョン(中央右

気軽に実践的に学べる、UX School

── 1期生の卒業から1年近く経て、ついに2期生を募集されるということですが、UX Schoolを知らない方のために、どのようなものかを簡単に教えてください。

宮村:公式Webサイトに「裸足でUXしちゃおう」と少し恥ずかしいコピーもありますが(笑)。UX Schoolは、気軽に実践的にUXを学ぶをコンセプトとしたスクールです。

学んだ知識を仕事の現場で活用して欲しいので、座学だけではなくワークも取り入れた講座になっています。ユーザーインタビューから、ペルソナ、カスタマージャーニー、プロトタイピング、ユーザー評価まで......とUXデザインのプロセスを一気通貫で、自分たちで手を動かしつつ体験できるプログラムです。

── アカデミックではなく、実践に重点を置いたスクールですよね。

宮村:UXを学ぶ場は世の中に多くありますが、アカデミックな側面が強いとハードルが高かったり、実際の業務に落とし込むのが難しい部分もあると思うんです。もっと気軽に実践的に学べる場があってもよいのでは、と思い企画しています。

UX Schoolについて詳しくは2017年10月開講時の記事もご覧ください

「みんなで筋肉体操」のようなハードでも楽しいスクール

── 場を作るに当たって、どのようなことを意識されたのですか?

宮村:目指したのは楽しく、刺激的に学びあえる場です。学びの中で失敗もしながら、頭で理解するだけでなく、身体で体感してもらいたいと考えていました。

気軽にUXを学ぶをコンセプトとしていますが、手を動かして実践的に学ぶ分、限られた時間の中で瞬発力を求められます。受講生のみなさんがその状態にハマっていって、楽しく刺激を感じる講座の時間となるよう意識していました。ある意味NHKさんの番組「みんなで筋肉体操」のような場の世界観に感じるかも知れません(笑)。

実務に繋がる、チームでの実践的な学び

── 1期目のUX Schoolではどのような方が受講されたのですか?

原田:受講生は全部で24名いたのですが、男女それぞれ半分ずつ、年代は30代の方が多かったですが、20代前半の方も40代以上の方もおり、本当に幅広かったです。ある程度社歴を積んで、「UX」に対して何かしらの課題感を持っている方が集まっていた印象でした。

── どのような職種の方がいらっしゃったんでしょうか?

原田:職種はデザイナーやエンジニア、マーケターや営業職の方など、さまざまでした。特にUXデザイナーが集まっていたわけではないですね。

── さまざまな職種の方が集まっていたんですね。ここからはUX School第1期受講生の小松さん、恩田さんにもお話を伺っていきたいと思います。よろしくお願いします。

UX School第1期受講生の小松さん(左)・恩田さん(右)。

── 小松さんはデザイナー、恩田さんはカスタマーサービスに関わるお仕事をされていたと伺っています。おふたりはどのような経緯でUX Schoolを受講されたのですか?

小松:会社でUXデザインを実践してみても、いまいち業務とフィットせずに違和感を感じていたことがあります。

本を読んで断片的な知識はあったのですが、各手法の持つ効果やそれを使う根拠は説明しきれなかったのでUXデザインを体系的に学んでみたいと思い受講しました。

恩田:現場でのコミュニケーションが上手くいかず、歯痒い思いをしていたのは受講の背景としてありますね。

私は当時、カスタマーサービスの部署で問い合わせからユーザーの課題を見つけて解決するプロジェクトに携わっていました。ユーザーの声から取り出した課題感を周囲に共有するのですが、それがなかなか伝わらなくて。

── それぞれ現場で課題感を持っていたことが、受講のきっかけだったのですね。

リフレクションの共有で学びを促進

── 実際の講義はどうでしたか? 先ほど話にも挙がりましたが、実践を伴う分ハードな点も多かったと思いますが。

小松:講座の進行スピードが速くて大変でしたね。1週間働いた週末に、これまでにないスピードで頭を働かせる必要があったといいますか。

恩田:私も同感です。2時間の講座内で講義を受け、ワーク課題に取り組みアウトプットを出すのですが、最初はそのスピード感にまったくついて行けず、焦りましたね。

講座内容はゴリゴリのワークでしたし、振り返りをしっかりやらないと内容についていけなくなってしまうので、そこはしっかりやっていました。

宮村:振り返りは「リフレクション」といって、受講者には毎回専用のSlackグループにその回に学んだことを内省してコメントを書いて貰っていました。

Slackに投稿する形を採ったことで、受講者同士がお互いのコメントにスタンプを送りあったり、講師がコメントで挙がった疑問に対してフォローや補足説明をしたり等のコミュニケーションが生まれました。また、次回の講座でそこからいくつかピックアップして紹介することで、他の方の学びも活かしてもらうようにしていましたね。

いろいろな背景を持った方が受講されていたので各自の個性が出ましたし、「こういった考え・視点があるんだ」と受講者同士でも学びがあったのは良かったと思います。

── 講師と受講生の間の縦の学びだけでなく、受講生同士で横の学びもあったのですね。

恩田:リフレクションをしていたSlackのグループは、見返すだけで当時の振り返りができるので今でも重宝していますね。

スクールだからこそ失敗して学べる

── 講師視点で、受講者が特につまづいていた部分はありますか?

宮村:大きく2点ありました。1つ目は前回の記事でも原田が予測していたのですが、ユーザーのセグメンテーションです。ペルソナ作成前にユーザーを4象限に切り分けて整理するのですが、どのような軸でセグメントすべきか? セグメントしてみたがうまくユーザーを切り分けられた気がしない、などと壁にぶつかっていました。

明確な正解があるわけでもなく、ある種「決め」の問題だったりもして、実務でUXデザインをやる私たちにとっても難易度が高い部分ですし、皆悩んでいましたね。

原田:ユーザーセグメントを決めるのはプログラムの初期にやる内容で、グループ内の関係性もまだできていない中でのこのワークは一層大変だったと思います。

── 実際の仕事でもあるように、いかに最初からチームビルディングをしてワークに取り組むかといった部分もトレーニングになりますね。

原田:はい。チーム内で遠慮せずに言い合える関係性になると、意外とスムーズに話が進んでいきます。そのためチームで取り組むUXデザインの中で、チームビルディングが占める部分は大きいと思います。

宮村:セグメントの議論は、遠慮がちだったら全然成り立たないでしょうね。逆を言えば、スクールの初期段階でユーザーセグメントのような難問を乗り越えたからこそ、チームで一体感が生まれたのかもしれないですね。

── ユーザーセグメントが、チームにとっての最初の試練だったということですね。2点目はなんでしょうか?

宮村:2点目は、UXプロセス全体で一貫したデザインをすることです。

ペルソナやジャーニーマップを作った後、アイデアづくりやプロトタイピングの段階で「ズレ」が生じないよう常にそれらに立ち戻る必要があるのですが、それがなかなか上手くできていなかったとの印象を持ちました。

── 現場でも起こる失敗ですよね。

宮村:そうなんです。ここは受講者の方に失敗することで気づき、学んでもらいたいポイントでもありました。

恩田:私たちのチームでもまさにそこに失敗しました。今自分たちが話していたアイデアは、世の中全般のユーザー向けなのか、(課題の店舗における)私たちが捉えたペルソナ向けのどっちなのかみたいになってしまいました。

── ある意味、失敗も講師側の想定の範囲に含まれていたと。

宮村:講座の中でいいものを作るよりも、実際にやってみて「なんでこんなふうになっちゃったんだ」と失敗して貰いたかったんですね。そういう失敗はスクールの中でしかできないので、そこから学んで欲しかった。

スクールの途中で参加者の方が「小さく早く失敗する」ことが大切だと気づいたと言っていましたが、まさにその通りだと思います。

場のファシリテーションが1番の学びに

── なかなかハードなプログラムだったと思うのですが、中でも一番学びになったのはどのような点でしたか?

小松:内容ももちろん良かったのですが、カリキュラム全体を通して講師のおふたりのファシリテーションもすごく学びになりました。楽しんでいるうちに考えさせる場づくりの手法を、間近に見ながら学べたのは大きかったなと思います。

恩田:私も同意です。あとは瞬発力がついたことと、チームビルディングは特に勉強になりました。

── 講師のおふたりから見て、受講生たちが明確に変わったと感じる部分はありますか?

宮村:受講生が学びになった、と言ってくれた部分と同じですね(笑)。講義のプログラムや資料として用意していたわけではありませんが、スクールの実体験からファシリテーションの方法等も学んでもらえたかなというのはあります。

やはりファシリテートができないと、自分たちの現場に戻ってUXを実践できないんですよね。UXデザインに取り組むためには皆を巻き込んでいかないといけないので。

ファシリテーション方法を学んだことで、チームの皆を上手くまとめたりと自立的に動けるようになった部分があるのではと思いますね。

原田:あとは、UXデザインにおいて使う筋肉が以前とは少し変わったと感じています。スクールでは計10回毎回ワークをやって、何かを付箋に書き出して考えをまとめてアウトプットを出していったので、短時間で何かを作るといった俊敏性と柔軟性が身についたなと。

── UXデザインやファシリテーションにおける筋肉がついて、フットワークが軽くなったのでしょうか。

原田:まさにそういう感じです。スクール終盤になると、動き出しが早いし何も言わなくても個々人が出てきた意見をグルーピングしてアウトプットをまとめるという、UXデザインプロセスにおいてとても重要であるユーザー参加型のデザインの実践を参加者自身が自発的にやるようになりましたね。

学びを元に周囲を巻き込めるように

── ずばりスクールに通ってみて、その後の実務で何か変化はありましたか?

小松:UXデザインを体系的に学んだ分、根拠を持って論理的に周囲に伝えられるようになりましたね。

あとは実践メインのスクールだったおかげで「やらないよりはやってみた方がよい」とのマインドができて、実践する機会が増えた結果、業務にUXデザインを活かせる比率も増えたと思います。

── 知識とマインドの両面で変化があったのですね。恩田さんはどうでしょうか?

恩田:自分の持っている課題感を周囲に伝えて説得できる武器を得られたのが変化でしたね。

以前は自分の感じている課題感が周りに伝わらずに歯痒い思いをしていましたが、スクールに通った後は学んだことを活かして、問い合わせからペルソナやジャーニーマップを作って全社にプレゼンをし周囲の理解を得るなど、周囲を説得する方法を学べたかなと思います。

また体系的に学んだことで自信がついて、部署を越えて発言する等、大きな声で主張できるようにもなった点も変化でした。

── おふたりとも、体系的にUXデザインを学んだことで周囲を説得する手法とマインドを手に入れたのですね。

一歩踏み出して、共に学びを楽しんで欲しい

── 一昨年のお話を伺ったところで、そろそろ今年のUX Schoolについて聞いていきたいと思います。 UX Schoolの第2期はどのような予定なのですか?

原田:開催時期が5月のゴールデンウィーク明けからお盆前までになります。またプログラムとしては、セグメンテーションの部分でつまづく方が多かったため、セグメンテーションとインタビューが1回にまとまっていたところをそれぞれ1回ずつに分けて前回から1回分増えた全11回にしました。

UXデザインのプロセスをひと通り学ぶといった全体的なプログラム内容と、私たち講師メンバーは前回と同じです。

── 2度目の開講となる分、講師のおふたりもパワーアップしていそうですね。スクールにはどんな方に来て欲しいですか?

宮村:自分でUXデザインを少し勉強して、頭ではわかっているつもりだけど、どう実践したらよいか不安や課題を感じている方に来て欲しいですね。職種やUXデザインのレベル感には特にこだわりはありません。

原田:あと知的好奇心が強い方は向いているのではないでしょうか。今取り組んでいる業務がユーザーとどう繋がっていくのか関心がある方は、UXという分野の素質を持っていると思うので。

宮村:公式サイトでも「裸足でUXしちゃおう」と掲げていますが、UXデザインに対して課題感や興味を持っている方たちに、まず一歩踏み出してみて欲しいですね。

UX Schoolでは座学形式ではなく実践形式で、参加者が複数のチームに分かれて同じ立場で一緒に考えて手を動かしながら学んでいきます。チームでのグループワークと個人ワークを繰り返しながら、他のチームとの違いも感じられるため、すごく刺激的で面白い体験になると思います。

── 他の方たちと一緒に学んでいくことで、発見もたくさんありますよね。

宮村:そうですね。そういう刺激を求めながら、それを自分の血肉にしてUXを学んでいくことに面白さを感じてくれる方に来てもらうと、すごく合うのではないでしょうか。

── UX School第2期も楽しみですね。今日はありがとうございました。

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UX School2期生の募集は、2019年4月3日(水)から申し込みを受け付けています。

気さくな講師のおふたりと一緒に、ハードな内容も楽しみながら学んでいける印象でした。少しでも興味がある方は、UX Schoolのサイトから詳細を確認してみてください。

募集期間 2019年4月3日(水)~2019年4月17日(水)
受講期間 2019年5月10日(金)~2019年8月9日(金)
定員 24名(最少催行人数12名)
受講料 全11回 95,000円(税込)
開催場所

ネットイヤーグループ株式会社

〒104-0061
東京都中央区銀座2-15-2
東急銀座二丁目ビル
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